こんばんは、二宮金次郎です。
私は現在、浜名湖畔のA小学校に鎮座しています。
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夜になると動き出すのですけど、その姿を目撃した人を襲うという都市伝説も、いつの間にか付いて(憑いて?)きました。しかも本を読みながら、無表情で。
しかし、この日は夜になってから校庭であるイベントがおこなわれ、それを観に来た人で賑わっているので、動くワケにはいきません。そのような中で、脚立を持ったおいちゃん……… 確か、去年も一昨年も来ていたような………
とにかく、彼は暗闇の中に浮かぶ私の姿を撮っていき、それからいそいそとイベントのほうに向かっていきました。
そうしたら、ここから先のことは、彼に記述してもらいます。
こんばんは、白黒茶々です。
私は二宮金次郎像を仰ぎつつ、母校でもあるA小学校の校庭にやって来ました。
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校舎が赤く浮かび上がっている、その向こう側では………
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手筒花火がおこなわれていました。
夏の花火大会といえば、こちらのほうでは袋井市の原野谷川や、浜名湖畔の舘山寺や三ヶ日のものが有名ですけど、いずれの場所も混んでいて、行って帰ってくるのも一苦労なので、今年は最初から諦めていました。その一方で、こちらの遠州新居の諏訪神社奉納煙火(手筒花火)は、いちおう大勢の人で賑わってはいるのですけど、途中からふらりと行っても充分に観ることができるので、私は毎年のように気軽に味わっています。
できることなら、箔と波も連れていきたいのですけど………
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雷がニガテな箔は、それを彷彿させる花火や太鼓もダメなのですよ。
以前、彼を花火見物に連れていったら、わたわたと落ち着かなかった挙げ句に、暗闇のなかで吐くという事態に。
「箔が吐くなんて………」
いやいや、とにかくこうなってしまったからには、もうこれ以上彼を花火見物に連れていくことはできません。
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それならば、波はどうなのでしょうか?彼女はまだ未知数なのですけど、万が一箔と同じだったら、せっかく連れていった花火大会を途中で切り上げなければなりません。
そうなるのもイヤなので、なかなか踏み出せないのですよ。
とにかく、話は今回の手筒花火の現場に戻ります。手筒花火といえば、豊橋市のものが有名ですね。実は、遠州新居の手筒花火は、その流派なのですよ。ということで、まずは手筒花火とは何か、説明させていただきます。
江戸時代からおこなわれているこの花火は、節を抜き乾燥させた竹筒にムシロや縄を巻き、火薬を詰めて作ります。しかもその花火をあげる人は、講習を受けたり経験者から指導を受けたりしながら、自分で仕上げることになっています。
それから、この花火は、打ち上げるものではなく、抱えられた状態のままで火の粉が天高く吹き上がるタイプなのですよ。
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元祖のほうは、豊橋市の吉田神社の境内でおこなわれているのですけど、そちらのほうは手筒花火を抱えた人は直立不動で火の粉の逆噴射を発します。
そして、「ハネ」と呼ばれる手筒の底抜けをもって、その花火は終了となるのですよ。
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湖西市の旧新居町地区は、かつては関所と宿場町があったところ。その新居関所は、江戸時代中期以降は吉田藩(今の豊橋市)の管轄になったということもあって、手筒花火が伝わったと思われます。ただし、こちらのほうでは独自の進化をとげて、手筒を抱えた人は火の粉の逆噴射を受けながら練り歩くスタイルを取っています。ちなみに、その際に底が抜けたら縁起が悪く大事故にもつながるので、なるべく抜けないように願っていてくださいませ。
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その後も、手筒花火は続々と上げられていき………
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6人が同時に上げる豪快かつ華麗(カツカレー?)な「六本揃え」でもって締められました。ただし、これを見終わったからといっても、まだ帰ってはいけませんよ。
このあとに、もう一山、いや、二山盛り上がるところがあるので、もう少しだけお付き合いくださいませ。
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「六本揃え」から間もなくして、今度は長い棒の先に火を点けた陽気な若い衆が練り歩き出しました。さらにその他大勢の若い衆も、同じようなスタイルで彼に続いていきました。これは、練り歩きというよりは、スキップですね。
しかも「ソレダセダセヨー
」という掛け声も、軽快でよく通っています。
そんな彼らが行き着いた先で、大きな仕掛けに点火したら………
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暗闇のなかで、細工花火の絵柄が浮かび上がるのですよ。
遠州新居の手筒花火では、毎年子供に人気のアニメを図案化し、極秘で準備をして、この場で初めてお披露目することになっています。「その年に、子供に人気のあったアニメ」ということですけど、それは私にとっては毎年年末に京都の清水寺で貫主によって揮毫される「今年の漢字」みたいな感覚でもあるのですよ。今最も注目されているアニメといったら、やはり「おそ松さん」ってトコでしょうか?しかし、あれはあまり子供向けではないような。
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そうしたら、「団地ともお」のスポーツ大佐あたりでしょうか?いや、あれはアニメの中の子供の間での人気キャラで、現実の子供に受け入れられているかどうか………
とかなんとか言っているうちに、細工花火がその全貌を表しました。
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この小豚ちゃんは……… 「パンパカパンツ」のパンパカ君でしょうか?
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※「パンパカパンツ」とは、静岡県のSBSテレビでのみ放送されているローカルアニメで、パンツ大好きな小豚のパンパカ君が、家族の豚さんや飼い猫のプーニャンとともに活躍するお話です。歌のコーナーから派生したのですけど、映画化されたこともあるのですよ。ということで、ナイスパンツ!(編集部注)
………とはいってみたものの、パンパカ君にしては人相、いや、豚相が悪いような………
それから間髪入れずに「今年の絵柄は、『クレヨンしんちゃん』のぶりぶりざえもんにございます」というアナウンスがありました。「しんちゃん」は観ていないのですけど、このような豚キャラも出てくるみたいですね。
それよりも、今まで一度も私の予想が当たったことがないような。
とにかく、来年こそは童心に戻って子供が好きそうなアニメキャラを当ててみせます
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そうしているうちに3連の大筒に点火され、その火の粉が天高く吹き上がるのをもって、今年の諏訪神社奉納煙火の初日こと、「試み」は終わりました。その翌日にも、今度はこちらもまた私の母校のA中学校の校庭で手筒花火があるのですけど、私からしたらいろんな意味で初日のほうが盛り上がります。
細工花火の題材となる、子供に人気のアニメを予想しつつ、私は来年も手筒花火に行くつもりでいます。また、それ以外のところでも波の反応を見たいので、彼女を花火見物に連れていきたいです。
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来年の細工花火に、しっぺいを希望されている方は、こちらに投票してやってください。
私は現在、浜名湖畔のA小学校に鎮座しています。
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夜になると動き出すのですけど、その姿を目撃した人を襲うという都市伝説も、いつの間にか付いて(憑いて?)きました。しかも本を読みながら、無表情で。
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こんばんは、白黒茶々です。
私は二宮金次郎像を仰ぎつつ、母校でもあるA小学校の校庭にやって来ました。
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校舎が赤く浮かび上がっている、その向こう側では………
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手筒花火がおこなわれていました。
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雷がニガテな箔は、それを彷彿させる花火や太鼓もダメなのですよ。
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「箔が吐くなんて………」
いやいや、とにかくこうなってしまったからには、もうこれ以上彼を花火見物に連れていくことはできません。
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それならば、波はどうなのでしょうか?彼女はまだ未知数なのですけど、万が一箔と同じだったら、せっかく連れていった花火大会を途中で切り上げなければなりません。
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とにかく、話は今回の手筒花火の現場に戻ります。手筒花火といえば、豊橋市のものが有名ですね。実は、遠州新居の手筒花火は、その流派なのですよ。ということで、まずは手筒花火とは何か、説明させていただきます。
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元祖のほうは、豊橋市の吉田神社の境内でおこなわれているのですけど、そちらのほうは手筒花火を抱えた人は直立不動で火の粉の逆噴射を発します。
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湖西市の旧新居町地区は、かつては関所と宿場町があったところ。その新居関所は、江戸時代中期以降は吉田藩(今の豊橋市)の管轄になったということもあって、手筒花火が伝わったと思われます。ただし、こちらのほうでは独自の進化をとげて、手筒を抱えた人は火の粉の逆噴射を受けながら練り歩くスタイルを取っています。ちなみに、その際に底が抜けたら縁起が悪く大事故にもつながるので、なるべく抜けないように願っていてくださいませ。
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その後も、手筒花火は続々と上げられていき………
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6人が同時に上げる豪快かつ華麗(カツカレー?)な「六本揃え」でもって締められました。ただし、これを見終わったからといっても、まだ帰ってはいけませんよ。
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「六本揃え」から間もなくして、今度は長い棒の先に火を点けた陽気な若い衆が練り歩き出しました。さらにその他大勢の若い衆も、同じようなスタイルで彼に続いていきました。これは、練り歩きというよりは、スキップですね。
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暗闇のなかで、細工花火の絵柄が浮かび上がるのですよ。
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そうしたら、「団地ともお」のスポーツ大佐あたりでしょうか?いや、あれはアニメの中の子供の間での人気キャラで、現実の子供に受け入れられているかどうか………
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この小豚ちゃんは……… 「パンパカパンツ」のパンパカ君でしょうか?
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※「パンパカパンツ」とは、静岡県のSBSテレビでのみ放送されているローカルアニメで、パンツ大好きな小豚のパンパカ君が、家族の豚さんや飼い猫のプーニャンとともに活躍するお話です。歌のコーナーから派生したのですけど、映画化されたこともあるのですよ。ということで、ナイスパンツ!(編集部注)
………とはいってみたものの、パンパカ君にしては人相、いや、豚相が悪いような………
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それから間髪入れずに「今年の絵柄は、『クレヨンしんちゃん』のぶりぶりざえもんにございます」というアナウンスがありました。「しんちゃん」は観ていないのですけど、このような豚キャラも出てくるみたいですね。
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それよりも、今まで一度も私の予想が当たったことがないような。
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そうしているうちに3連の大筒に点火され、その火の粉が天高く吹き上がるのをもって、今年の諏訪神社奉納煙火の初日こと、「試み」は終わりました。その翌日にも、今度はこちらもまた私の母校のA中学校の校庭で手筒花火があるのですけど、私からしたらいろんな意味で初日のほうが盛り上がります。
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細工花火の題材となる、子供に人気のアニメを予想しつつ、私は来年も手筒花火に行くつもりでいます。また、それ以外のところでも波の反応を見たいので、彼女を花火見物に連れていきたいです。
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