この健やかな寝顔をいつまでも見ていたかった………
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こんばんは、白黒茶々です。
今年の夏は例年以上に猛暑日が続き、人間だけではなく動物も体調を崩すことが多々あったみたいです。そのような状況の中、白黒茶々家のワンニャンたちには、箔の食欲が少し落ちた以外はあまり影響がないように見えました。
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「なんかお茶々さん、痩せたように見えない?」
そんなある日のこと、あのズッシリ感が自慢のお茶々様が、なんとなく細くなったような感じがしました。「夏バテなんじゃないの?」そのワリには、彼女の食欲は落ちていないのですけど。いや、落ちないどころか、むしろ増えていて、黒ちゃのぶんまで食べてしまうほどの始末です。さらに、水を飲む量も増え、そのぶん排尿も多くなっているような気が………
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それでも体重が極端に減っているというワケでもなく、まだ元気なので獣医さんに連れていくほどでもありません、もう少し様子を見よう。緊迫感を伴わない茶々の様子に私たちの決心は鈍り、そのまま秋に突入していってしまいました。
そんなある日のこと、ふとネットで「猫の糖尿病」について調べてみたら、なんと、お茶々様の症状とまったく一緒だったのです。猫はめったに糖尿病に罹ることはないのですけど、万が一発症させてしまったとしても、初期の段階なら食事療法などで切り抜けられるとのこと。そういうことなら………
11月に入って間もなくの頃、箔母さんに頼んで茶々を、獣医さんに連れていってもらうことにしました。その診断の結果は………やはり糖尿病でした。
その病気は肥満が原因らしいのですけど、普段の茶々はそれほど大喰らいというワケではなく、生まれ持った体質によるものなので、仕方ない部分もあります。
それでも、まだ深刻な状況という程ではなく、とりあえず病院の高価なフードを食べさせて様子を見ようということになりました。
食欲旺盛な状態の茶々は、エサが変わってもいつも通りの食べっぷりを見せてくれました。思ったよりも簡単に解決しそうですし、よかったよかった。
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事態が急変したのは、その2日後のことです。茶々が突然激しく嘔吐し、それ以来、水も食料も受け付けないようになってしまったのです。このままでは衰弱していく一方なので、再び獣医さんに連れていくしかありません。
「糖尿病がさらに進み、身体のあちこちにも影響が出ているみたいです」
茶々の症状は加速度的に進んでしまったみたいです。また、本ニャンが食べれないということで、点滴で栄養剤を入れ、さらに数本の注射を受けてから返されました。
それ以降も茶々の食欲は戻らなかったので、病院に通ったのですけど………
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私たちがよかれと思って茶々を獣医さんに任せても、彼女にとってはそのことがかえってストレスになっていたみたいです。検査や保定のために体を袋の中に入れられ、下腹部を搾って強制的に尿を出させられるのは、自尊心の高い茶々様にとっては屈辱的なこと。それでも、病院ではじっと堪え、吐き気や尿意をもよおしても、家までガマンしようとするのです。
また、かなり弱っているハズなのに、診察台の上では必死に抵抗するので、数人がかりで押さえなければいけませんでした。
それらの反動からでしょうか。家に戻ってからは吐きまくり、病気に連れていく前より弱ったように見えて仕方がありませんでした。
獣医さんの処置は、検査の結果に則っていて的確なのですけど、それが茶々には通用しないのでしょうか。
私たちはさんざん考えた末、「茶々は『もう病院には行きたくない』と言っているみたいだし、なるべく家でできることをやってみて、様子を見るようにしよう」という決断をしました。
それから、水分や猫用ミルクをスポイトを使って彼女の口の中に入れ、飲ませてみたりしました。すると、それによって刺激されたのでしょうか?茶々はいつもの水飲み場に行き、自分の意志で自分の口で水を飲むようになりました。また、調子のよい時は自らご飯をせがみ、柔らかいフードを2、3口だけですけど、食べるまでに。
「いいぞ、茶々」事態はいい方向に向かっているように思えました。
しかし、その後の茶々の容態はあまり芳しくなく、身体のほうは日に日に痩せ細り、胃に食べ物がない状態でも吐くことがしばしばありました。
これから生きていられるのはあと三日か、あと一ヶ月かわかりません。
もう二度と以前のような元気な茶々を見ることができないのなら、せめて一分一秒でも長く彼女と一緒にいたいです。
本当は今回の話は茶々の闘病記で終わらせたかったのですけど………
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11月26日午前11時35分、彼女は永遠の眠りに就きました。
私はその時仕事中だったのですけど、最期は箔母さんと黒ちゃ、それとたつぴに見取られました。たつぴはその日の朝にたまたま熱を出し、学校を休んでいたので、その場に居合わせることができたのでした。ひょっとしたら、茶々が最後の力を使ってたつぴを家に居させたのかも知れません。
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猫好きな私と箔母さんが結婚し、その半年後にペットショップの里親募集のところから引き取ってきたのが茶々でした。
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それから彼女は白黒茶々家をずっと見守ってきました。
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茶々よりあとに生まれたたつぴが幼少の頃に多少手荒なことをしても、決して牙や爪を立てることもしませんでした。
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一戸建ての今の住まいに移ってもすぐに慣れ、そこにやって来た黒ちゃには当初は反発したのですけど、受け入れてくれるようになり、犬の箔ともうまく付き合ってくれました。
茶々の死を悲しんでいる箔母さんとたつぴに、私は「酷な言い方かも知れないけど、獣は自分の口で飲食できなくなったら生きていけないんだよ」とか「医療の力などである程度は変わるけど、生き物にはもともと天から与えられた寿命があるんだよ」とか言って慰めてみたのですけど、それは自分に言い聞かせているようにも思えました。
11歳8ヶ月。私の親兄弟の家の猫は17歳とか18歳とかまで生きてまだ元気なので、茶々はあまり長生きではありませんでした。
それでも、彼女と一緒に過ごした日々のことは決して忘れません。また彼女は最後に私たちに、命のありがたさや大切さ、それに儚さを教えてくれました。茶々、今までウチの子でいてくれてありがとう。
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今回は絵文字がないのですけど、ポチッと応援していただけたら嬉しいです。
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こんばんは、白黒茶々です。
今年の夏は例年以上に猛暑日が続き、人間だけではなく動物も体調を崩すことが多々あったみたいです。そのような状況の中、白黒茶々家のワンニャンたちには、箔の食欲が少し落ちた以外はあまり影響がないように見えました。
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「なんかお茶々さん、痩せたように見えない?」
そんなある日のこと、あのズッシリ感が自慢のお茶々様が、なんとなく細くなったような感じがしました。「夏バテなんじゃないの?」そのワリには、彼女の食欲は落ちていないのですけど。いや、落ちないどころか、むしろ増えていて、黒ちゃのぶんまで食べてしまうほどの始末です。さらに、水を飲む量も増え、そのぶん排尿も多くなっているような気が………
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そんなある日のこと、ふとネットで「猫の糖尿病」について調べてみたら、なんと、お茶々様の症状とまったく一緒だったのです。猫はめったに糖尿病に罹ることはないのですけど、万が一発症させてしまったとしても、初期の段階なら食事療法などで切り抜けられるとのこと。そういうことなら………
11月に入って間もなくの頃、箔母さんに頼んで茶々を、獣医さんに連れていってもらうことにしました。その診断の結果は………やはり糖尿病でした。
その病気は肥満が原因らしいのですけど、普段の茶々はそれほど大喰らいというワケではなく、生まれ持った体質によるものなので、仕方ない部分もあります。
それでも、まだ深刻な状況という程ではなく、とりあえず病院の高価なフードを食べさせて様子を見ようということになりました。
食欲旺盛な状態の茶々は、エサが変わってもいつも通りの食べっぷりを見せてくれました。思ったよりも簡単に解決しそうですし、よかったよかった。
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事態が急変したのは、その2日後のことです。茶々が突然激しく嘔吐し、それ以来、水も食料も受け付けないようになってしまったのです。このままでは衰弱していく一方なので、再び獣医さんに連れていくしかありません。
「糖尿病がさらに進み、身体のあちこちにも影響が出ているみたいです」
茶々の症状は加速度的に進んでしまったみたいです。また、本ニャンが食べれないということで、点滴で栄養剤を入れ、さらに数本の注射を受けてから返されました。
それ以降も茶々の食欲は戻らなかったので、病院に通ったのですけど………
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私たちがよかれと思って茶々を獣医さんに任せても、彼女にとってはそのことがかえってストレスになっていたみたいです。検査や保定のために体を袋の中に入れられ、下腹部を搾って強制的に尿を出させられるのは、自尊心の高い茶々様にとっては屈辱的なこと。それでも、病院ではじっと堪え、吐き気や尿意をもよおしても、家までガマンしようとするのです。
また、かなり弱っているハズなのに、診察台の上では必死に抵抗するので、数人がかりで押さえなければいけませんでした。
それらの反動からでしょうか。家に戻ってからは吐きまくり、病気に連れていく前より弱ったように見えて仕方がありませんでした。
獣医さんの処置は、検査の結果に則っていて的確なのですけど、それが茶々には通用しないのでしょうか。
私たちはさんざん考えた末、「茶々は『もう病院には行きたくない』と言っているみたいだし、なるべく家でできることをやってみて、様子を見るようにしよう」という決断をしました。
それから、水分や猫用ミルクをスポイトを使って彼女の口の中に入れ、飲ませてみたりしました。すると、それによって刺激されたのでしょうか?茶々はいつもの水飲み場に行き、自分の意志で自分の口で水を飲むようになりました。また、調子のよい時は自らご飯をせがみ、柔らかいフードを2、3口だけですけど、食べるまでに。
「いいぞ、茶々」事態はいい方向に向かっているように思えました。
しかし、その後の茶々の容態はあまり芳しくなく、身体のほうは日に日に痩せ細り、胃に食べ物がない状態でも吐くことがしばしばありました。
これから生きていられるのはあと三日か、あと一ヶ月かわかりません。
もう二度と以前のような元気な茶々を見ることができないのなら、せめて一分一秒でも長く彼女と一緒にいたいです。
本当は今回の話は茶々の闘病記で終わらせたかったのですけど………
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11月26日午前11時35分、彼女は永遠の眠りに就きました。
私はその時仕事中だったのですけど、最期は箔母さんと黒ちゃ、それとたつぴに見取られました。たつぴはその日の朝にたまたま熱を出し、学校を休んでいたので、その場に居合わせることができたのでした。ひょっとしたら、茶々が最後の力を使ってたつぴを家に居させたのかも知れません。
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猫好きな私と箔母さんが結婚し、その半年後にペットショップの里親募集のところから引き取ってきたのが茶々でした。
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それから彼女は白黒茶々家をずっと見守ってきました。
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一戸建ての今の住まいに移ってもすぐに慣れ、そこにやって来た黒ちゃには当初は反発したのですけど、受け入れてくれるようになり、犬の箔ともうまく付き合ってくれました。
茶々の死を悲しんでいる箔母さんとたつぴに、私は「酷な言い方かも知れないけど、獣は自分の口で飲食できなくなったら生きていけないんだよ」とか「医療の力などである程度は変わるけど、生き物にはもともと天から与えられた寿命があるんだよ」とか言って慰めてみたのですけど、それは自分に言い聞かせているようにも思えました。
11歳8ヶ月。私の親兄弟の家の猫は17歳とか18歳とかまで生きてまだ元気なので、茶々はあまり長生きではありませんでした。
それでも、彼女と一緒に過ごした日々のことは決して忘れません。また彼女は最後に私たちに、命のありがたさや大切さ、それに儚さを教えてくれました。茶々、今までウチの子でいてくれてありがとう。
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