2016年のボストンでの世界選手権は、
男子フリーは、トップ集団が、まさかの波乱続きの展開となりました。
まず、最終グループである第4グループの選手たちが出てくる少し前、第3グループのアダム・リッポン選手の出番のあたりから、
氷が融けて、あろうことか、リンクの上に大きな水たまりが出現しだします。
にも関わらず、テレビ放送の関係でしょうか、あるいは、元から時間が決まっていたからでしょうか、第3グループから最終グループになる間にも、「整氷」(=傷だらけになったり、ガリガリになったリンクの氷をキレイに整えなおすこと、スケートリンク特有の言葉です。「製氷」ではありません)もせず、
そのまま、トップ集団である最終グループの6分間練習に入っていきました。
羽生選手は、いつもと比べて、あまり動き回らず、ジャンプもあまり跳ぼうとしないで、ただリンクの上を歩くように滑っていたりして足元を確認しているような感じが多く、明らかにいつもの様子と違って見えました。
これを見た時に私が感じたのは、(何か怪我や痛みを隠していて、無理が出来ないか、体力を消耗したり、さらなるダメージを練習で負ってしまうのを避けようとしているのではないか)、ということでした。
あるいは、あまりにも緊張しているのか、珍しい2番滑走なので、そのために体力を温存しているのかもしれないとも思いましたけど…。
私の当初の予想では、もし世界選手権までに怪我等が何もなく、あるいは怪我があっても完治して好調だったら、羽生選手はほぼ確実に4回転ループを入れてくるだろう、でももし怪我等があって思うように練習が出来なかったら、ループ投入は見送ってくるだろう、というものでした。
この演技は既に、グランプリ・ファイナルで、演技構成点での最大限レベルの点が出ていますし、表現部分においても解釈においても、大きく変えるべき点はもうあまりない、というか、下手に変えたらむしろ評価が下がりかねないとさえ私には思えていたので、変えるとしたら、技術面でのレベルアップぐらいしか、努力できるものはないだろうと思っていたからです。
1月のニューイヤーオンアイスで、何か不調を抱えていることは既に明らかだったので、それがきちんと治って練習を積めるのかどうか、逆にこれでさらなる怪我を重ねてしまっていないかどうかがカギだと思っていました。
2月下旬まで羽生選手は日本にいたということが、トレイシー・ウィルソンさんの2月半ばの発言で明らかになっていましたので、彼女がループ投入に疑義を示していたので、私は羽生選手は決して軽くはない怪我をしてしまっているのだろうと思っていました。
3月に、どのくらいまで治っているのかが気になっていたのですが、あるテレビ番組で、フェルナンデス選手が、「チャンスはあると思う」とかなり明るく言っていたのを見て、羽生選手の状態はそんなに良くなくて、そこそこ苦労しているのかな、と想像していました。(もちろん、自分にチャンスはない、なんて言うチャンピョンはいないでしょうけれども。)
会場入りして、4回転ループでの通し練習はしてきたことを明かしながらも、ループ投入は結局見送ったことが明らかになったので、「羽生選手はギリギリ限界のところまで努力したけど、ループを入れられるほどには身体が万全ではなかった」という結論だと思って、慎重に私は見ていました。
そして、フリー本番の演技がこちら。↓
こちらはニコニコ動画。 動画主様、拝借いたします!
リンクに入ってきたときから、かなり緊張しているように見え、演技開始からすぐに気が付くのは、羽生選手が、いつもよりもとても慎重に滑っているように見えたことです。
緊張か疲労か、あるいは氷のせいもあるのか、足がいつもより動いていないように見え、スケーティングにいつもほどの勢いがなく、それらのせいで、得意のスピンの速度や回転回数にも影響があったように見えました。
でも、逆に上半身はよく動いていて、一つ一つの動作・ポーズが、決めるべきところで、今までよりもより鮮やかにクッキリと決まっていてカッコよくなっている場面がいくつもあり、そういうところでハッと目を引かれたことが何度もあり、それらが印象に残りました。
それだけ、細かいところまで良く意識して練習してきたのだと、すぐに感じ取れるような、そんな「羽生選手の意欲と努力の跡」が感じられる演技でした。
今回初めて、後半の4回転トウループを変更して、4回転サルコウ+3回転トウループのコンビネーション・ジャンプにしたのですが、そのサルコウは残念ながら失敗してしまいました。
ここの後半をサルコウに変えたのは、左足甲の怪我のせいで、トウループを跳ぶと痛みがあり、ダメージが大きすぎるためだったと、後から公表されましたが、
羽生選手は「サルコウのほうが曲の音にあっていたから」、と大会直前の時には、インタビューに答えていました。(この時点で怪我は公表していないので。)
でも、サルコウの方がより曲に合っているというのは、私はグランプリ・ファイナルの演技を観た時から、やれるならサルコウのほうが曲には合ってそうだと思っていたので、この変更は良かった点だと思いますし、今もそう思っています。
羽生選手が珍しくアクセルを失敗した時に、やはり左足に怪我があるのだろうと確信しました。足がこらえきれていないように見えたからです。
せっかく、後半の4回転サルコウ・バージョンを頑張って練習してきた羽生選手のためにも、このジャンプを成功している映像をご紹介しておきたいと思います。
こちらの公式曲かけ練習動画を見ると、この、後半の「4回転サルコウ+3回転トウループ」を成功させている羽生選手が見られます。(動画2分40秒過ぎです。)
もう一つ、角度の違う動画。同じく、2分40秒過ぎです。
ここは音楽が静かでゆったりと流れるようなパートなので、
トウをついてリズムがつく感じになるトウループより、トウをつかずに、くるくると流れていくサルコウを入れた方が、より自然に見えますね!
この時の練習でもしっかり出来ていた、「3回転アクセル+2回転トウループ」の「両手上げ」(上の動画3分10秒あたり)が、本番では、「両手上げがなし」になってしまったのが、個人的にはちょっと残念でしたが、羽生選手はこの時、そこまでの余裕はなかったことでしょう。
そしてこちらは、フリー直前、「いつもの練習着を忘れてきた」羽生選手が、公式曲かけ練習で見せた、最後のコレオシークエンス部分のみの動画です。
この直前までは、まともな練習が出来なかったようなのですが、このコレオ部分だけは、気合が入ったようで、非常にカッコよく決まっています。
今回の演技は、清々しくも明るい、という意味での、「清明」さのあるパーフェクトな演技にはならなかったものの、
ジャンプ等を気にしないで見ることが出来るなら、(私はそういう見方も出来るのですが)、見ているうちに意外とはまります。(笑)
やはりそこは世界選手権、羽生選手が並々ならぬ気合でやっているからでしょう。
練習妨害の心理攻撃、一部報道過剰や、相手側からの、わざと問題点をずらした反論による精神攻撃、会場温度が17度という前代未聞の異常な暑さ、水たまりが出来るほどの氷の状態の悪さ、左足甲の靭帯損傷による痛み、と、何重もの信じられないような試練が重なっていた悪条件の中でも、
あきらめずに最後まで粘って闘って見せた、羽生選手のすごい「SEIMEI」力 (生命力)は、
本当に驚愕に値するし、観る側にそれは確かに届いたと、私は思います!
スタオベしている人たちがかなりいますし、「出来が悪かった」とはいっても、主にジャンプの完璧さにおいてであって、ソチ五輪金メダルの時のフリーよりも、実は5点も高いスコアですし、実際そういう価値のある演技だと思うし、見せ場も沢山ありました。
ビールマンスピン、ハイドロ、レイバック・イナバウアーまでもを全てやってみせることのできる男子選手はいないですから、やはり会場からその都度大きな拍手が起こっていますし、これらは見ていて絶対に盛り上がるところです。
出場選手中の誰よりも負担が重く、最もハイリスクで、総合的に史上最難関だったこのプログラムは、ショートでは得点がぶっちぎりだったことを思えば、少しだけ構成を下げることでリスクを減らして優勝を狙うことも可能だったにも関わらず、それをしなかった羽生選手。
世界選手権という舞台で、恐れずにその選択を果敢にやり抜いた羽生選手は、結果がどうあれ、やはり驚くほどの勇気と、非常に高い志がある人だと思うし、勝つためにフリーで安全策をとる選手たちも過去には結構いたことを思えば、そこはやはり凄い点だと私は思います!(笑)
生命(SEIMEI)ーーー生きること、とは、ある意味、困難や試練との連続でもある、と思うのです。
それをどうやって乗り越え、あるいは、どう向き合って生きるのか、それが人間が問われている最大のことだろうと、私は思います。
生来持っている素晴らしさを最大限に発揮できた時は、もちろんベストなのですが、
逆にこう言った試練の中でしか見えてこない、「生命の輝き」「生命の尊さ」というものもあります。
その意味では、今回の羽生選手の演技は、本人が理想としたような演技ではなかったとしても、それらを顕著に見せてくれた演技だったと思います!
羽生選手は、そういった困難に次々と遭遇しつつも、そして自分の弱さを認め、時にさらけ出しつつも、
常に尋常でない粘り方で、逃げず、あきらめない姿勢を見せ続けてくれて、しかも最後にはそれを感謝に変え、課題として受け止め、前を向いていく、そこが本当に凄いです。
佐野稔さんが、左足甲の靭帯損傷していたら、普通はトウループはもちろん、サルコウも跳べないと言っていました。
昨シーズン、腹部の手術がすぐに必要な状態でも、脂汗を流しながらも全日本選手権で演技をやりとおしたように、羽生選手の痛みへの耐性は、とんでもなく凄いようです。
こちらは、最新のニュース。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00000137-spnannex-spo
羽生選手の怪我が、「左足リスフラン関節靭帯損傷」で、全治2か月の安静・加療を要すると診断されている、とのことです。
最新の「sportiva」の記事によれば、羽生選手はショート終了後、(怪我を押して無理していたので)、
既に足が真っ赤に腫れ上がってしまっていたそうです。
相当な痛みに耐えながら、フリーに臨んでいた、と。
「公式練習を、せめて休ませてあげればよかった」とは、事情を知っていた、城田監督のお言葉。
Sportiva 羽生結弦 異次元のシーズンTo the Next (集英社ムック) | |
集英社 | |
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練習の段階で、既にかなり痛みがあったのだろうと、私は想像していましたけど、
そんな状態で、しかもあんな悪条件の環境までもが重なった中で、フリーでもこれだけのことをやっていただなんて…
まあ、なんと…
毎度のことながら、そのすごさや忍耐力に驚き呆れるというか、胸が打たれるというか、もう、かえって惚れ直しましたけど。(笑)
その状態であのエキシビションをやったのなら、なるほど、
それはもう、優しい、極上の演技になるはずだと納得しましたし、言葉になりませんね…。
こちらは、フリー終了直後の、Jsportsのインタビュー動画と、会見の様子です。
こちらは、メダリストの記者会見。
羽生選手が、珍しく自分の分析を出来ずに、なかなか言葉が続かないでいます。
あまりにも悔しすぎて、ショックで頭が働かないか、放心している、という感じでしょうか。
あとは、この時はまだ、怪我(左足甲の靭帯損傷)のことを黙っている状態なので、サルコウについての質問で、非常に慎重に言葉を選んでいる印象ですね。
また、今回のジャンプの不調の原因について、今はわからないけど、「時間がたてば原因がわかってくると思うので…」と語っています。
…こんなところも羽生選手らしくて、いいですね。(笑)
会見では正直に、「ハビエルのことは本当に嬉しいけど、 自分のフリーはとても悲しい。 もう一度滑りたい。」と言っています。
本当に、この言葉は切なくて、もう一度のチャンスが与えられたら良かったとは思うのですが、
もし怪我をしていなかったのなら、その気になれば、ソルトレイク五輪の時のプルシェンコ選手みたいに、
エキシビションでフリーを再演、ということも可能だったとは思うのですよね。
でも私は、フリーの前の6分間練習と、フリーでの演技を観ていて、
羽生選手はほぼ間違いなく、怪我を隠している状態だろうと思っていましたので、
多分それは絶対に出来ないのだろうな、と思いながら見ていました。(ジャンプ数も多く、負担が重すぎるので)
今回の羽生選手の悔しさは、きっと、ソルトレイク五輪の時やバンクーバー五輪の時に、銀メダルになっちゃったプルシェンコ選手の心境に近いのではないかと、私は想像しました。
あの時の、特にソルトレイク五輪の時のプルシェンコ選手のショックや放心状態は、見ていて胸が痛くなるほどでしたから… その直後、負けた精神的ショックのあまりか、原因不明の高熱が出て大変だったそうですが。
同じようなショックだったと思われる、表彰台の羽生選手の、無理している感じの苦しそうな笑顔が、辛かったですね。
でも、あの二つの銀メダルは、結果的にはどちらもプルシェンコ選手を、本当の王者たらしめ、威厳を増した要因となったと私は思っています。
聖書では、神様は愛する者を鍛えるために、「鍛錬」(たんれん)を与える、と明確に書かれています。
「愛する人たち、あなたがたを試みるために身にふりかかる火のような試練を、
何か思いがけないことが生じたかのように、驚き怪しんではなりません。」
(ペトロの手紙第一 5章12節 新約聖書 新共同訳)
「あなたがたは、これを鍛錬として忍耐しなさい。
神は、あなたがたを子として取り扱っておられます。
いったい、父から鍛えられない子があるでしょうか。」
(ヘブライ人への手紙 12章7節 新約聖書 新共同訳)
「およそ鍛錬というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、
後になるとそれで鍛え上げられた人々に、義という平和に満ちた実を結ばせるのです。」
(ヘブライ人への手紙 12章11節 新約聖書 新共同訳)
「火のような試練」と表現されていますが、まさに今回のことは、羽生選手にとっては、火のような試練だったのでは、と思います。
今までに経験がないような緊張だった、と語っていましたものね。
プルシェンコ選手も、過去幾多の試練を乗り越え、毎回多くの人を驚愕させ、今現在も現役を継続してまた怪我療養中ですが、あまりにも度重なる怪我や手術に対して、「いつ引退するのか」という国内からの声に、こんな風に答えています。
(以下、ロシアン・フィギュアスケート・フォレヴァさんのブログ翻訳より一部引用 →http://moscowm.blog61.fc2.com/blog-entry-941.html )
「僕がいつ止めるのかにそんなに興味のある人たちには、自分の人生と仕事だけを追いかけるよう忠告したい。
僕が止めるのは、それが必要だと思ったときだ。」(By エフゲニー・プルシェンコ)
いや~、すごいですね。 その通りだとは思いますが、凄すぎて笑えてくるほどです。(笑)
でも、そんなプルシェンコ選手も、羽生選手には繰り返し、「健康第一」ってアドバイスしてくれていますね。
やはり、それだけの手術が辛くないはずもないですし、避けられるものなら避けたいですものね。
この男子フリー最終グループでは、宇野選手やチャン選手も、ジャンプの手痛い失敗があり、二人は表現面はかなり良かったものの、羽生選手と同じように、技術点を大幅に失って、表彰台圏外になってしまいました。
演技中に、あの「水たまり」を何度も通過する羽目になった選手ほど、そしてリンクを広く速く使う演技だった選手ほど、コントロールがより大変だったのではないかと思います。
チャン選手が、元王者として、あまりにも酷いリンクに対しては、毎回文句を言ってくれるのは、有り難いことですね。
選手の立場からリンクの文句など、なかなか言えないでしょうし、選手はいつだって、その状況の中で闘うしかないのですから。
でも、選手たちも、怪我しやすい環境で演技などしたいはずもないでしょうし、観る側だって、高いお金を払って、酷い環境下で選手たちが四苦八苦するような演技を観たいわけではありません。
誰かが指摘していかないと、繰り返されるでしょうから、私たちも注意して見ておくべきでしょう。
責任ある人が、きちんと責任を全うして下さるようになるといいですね。
こちらは、男子フリーの翌日(女子のフリーの当日、エキシビションの前日)に行われた、スモールメダルセレモニーでの羽生選手の様子を、動画主様が映してくださったものです。
心の中では悲しみや喪失感、悔しさがあったそうですけど、ここでは羽生選手は、少なくとも表面的には、かなり明るい良い笑顔に戻っていますね!
過去のプログラムの中で、一番好きなものはどれかと聞かれ、今は、今シーズンの「バラード第一番」と「SEIMEI」、
それから、大勢の人に知っていただくきっかけとなった、ニースの「ロミオとジュリエット」(高校2年時版)、
そして、「最近滑っていて楽しいのは、『Sing sing sing』と、『Change』 」だと語っています。
…最近滑っている、と羽生選手はここで言っていますね。
もしかしたら、そのうち、「Sing sing sing 」の今の羽生選手版が見られるのかも?!
こちらは、同じ「スモールメダルセレモニー」を、別の動画主様が別角度で撮ったものです。
この動画は音がちょっと聞こえないのですが、撮影角度の関係で、羽生選手の笑顔が沢山見られていいですね!
こちらは、優勝したフェルナンデス選手の演技です。→ https://www.youtube.com/watch?v=adyPEqH5X9I
このフリーは、今シーズンの中の彼のベストだったのはもちろん、今まで見た彼のフリーの中でも、やはりベスト演技だったように思います。
彼は、昨年までは「ミニ・オーサー」って印象の演技でしたけど、今年は、彼独自の個性が明確に出せた印象でした。
こちらは、フェルナンデス選手のインタビュー。 → http://web.canon.jp/event/skating/interview/int_fernandez04_1.html
非常に興味深いです。 「本番直前に、痛みが突然なくなった」、と語っています。
彼は、とても良い精神状態で試合に臨めたことが、読んで分かりますし、やはり羽生選手には、「神様からの試練」としての2位が贈られたということですね。 でも、これだけの状況での2位はすごく立派だったと思いますし、素晴らしいエキシビション演技にもつながりました。
そして、フェルナンデス選手は、シーズン最初に、曲の選択から、ちゃんと明確な戦略を練ってあります。
正直言って、私はシーズン最初に、GPFと世界選手権の大会開催場所と、羽生選手とフェルナンデス選手のSP/FSの曲名をそれぞれ聞いたときに、これはもう、フェルナンデス選手のためのシーズンみたいなものだな、と感じて頭が痛くなったほどでした。
だから、羽生選手は、本当によく頑張ったと思います! それだけの成果は、今後にも大きく生かされるでしょう。
特に、羽生選手自身がプログラム作りに深く関わって、ショートもフリーも、羽生選手らしさを存分に発揮できるようになってきたのは、素晴らしい成果だったと思います!
そして、フェルナンデス選手も語っているように、「4年で1度の五輪で金メダルは、やはり選ばれた存在だけが取れる」と。
(世界選手権の金も、選ばれた人たちだけが取れますけどね。)
羽生選手は既にそれらを二つとも与えられているのだから、喜んで、そして更なる素晴らしい演技をするためにも、今は希望をもって治療に専念して、未来へ備えてほしいと思います!
さて、宇野選手も、大泣きしていたご本人が思うより、私は良い演技だったと思いましたけど、4月下旬の「チームチャレンジカップ」という新しい大会で、初の4回転フリップを成功させ、プログラムの難易度を、ショート、フリーともに大幅に上げてきました。
→ https://www.youtube.com/watch?v=JVt1Wf44h3E
この演技の凄いところは、公式ではまだ誰も跳んでいなかった冒頭の4回転フリップと、後半に4回転トウを2度投入し、さらに、3回転アクセル+1回転ループ+3回転フリップ、という、かつてプルシェンコ選手しかやっていないジャンプにレベルアップさせてきたところです。 でも、宇野選手は少し前から、これが練習では跳べていることをカメラの前でも言っていましたので、ついに試合に入れる自信がついてきたということでしょう。
ジャンプに集中したせいで、他の表現部分がかなり手薄になった印象ですが、宇野選手の意欲がよく表れています。
羽生選手は、競い合うほうが面白いと常々言っていたせいか、神様は羽生選手に、次々と多方面での好敵手を与えて下さいますね。(笑)
焦らないこともまた課題かと思いますので、今やれる他のことを頑張って、無理なく充実させて過ごし、また元気に復活してきてほしいな、と思います!
怪我がしっかりと癒されますよう、
そして、今回のことをむしろ宝として、五輪に向けて、良き年間計画が立てていけますよう、心からお祈りしております!
そして、新しいプログラムが、どちらも、羽生選手にとって相性の良い、素晴らしいものになりますように…!
良い振付師と、曲に恵まれますように…!
祈りつつ、心から楽しみにしています!
毎日楽しく、頑張れ~♪