2017年 4月16日(日)、
桜が咲く仙台で、羽生選手と荒川さんの、金メダルを記念したモニュメントがお披露目になり、
お二人を招いた記念式典とトークショーが行われました。
まずは、羽生選手のお元気そうなお姿が見られて、良かったな~と…。
髪を切って、一層爽やかになった羽生選手と、春らしい装いで現れた荒川さんのお二人の、終始穏やかな笑顔が印象的でした。
当日の様子は、You Tube でライブで配信されていましたけど、全部を録画した映像が配信されないのは残念ですね…。
こちらは、ミヤテレスタジアムという番組で紹介された、その式典とショーの様子の一部です。
諸事情あって、その時間帯に見ることの出来なかった方々には、嬉しい放送ですね。
(動画主様、感謝します!)
仙台の五色沼が、日本のフィギュアスケート発祥の地だということも、紹介されています。
ま、どうせテレビではやらないだろうと思いましたけど、その昔、子供たちにフィギュアスケートを教えて広めたのは、ただの外国人じゃなくて、宣教師だと言われています。
きっと陰で沢山、日本のために、そして日本の未来のためにも、祈ってくださっていたことでしょう。
その地から、日本を代表する天才が何人も現れ、世界トップをとれるほどの金メダリストが排出され、
そのお二人が、スケート界のためにも、日本の被災地のためにも大活躍され、
その活躍を記念するモニュメントに絡むイベントが、この地で、
世界中で「イエス=キリストの復活を祝う、復活節(イースター)の日」に行われたというのは、
決してただの偶然だなどとは、私は全く思っていません。
仙台のお役所さんはきっと、世界選手権と国別対抗戦の間で、仙台に戻ってこられる羽生選手のスケジュールに、日付を合わせただけなんだろうとは思いますけどね…!(笑)
このイースター(復活節)というのは、毎年3~4月の間で、日付が大きく変わるし、だから年によって、1か月くらいの大きな変動があります。
2017年の今年は、この4月16日(日)こそが、そうだったのです!
多くの日本人が知らなくても、それでも、今年のこのタイミングで、桜がキレイに咲いてくれているというのも、きっと全てをご存知の神様からの、温かな祝福だろうと、私は思いました!
「何事にも時があり
天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」
(コヘレトの言葉(伝道者の書) 3章1節 新約聖書:新共同訳より)
「神は全てを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。
それでもなお、神のなさる業を始めから終わりまで見極めることは許されていない。」
(コヘレトの言葉(伝道者の書) 3章11節 新約聖書:新共同訳より)
世界選手権2017の最中での、プルシェンコさんの引退表明に次ぎ、
羽生選手の大逆転優勝、長年大活躍した浅田真央さんの引退、と続いたので、
1990年代半ばに、驚異の天才少年と騒がれたプルシェンコ選手を、初めてニュースで見た時にまで記憶がさかのぼって、この20年近くの間の、プルシェンコさんに絡む色々な思い出が蘇ってきて、
1998年長野五輪&パラリンピックを意識した選曲の、羽生選手のフリー「Hope&Legacy」で、当時のことを色々と思い出し、
浅田真央さんの引退をきっかけに、2010年バンクーバー五輪や、2014年ソチ五輪の前後の頃を鮮やかに思い出し、
今回の荒川さんを見て話を聞いて、また2006年トリノ五輪の前後や、その前の時代を思い出し、
なんだか一気に、過去20年以上のフィギュアスケート界のあれこれを思い出させられた感じで、ちょっと胸が一杯になりました。
私でさえこんなに思い出すんだから、猛烈プルシェンコ・ファンの羽生選手なんか、どんな気持ちだろうかと思いましたし、
荒川さんも、まさにプルシェンコさんと同世代なわけですので、ずっと先に引退した者として、感慨深いものがあるのではないかと…。
プルシェンコさんは、初めての五輪で銀メダルに終わった辛い経験は浅田真央さんと同じですし、
荒川静香さんとはトリノ五輪での金メダリスト同士、浅田真央さんとはバンクーバー五輪での銀メダリスト同士、
羽生選手とは、ソチ五輪で、個人戦の金メダリストと、団体戦の金メダリストという、
なんとも縁の深い、本当に不思議な間柄であり、一方でこれだけの経験があるからこその「皇帝」感でもあり、他者への思いやりの数々でもあるのかな、とも思います。
トークショーの中で意外だったのは、羽生選手が、ソチ五輪の「前シーズン」の時の「パリの散歩道の衣装」、つまり「1シーズン目の時の衣装」を、
「グレーというか、緑色というか…」な色の衣装だと表現していたこと。
ま、確かに「単純な黒」には見えませんでしたけど、あれって本当は近くで見ると、「グレー」や「渋い深緑」に近い色だったの…?! と、そこは改めて、驚かされましたね。(笑)
最も笑えたのは、羽生選手への質問で、「好きな技、得意な技を3つ」答えさせられた時、(動画36:00~以降)
羽生選手の口から、最も得意な「アクセル・ジャンプ」が出てきたのはもう、当然の予想の範囲内で、次に「シットスピン」が出てきたのも、羽生選手の明らかな得意技なので予想の範囲内でした。
「股関節がもとから柔らかく、体質上、シットスピンが楽に回れる」のだそうです。
曲に合わせやすくて、「やっていて気持ちいいな~と思う」というのは凄いですね! 他の男子選手たちがやるのに、最も大変そうに見えるのが、シットスピンなのですが。
最後に出てきたのが、なんと「サルコウ」(ジャンプ)。
「え?!」って思ったファンも多かったのでは… ? 「今は」だそうですよ。(笑)
最近の練習でも調子が良いのでしょうか? それなら良かったですね。
アクセルを始めとしたエッジ系ジャンプが好きで、さらにサルコウが跳べた時の、「無駄な力がなく、ランディングまで流れるように跳べる、という特別な感覚」が好きなんだそうです。
荒川さんが、20歳までには引退しようと当初は考えていた、というのは初めて知ったので、結構驚きでした。
トークショーの中で語られていましたけど、荒川さんが、トリノ五輪直前にコーチを変えて、演目を変えて、戦略も大きく変えたという大胆な決断をしたのは、当時、トリノ五輪直前の1月に放送された「荒川さんの特集番組」を見ていて私は知ったのですけど、
羽生選手は「考えられない」って言っていましたけど、確かに普通ならそうなのですが、
あの時のあの荒川さんの「演目変更」「戦略変更」だけは、絶対に正しかったと私も思っているし、その番組を観ていた時、あのシーズンにやや暗い顔をしていた荒川さんの表情が、その決断後、かなり晴れやかになっているのを見て、「あ、これなら表彰台に乗れる!」って私は思った記憶があります。
ある意味、あの年にGPFで優勝して大注目された浅田真央さんのおかげで、自分の強みが何なのかを真剣に考えた結果なんじゃないかな、と私は思いましたし、荒川さんも過去に何度かそう話していますよね。
荒川さんの金メダルは、「桜の花が、自分は桜なのだと自覚して、精一杯桜であろうとした」ことの結果としての祝福であって、
決してチューリップや、菜の花や、バラにはなろうとしなかった点、そういった演技に徹した点にあるかな、と私はずっと思っていました。
そういう意味で、荒川さんの金には、深い意味があったかな、と私は思っています。
比較的、長く咲き続ける花と、短期間でパッと鮮やかに咲いて、パッと散る花。
色々あるけど、それはその特性によるものであって、人間の個性と競技人生も、同じかな…と思えたり。
浅田真央さんが、トリノ五輪に出られていたら、金メダルだったという話で、残念がる声が、多くあります。
私も当時は、浅田ファンの一人として、「出られたら…」って思ったことがありました。
でも、今は全然そう思わないのです。
浅田真央さん自身が、当時、年齢制限を「気にしていなかった。4年後に出られると思っていた。」と語ってくれていたのもありますけど、
もし、出ていて、仮に金メダルだったら、そこで、ソルトレイク五輪で金だったサラ・ヒューズさん(16歳)や、リレハンメル五輪で金だったオクサナ・バイウルさん(16歳)、そして、
浅田真央さん自身が憧れていたという、長野五輪で金の、タラ・リピンスキーさん(15歳)みたいに、そこで引退していた可能性もあります。
羽生選手みたいに極めて稀なタイプで、その4年後も目指すことがあったとしても、(こういう人はほとんどいないのですが、)、どんなに遅くても、バンクーバー五輪(2010年・浅田選手19歳)で引退していたことでしょう。
そうしたら、浅田真央さんの、ソチ五輪(2014年)での演技はなかったことになります。
私は、浅田真央さんの10代の頃の演技はとても好きなものが沢山あるのだけど、それでも、ソチ五輪のフリーでの演技が、一番美しく見えたし、一番記憶に残った演技だったと思ったので、
ソチ五輪のフリーを見終えた時、「浅田真央さんがトリノ五輪に出て、10代での引退などにならなくて良かったんだ」と、本当に心から思ったのです。
私は、あの演技はそう思わせるような演技だったと思っています。
そして、私の目には、荒川さんが、その競技人生の中で、一番美しく見えたのは、まさにトリノ五輪の時だったのです。
羽生選手は… まだまだ、素晴らしい沢山の花を咲かせて下さると、私は信じていますよ!(笑)
動画に出ていない、他のトーク内容の一部が、こちらの河北新報の記事になって載っています。
(以下、上の記事から、一部転載です。)
-モニュメントの感想は。
荒川さん「私の現役時代の姿を見て、あの人も金メダルを獲得できたんだから、私にもできるんじゃないかって思えるきっかけになってくれたらうれしいです」
羽生選手「新しくモニュメントを設置してもらえるような成績をまた取りたいという気持ちになりました。まだまだ大きなタイトルはたくさんあります。モニュメントだったり、仙台の風景だったりをしっかりと胸の中に入れながら、日々の練習や試合を頑張りたいです」
-羽生選手は3~4月の世界選手権(フィンランド・ヘルシンキ)で優勝しました。
羽生選手「まだ世界をけん引している実感は全くないですし、ショートプログラム(SP)で5位になるくらいですから、むしろまだ追い掛けられるなという実感しかないです。今は本当に世界のレベルは高く、誰が落ちてもおかしくない状態。それを面白いなと思いながら練習に臨んでいます」
-羽生選手は自身の強さがどこにあると思いますか。
羽生選手「フィギュアはお客さんが選手一人にしか集中しない。その感覚がすごく好きなんです。そこを楽しめるところにちょっと秘密があるのかな。でも世界選手権のSPを終えたときは、もう試合が怖くて、なんでこんなに試合が楽しくないんだろうと思うくらいでした」
-荒川さんは同じ金メダリストとして、羽生選手のすごさをどう見ていますか。
荒川さん「勝つまでよりも、勝ってから挑戦し続けることの方がはるかに大変。羽生選手はそれをずっと続けている間に成長しています。どこまで伸びしろがあるんだろうと思うくらい、本当にすごい選手だと思います」
-今後の抱負は。
荒川さん「フィギュアスケートの普及活動を続けていきたいです。スケート教室を開くこともできるでしょうし、言葉で伝えていくこともできます。また、プロとして演技を通じ、競技だけではないフィギュアの魅力を伝え、一人でも多くの人に興味を持ってもらいたいです」
羽生選手「世界選手権やオリンピックで金メダルとか、大きな結果はみんなに勇気をもたらすと思います。僕自身もそうだったので。僕が今そういう存在になれているというのはうれしい。期待や応援に応えたいという気持ちが原動力にもなっているので、これからもどんどん成長していきたい。実力にさらなる磨きをかけ、来シーズンを過ごしたいです」
-来季は平昌五輪があります。
羽生選手「五輪だけが人生の集大成じゃないと試合ごとに感じています。今は自分の限界を高めていきたいという気持ちが強い。けがをしないことが一番効率よく実力を上げることになると今シーズン通して感じます」
荒川さん「期待を背負って戦う姿は頼もしい。2連覇というプレッシャーもあると思いますが、男子のレベルが上がる中で挑戦する姿は、たくさんのことを伝えてくれると思います」
もう一つ、こちらの記事にも、羽生選手と荒川さんが語った言葉が、一部掲載されています。
上の動画の42:20~で、トークショー後の記者会見のうち、仙台絡みの内容が映されています。
「モニュメントが、復興の兆しみたいなものになってくれたら嬉しいと思っています」と、羽生選手。
別のニュース動画では、同じ記者会見で、浅田真央さんの引退について、羽生選手が語った内容が放送されています。こちらをクリック。もう一つ、こちらもどうぞ。 こちらもどうぞ。
「(浅田真央さんは)挑戦の象徴、のように感じています。」と答えた羽生選手。
さらに、羽生選手が「心の中でいきている」と表現したことに、一部の報道の仕方から、変な誤解があるみたいですけど(笑)、
羽生選手は、トリプルアクセルが跳べるようになったのは浅田真央さんのおかげであることを思い、そのように彼女にヒントをもらった「技術」や、「挑戦者魂」「挑む精神」を、自分も憧れてしっかり継承していくつもりであることを指して、
「そういった意味では、これからもずっとずっと、自分のジャンプを跳ぶたびに、真央ちゃん(のしてきたことや挑戦者精神)がずっと、心の中で活きて(生きて)いるんだな、という風に思います。」
と、語ってくれたわけですよね。
羽生選手が言わんとしたことは、きっと浅田真央さんにきちんと伝わっていると、私は思いますよ!
もちろん、お二人が尊敬している、プルシェンコさんにもね!(笑)
羽生選手には、目の前の試合、国別対抗戦に向けて、気持ちも晴れやかに、頑張ってほしいと思います!!
羽生選手にとって、本当に幸せな大会となりますよう、心からお祈りしています!!
沢山の笑顔の花が広がっていく、そんな素敵な大会になりますように…!!