羽生選手の、24時間テレビ「一夜限りのアイスショー」が、ついに行われ、放映されました。
・・・想像していた以上に、とても良い番組になっていました。
被災地の現状、人々の様子も伝わってきただけでなく、羽生選手の歩みや、真摯な思い、真面目さや、本気度、素直さ、繊細さ、人となりが、羽生選手を良く知らなかった方々にも伝わるような構成になっていたように思います。
当時の映像も沢山挿入されていて、見ていて辛い場面も複数あったものの、真剣な形で誠実に取り上げてくださって、ファンとしてはとても嬉しかったです。
羽生選手の、演技直前インタビュー ↓
24時間テレビ番組内、羽生選手についての紹介と、本番での演技 ↓
この演技を見るときは、2011~12年シーズン当時も、いつもそうだったのですが、なぜか毎回、最後に涙が出てきてしまいます。
すごく思いがこもっていて、そして羽生選手に良く似合っていて・・・
当時のことを、久しぶりに色々と思い出しながら見てしまいました。
この番組の中で、羽生選手は中学生達に向けて、言ってくれました。
「本当に大変なことばっかりだと思うんですけれども、
そこに全部、『ありがとう』って言えるくらい、感謝の気持ちを持っていけば、
いつか絶対いいことがあるなって、僕は信じています。」 (羽生結弦選手)
・・・この言葉、思わず涙が出そうになりました。
被災地に残された方々の辛さや大変さとは、全然違った形ではあっても、羽生選手は被災して色々なものを見て経験しただけでなく、フィギュアスケートを普段は見ていない人たちには想像も出来ないような、別の形での、「相当な辛さ」を山ほど味わってきて、それを耐え抜いてきたと、私は一ファンとしてはそのように見てきましたし、今もそう思っています。
羽生選手は、被災地の方々と比べれば、それでもそんなのは全然大したことないって、きっとそう言うだろう、とは思いますけれども・・・。
上の、この言葉には、羽生選手自身の、深い深い生きた実感が込められていると思いますし、だからこそ、本当に重いし胸に響きます。
羽生選手は確かに、震災後のシーズンから、上の信念を持ちつつ過ごしてきたことが、演技にも行動にも徹底的に表れていました。
それらを見ていて、本当に何よりも、言葉には出来ないくらい私は強く感動させられ、応援しているはずなのに逆に励まされ、心洗われて、なおかつ楽しませてもらい、前向きになり、希望をもち、やる気が出て、激しく落ち込むことがあっても幸せな気持ちへと変えられ、頑張ってこられました。
私は、羽生選手の存在そのものに、感謝しています。
当時から応援していた、羽生ファンの皆様の大半も、多かれ少なかれ、多分同様だったのではないかと思います。
今回、本当に、出来るだけ良いものを皆様に見せたいと羽生選手が強く決意していたのが、よく伝わってきました。
最初に映し出された、リンク横での「陸上練習中の羽生選手の姿」が、本当に真剣で激しくて、目を見張りました。
それに、氷上で見るより、その上半身の動きの激しさ・大変さが、顕著にわかった気がしました。
このプログラムを滑るとき、羽生選手はいつも途中で一瞬「ヒヤッ」とするようなシーンが出てしまうのですが、でも、そのヒヤリ感を超えて、全くめげずに立ち向かい続け、その後も全力を出し尽くすところを「見せて」「魅せて」くれるその姿が、いつも本当に凄かったです。
ジャンプもスピンもちょっとした振り付けも本当に秀逸で、その構成の上手さ、衣装・音楽の使い方を含め、羽生選手への似合い方、作品全体としてのまとまりの素晴らしさから、本当にいつもワクワク・ハラハラ・ドキドキできる、ドラマティックで情熱的なプログラムでした。
今回のものは、エキシビション・バージョンで、もともとのフリープログラムよりも、短くなっています。
もとのプログラムは、冒頭部分が、激しさ、運命、緊迫感などを感じさせる音楽で、羽生選手得意の4回転トーループ・ジャンプを見事に決めるところからスタートし、一気に観客を沸かせますが、その部分はエキシビション・バージョンではカットされており、今回も、途中で、スローテンポの曲に変わっていくところからのスタートになっています。
見ている側が、思わず引き込まれて息をつく暇もないような、緩急のメリハリのついた、本当に素晴らしいプログラムです。
羽生選手が、もっとうんと大人になってからでも良いので、またいつか、すべてを見られる日が来たら、とても嬉しいです。
終了後の羽生選手は、(少しミスが出たことに)ちょっと残念そうではあるけれども、充実感溢れる、穏やかな、本当にとても良い表情でした。
何か大事なことを成し遂げて安堵しているような、本当に穏やかで嬉しそうな表情を見て、私もすごく嬉しかったし、ホッとしました。
羽生選手は最後に、「僕自身、一生懸命頑張っていって、これからも、命を削る思いで、努力し続けます。 応援よろしくお願いします。」、と、以前と同じように言いました。
そして、「頑張って下さい。」とも、視聴者・被災地に向けて、言ってくれました。
本当に、すごくいい表情と声で、真っ直ぐで力強い言葉でした。
この、ものすごいストレートさと真剣さ。
「命を削る思いで努力し続ける」というほどの言葉が、全く大げさでも、偽りにもならないという、その凄さ。
観客の多くを感動で号泣させ、「歴史に残る名演技」「歴代最高の演技」などと世界の解説者たちに言わしめた、世界選手権2012年の時の「ロミオとジュリエット」。
羽生選手は、「あれと同じものはもう出来ない」と言っていたし、ご本人の中でもあれは記念すべき特別な演技となっていたようです。
でも、確かに、あの時の演技とは色々と違っているし、今はずっと大人っぽくなっているのだけれども、その根底に流れているものは、当時も今回も全く同じだなと、私は強く感じました。
そして、あの頃よりさらに、「心優しいロミオ」になった気がしました。
たとえ、ロミオのイメージが似合わなくなるような年頃になっても、羽生選手なら、この演技で、きっと再び何度でも、人を感動させることが出来る・・・
そんな風に、思えてしまいました。
羽生選手、本当にどうもありがとう。
いつもいつも、頑張ってくれて、本当にどうもありがとう。
十分すぎるほど、伝わってきました。
今の羽生選手で、再びこれを見ることが出来て、私は本当に嬉しかったです。
どうぞお体をお大事に、これからも、末永く素晴らしいスケーターでいて下さい。
私が今回言えるのは、本当にもう、ただ、それだけだというくらい、胸が一杯になりました。