20年位前に見た映画を再び見ました。
白黒映画なので50年位前に作られた映画だとばかり思っていましたが、
出演している俳優さんは今トップで活躍している役者さんばかりでしたのであれっと思って製作年を確かめたら1986年。
敢えてカラー撮りしていないのです。
主演は奥田英二と渡辺謙
監督は熊井啓
第二次大戦末期九州の帝大で行われた米軍捕虜生体解剖事件を題材にした遠藤周作の小説をベースにしています。
キリスト教の絶対的倫理観と絶対神を持たない日本人の相対的な倫理観の対比。
戦争が引き起こす無差別殺人と医学の発展という美名の下に行われる生体解剖の対比。
平等ではない命の重さ。
紋切り型で割り切れない、人間の姿が鋭い映像で描かれます。
手術シーンでは実際に臓器を切り取る場面まで映像化されていて、淡々と仕事をする医師看護婦の姿。
床に流す水の音と、床に捨てられるガーゼから血が流れる映像がとても怖いです。
生体解剖が行われている時、ドイツ人である教授の奥さんと子供が神を称える歌を歌って庭を散歩しています。
若いときに見た時は医者や軍人の非人間的な行為に対する怒りと、戦争という異常な環境が引き起こす人間の倫理観欠如の恐怖だけを感じましたが、今回見直してみて思ったのは、ひとつの絶対的な正義で割り切れない複雑で深いテーマを描いた作品であることがわかりました。
たまには古い映画を見直してみるのもよいですな。
医療を扱った邦画でもう一度見直してみたい映画
・医学生達の葛藤を描いた「ヒポクラテスたち」大森一樹監督、
・梅毒に冒された医師の葛藤を描いた「静かなる決闘」黒澤明監督
白黒映画なので50年位前に作られた映画だとばかり思っていましたが、
出演している俳優さんは今トップで活躍している役者さんばかりでしたのであれっと思って製作年を確かめたら1986年。
敢えてカラー撮りしていないのです。
主演は奥田英二と渡辺謙
監督は熊井啓
第二次大戦末期九州の帝大で行われた米軍捕虜生体解剖事件を題材にした遠藤周作の小説をベースにしています。
キリスト教の絶対的倫理観と絶対神を持たない日本人の相対的な倫理観の対比。
戦争が引き起こす無差別殺人と医学の発展という美名の下に行われる生体解剖の対比。
平等ではない命の重さ。
紋切り型で割り切れない、人間の姿が鋭い映像で描かれます。
手術シーンでは実際に臓器を切り取る場面まで映像化されていて、淡々と仕事をする医師看護婦の姿。
床に流す水の音と、床に捨てられるガーゼから血が流れる映像がとても怖いです。
生体解剖が行われている時、ドイツ人である教授の奥さんと子供が神を称える歌を歌って庭を散歩しています。
若いときに見た時は医者や軍人の非人間的な行為に対する怒りと、戦争という異常な環境が引き起こす人間の倫理観欠如の恐怖だけを感じましたが、今回見直してみて思ったのは、ひとつの絶対的な正義で割り切れない複雑で深いテーマを描いた作品であることがわかりました。
たまには古い映画を見直してみるのもよいですな。
医療を扱った邦画でもう一度見直してみたい映画
・医学生達の葛藤を描いた「ヒポクラテスたち」大森一樹監督、
・梅毒に冒された医師の葛藤を描いた「静かなる決闘」黒澤明監督
それに、戦争というもの自体が常に理不尽なものではないでしょうか?
でも多分人類は、異質のものを本当に受け入れて共存することは出来ない生き物なのかもしれない、と思います。
人種差別はいけない、と頭でわかっていても、自分の心の奥底にそういうものにヒリヒリと反応する自分がいることを・・みんな平等だ、といっても自分のほうが1ミリでも上だと思いたかったり、人を1ミリでも下に見たかったり・・・したことが無い人がいるとは思えません。
でもその心の動きを人に曝すことは恥ずかしいことだ・・と自制しているのが現実ではないでしょうか。自制できる間はまだとても良い状態だと思わなければいけないようです。
そういう風なのが私たち人間なのだ・・と思い知ることが、他人を許すことへとつながっていければ・・・と理想論として思います。
白黒の映画、というのはカラー映像よりももっと色を鮮明に現わしますね。私も古い映画を機会があれば見ます。新しい物よりも監督のセンスが、押し付けがましくなく、でもとてもはっきりと見える、主張があるので好きです。
新しいものでももちろん良いものはありますけどね。
こういう作品を見た時は必ず自問しますが、いつも答えが明確に出せるとは限りません。
理想は簡単に答えられますが、現実で直面してみないとわからないというのが本当のところでしょう。
>自制できる間はまだとても良い状態
全くそのとおりだと私も思います。
人が人であるのは本能を理性で制御できる事。
血縁でない人と長年一緒に暮らせたり、民族や信条の異なる他人同士がより大きな組織や社会を構成出来るのは、これが大きいと思います。
優越感を持ちたい。
楽をしたい。
自分の非を認めたくない。
おそらく人間が人間である限り消し去ることは出来ないのでしょう。
しかしだからこそ、開き直らず素直に認め、努力を続けて行くことが、他人を思いやる事につながるのではないかと...
現在の私の考えなので、10年後は異なる考えに変わっているかもしれませんが...
破傷風菌のお話なのですが、ムチャクチャ怖くてトラウマになります。
確かオープニングで藤原真理さんが延々とバッハの無伴奏1番プレリュードを弾いています。
チェロ弾きにはお勧めの映画です。
丁度感受性の強いお年頃の時に公開された映画です。
当時ホラー映画だと思っていて怖そうな感じがして大人になってからもレンタルするのを躊躇しています。
やっぱ怖いんですね...