桃太郎(28)
Momotaro 28
„ Öffnet sofort das Tor ! Ich bin Momotaro. Ich bin
gekommen, um euch niederyuschlagen !“
„ Niederzuschlagen ? Uns ? “, eine Wache rümpfte die
Nase und sagte :
„ So ein Quatsch ! Tu es doch, wenn du kannst !“
——訳——
「直ちに門を開けなさい.僕は桃太郎です.お前たちを
打ち倒しに来たのだ!」
「打ち倒すだと? 鬼の我々を?」 鬼のひとりの
衛兵が、小ばかにして言った.
「馬っ鹿でねえだか!できるもんなら開けてみろ!」
《語句》
öffnet (ihr お前たちに対する命令法)「開けなさい!」
<öffnen (他) (戸、窓などを) 開ける
niederzuschlagen (zu 不定詞)→ nieder/schlagen (分離動詞)
nieder/schlagen (他) (4格を) 打ち倒す、殴り倒す
② (4格を) 鎮める、鎮圧する
die Wache (弱) 見張り、番人、衛兵、歩哨、警戒勤務
rümpfte die Nase (über j⁴) を見下す、軽蔑する
der Quatsch {(e)s/ 口語軽蔑} たわけたこと、
tu < tun する
〚文法事項〛
命令法
作り方
du に対する命令: 不定詞の語幹 + e
ihr に対する命令: 不定詞の語幹 + t
Siedu に対する命令: 不定詞の語幹 + (e)n Sie !
* du に対する命令では、しばしば語尾の t が
落ちます.
kommem (来る) → kimm ! 来い
tun (する) → tu ! せよ
本文で鬼が言っている tu はöffnenの代動詞
「(開けたければ)開けよ」という意図です.
≪ひとこと≫
文の流れからはnieder/schlagen を「成敗する」とやりたかった
のですが、bestrafen (処罰する) とか züchtigen (せっかんする、
懲らしめる) の方が「成敗」に近いかもしれないので、
「打ち倒す」にしました.
他に、unterwerfen(4を)征服する、
unterjochen (4民族などを)従属させる
erobern (4を)占領する、獲得する、征服する
でもerobern には女性の心を手に入れる
という意味があるらしく、14歳の桃太郎
にはまだ早いかな?
ほかにdie Strafexpedition (f) 征伐 という
言葉がありますが、これは派遣元はおじいさんと
おばあさんになるから、ふさわしくありません.
長征(長州征伐)とかに使うのがいいかもしれません.
Die Strafexpedition gegen Tschoschü wurde aufgegeben.
鬼といえども、現代日本では、裁判権をもっているので、
判決が出るまでは、刑の執行はできません.桃太郎の場合
やはり、先に、遠山の金さんみたいな人に
相談するべきでした.そういう人がいなかったら
直接、奉行所に行くことになるでしょうか.
でも、それは・・・
奉行所:桃太郎とやら.して、鬼は村人から
金銀財宝を奪っていったと申すか?
そのような財宝をなぜ、村人がもっていたのじゃ?
隠し持っていたのが本当なら、村人を捕らえて
吟味することになるが・・・
桃太郎:やめて.だめ、それは.
奉行所:では鬼というのは作り話なのか?
桃太郎:うそではありません.はは~ん、鬼が怖いから
とぼけているのだな.情けないお代官様だな.
もうよい.自分ひとりで行ってくる.
奉行所:わはは.鬼をここへ連れて来るがよい.
そんな、ありもしない話をだれが信じるものか!
桃太郎:では、鬼を連れてきたら、信じてもらえるの
ですね?
奉行所:よし、約束しよう.そちの申すことが本当なら
その鬼が奪ったという金銀財宝はそっくり
村人に返してやって、とがめだてはせぬ。
そちには、その鬼ヶ島1島の領地を与えよう.
それでどうじゃ?
桃太郎:ありがとうございます.お心遣い痛み入ります.