法華経セミナー(3)
法華経講読3回目
3回目を始める前に、法華経第1章に当たるタイトルを
読み外してしまいました.すみませんでした.それと
前回の漢文部分のご紹介もまだでした.
復習を兼ねて、掲げます.
本タイトル: 妙法蓮華経
序品第一
如是我聞.一時仏住王舎城.耆闍崛山中.
与大比丘衆.万二千人俱.
ここまで読んだのでした.
タイトルの「妙法蓮華経」の五文字の中の中心は
「法」の一字になります. 仏さまが説いたのは「法」
だからです.
法学というのは、人間社会の掟に関する学問で、
その掟をそもそもなぜ守るかを教えるのが「教法」
だとしておきます.
さらに、宇宙の本質とか人間に内在する真実性
とかを言い出すと、「万古変らない不易の真理」
と、幅広くカバーしているのですが、
仏教では、「古道」にたとえられています.
熊野古道とかの、あの古道です.
ただ行先は「熊野」ではなくて、「不死」の道、
「幸福」の道、「正覚」の道、という世界です.
仏さまがこの道を作ったのではなく、それを発見
されたのです.これが幸福へ至る道だと発見されて、
「苦を滅する道」を説かれたのです.古道ですから、
仏さまは、過去にもいた可能性の示唆も含まれます.
「私以外にも、正覚者はいるかもよ.」
と暗におっしゃっています.
「法」の1字はおおよその意味検討がつきました.
ではそれとセットというか抱き合わせになっている
「妙」とは何か? 一般に言われている意味は、
「筆舌に尽くしがたい」「人知の形容を超えている」
という優れたモノです.何?外国人にどう説明して
いるのかって? 私もよくわからず、
ワンダフル・トゥルース(wonderful truth)でお茶
を濁しておりますが、今回の学習で、もう少し、
ましな案内をしたいと思います.
そういうわけで、「妙」は言葉が尽きても「愛」はある
ように、そのように、ちゃんとあるんだから・・・
そういうことです.
ということは法華経69384文字以外にも、「法華経」
は存在する. あなたの知らない法華経・・・いかにも
奇妙な話ですが、なにぶん「妙」なものでして..
さてその次、「蓮華」
「蓮華」とは何?
「あなたの選んだ花は何色の何?」
と、やまちゃんに聞かれても、日本人はあまり「蓮華」
の花をトップにもってこないかもしれない.
蓮華よりスミレだわ. ベスト10のトップは
ピンクの桜かな...
色々ご意見はございましょうが、
インドでは、「蓮華」が最も美しい花とされています.
「僕は薔薇が一番好きだ. だから妙法薔薇経にします.」
いや、ちょっと待ってください. あなたの好みで勝手に
お経文を変えられたら、ほかの人が困るから、とりあえず
そのままお読みください.
さて、なぜ花の名がここで出てきたか?
それは、「妙」の一字を受けて、「妙が」言葉で言い尽くせ
ないわけだから、そのすばらしさを、今度は最も美しい花
に譬えたわけです.「花々の王、蓮華の教法」 だというわけです.
法華経の中の有名な言葉、「如蓮華在水」と呼応するような美しい
タイトルです. 「如蓮華在水」はまた出てきたときにご説明させて
いただきますが、簡単に申しますと、周囲が泥水のような濁った環
境でも、そういう人々ばかりでも、その泥水を吸って、なお美しく
咲く蓮華の如く生きていきましょう、という具合に捉えておいてく
ださい.蓮華は花の王様. 私は見たことがないのですが、インドで
蓮華の花は日本のそれとは比べ物にならないほど、美しいそうです.
では、続きを読みましょう.
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皆是阿羅漢.諸漏已尽.無² 復煩悩¹
読みましょう.
皆是阿羅漢
皆是れ阿羅漢なり
諸漏已尽.無² 復煩悩¹
諸漏(ショロ)を已(スデ)に尽くして
復(マタ)煩悩無く
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阿羅漢は、お釈迦様在世では、正覚者(覚った人、ブッダ)
だったわけですが、どんどん、正覚者が増えて来ると、
インフレになって貨幣価値が落ちるように、創業者の
お釈迦様以外は、一段、控える傾向になりました.
でも出席の阿羅漢さまたちはすべてブッダです.
たとえば、学会の発表の場を考えればいいかもしれません.
学説発表者も聴衆も、みなさん学識者です. ゴタぴょんの
ような素人はいません.
大比丘衆の中には、優婆塞(ウバソク、一般男性信者)や
優婆夷(ウバイ、一般女性信者)もいましたが、そこらの
へぼ信者ではなく、「清信者」と訳されていますから、
「地位や名誉や、エッチやお酒などに目もくれない信者
様たちです」
諸漏(ショロというのが煩悩のことで、已(スデ)に尽くし
て、ということは、「もうありません」と言っています.
世の中、全員が煩悩がなくなったら、人類はそこで途絶え
るので、性欲、食欲は、在家信者様には、つつましやかに
享受していただいて、信仰を主人として、煩悩を家来にし
て日々を送っていただければいいのだと思います.
何?私ですか?食欲、性欲の煩悩は強くありますが、悲し
いことに、性力はもうありません. この点では諸漏を尽く
して、というか、枯渇しております. 食欲も糖尿予備軍
なので、がまんしております. つまり、強制的煩悩遮断、
たとえば、悪いことして、刑務所の中で強制的煩悩遮断
になっている人と同じレベルです.
煩悩、という言葉を使いましたが、煩悩では、三本柱と
言われる、「貪欲」「瞋恚(シンニ)」「愚痴」が最大の煩悩で、
人が不幸に陥る原因でもあります. 幸福を願う人にとって
は猛毒なので、この3つは「三毒」とも呼ばれています.
糖尿の人にとって猛毒は、「甘いおいしいケーキ」とか.
「甘いおいしいケーキ」が「おいで、おいで」をしています.
行ったらあかんよ.
外面如菩薩内面如夜叉、という言葉があります. 出典は
どのお経なのかは、わからないのですが、心得ておいて
悪くはない言葉だと思います.
表面はおいしいケーキも、その裏では、お砂糖いっぱい.
インシュリンの分泌の悪い方にとっては、夜叉のほくそえみ
でございます. 負けてなるものか. 実は私自身のことでした.
失礼しました.
さて、それから「瞋恚(シンニ)」.怒りっぽい人っていますよね.
そう、私めも、相当な短気者で直そうとは心がけている
のですが、そう思うように、自分のコントロールができず、
この年齢になってしまいました.
母が生前、言っていたことですが、怒った人の血を取ってネズ
ミに注射したら、そのネズミは死ぬんだよ、と. いつも言って
いましたね..真偽のほどはともかく、怒って自分は気が晴れる
だろうが、周囲の人は絶対「いや~な気分」になります.
「いやな気分」をばらまいて、幸福になれるはずがありませ
ん。 幸福とは、自分で作るパーセンテージは低く、大部分
は他人が作ってくれるものです。その大切な他人にいやな気
分を振りまいて、どうして幸福になれるでしょうか.
話が脱線しましたが、煩悩のない人が集まって、ブッダの
在世後半最後の8年間に説かれたという法華経をこれから
聴こうという話です.
次行きます.
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尽² 諸有結¹ .
諸々の有結を尽くして
心得²自在¹
心自在を得たり
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人は生まれも、性質も、能力もそれぞれ違い、
千差万別です. 「有」はこの違いがある、
ということの「有」です. そしてそれに執着する
ことが「結」です. 次期課長の椅子を狙うのも
「結」ですね.
同期の社員がいれば、やはり心おだやかではない.
やむを得ない執着ですが、妨害行為に出るのと
おとなしくしているのとでは、「有結」は同じでも
罪の大きさは、まるで違うので、「有結」という
言葉にもとらわれないようお願いします.
「自在を得たり」
セルフコントロールの出来る人のことです.
自分を抑えられる人. これにも限度がありますが、
普通に、「やっていけないことは抑え」発散も必要
だから、たまには、自分に贅沢をさせる.
これは、この講座の一般コース.
諸々の有結を尽くすコースは「特進コース」
どうぞ、あなた「特進コース」へ!
私は「一般コース」でいいです.