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韓国経済支える半導体、価格急落予測

2018-10-02 11:32:35 | 日記
記事入力 : 2018/09/28 11:01

韓国経済支える半導体、価格急落予測


朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 自動車、造船、スマートフォンなど韓国の主力産業が苦境に陥る中、韓国経済を唯一支えてきたメモリー半導体市場にも警告音が鳴り響いている。

主要製品のNAND型フラッシュメモリーの価格が今年10-12月期から急落すると予想されるからだ。


 半導体の市場調査会社である台湾のDRAMエクスチェンジは26日、10-12月期のDRAM平均価格が7-9月期に比べ5%下落すると予想した。

下落幅は当初予測(1-3%)を上回るものだ。半導体市場の分析担当者、エイブリル・ウー氏は「メモリーの需要が減少し、供給不足が解消され、DRAM価格が予想よりも落ち込む」と予想した。

 DRAMエクスチェンジは特にパソコン、モバイル、サーバー用のDRAM価格が同時に下落すると予想した。

本格的な下落の前兆となる見通しだ。サーバー用、パソコン用のDRAMはいずれも5%下落、モバイル用のDRAMは最大で8%の下落が見込まれる。

来年にはDRAM価格が今年に比べて最大25%下落するとした。


 半導体価格の下落で、韓国の2大半導体メーカーであるサムスン電子とSKハイニックスの業績も10-12月期から低迷するとの見方が支配的だ。


 これに先立ち、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど世界の主な投資銀行も、世界のメモリー半導体需要が減少し、在庫が増え、価格圧力が強まるとし、10-12月から業界の景気が低迷するとの予想を相次いで示した。


 DRAMの場合、大口の取引先に供給する場合に適用される固定取引価格は横ばいだが、短期取引価格であるスポット価格は今年上半期から下落に転じた。8ギガビットDRAMのスポット価格は今年1月時点で9.65ドルだったが、27日には7.34米ドルと24%下落した。スポット価格の下落が進めば、固定取引価格も下落が避けられない。


 半導体業界からは、パソコン、サーバー、モバイル用メモリー半導体の需要が同時に減少し、値下がりが予想よりも急激なものになるとの分析が聞かれる。

韓国経済支える半導体、価格急落予測

 DRAMエクスチェンジによると、付加価値が高いサーバー用半導体は、グーグル、マイクロソフトなどクラウドサービス企業によるサーバー発注量が減少しており、パソコン用の半導体需要も減少している。スマートフォンの買い替え周期が長くなり、成長が限界に達し、モバイル用の半導体の需要も伸び悩んでいる。


 一方で供給は大幅に増えている。

業界世界首位のサムスン電子は京畿道平沢市の工場に新規ラインを増設し、SKハイニックスも京畿道利川市に15兆ウォン(約1兆5300億円)を投じ、工場を建設すると発表した。

米マイクロンも先月、30億ドル(約3400億円)を投資し、米バージニア州に半導体生産ラインを新設すると発表した。

さらに、来年には中国の半導体メーカーが本格的な量産に入り、供給過剰が深刻化する可能性が高い。


 半導体市場が低迷すると、韓国の輸出にも打撃が懸念される。

韓国の輸出全体に占める半導体の割合は2015年の11.9%から今年は21%にまで高まった。

しかし、半導体価格が低下すれば、輸出額が大幅に減少し、半導体設備・素材メーカーにも悪影響が及ぶ。

IT業界関係者は「韓国経済と輸出を唯一支える半導体の景気が悪化すれば、経済全般に打撃が心配される」と話した。


 韓国の半導体企業はこうした懸念について、「第4次産業革命が加速し、中長期的には半導体需要がさらに増える」との見方を示した。

サムスン電子の半導体事業を統括する金奇南(キム・ギナム)社長も最近、記者団に対し、「今年10-12月期までは市場に大きな変化はないとみている」と述べた。

好況が少なくとも今年末までは続くとの見方だ。

しかし、サムスン電子とSKハイニックスは最近、取引先や設備メーカーと相次いで接触し、来年の市況について点検を行い、市場の変化に対応した物量管理計画を立てているという。 

 産業研究院のキム・ヤンペン研究員は「半導体需要が減少し、中国の半導体企業が本格的に量産を始めれば、メモリー半導体市場にチキンゲーム(極端な価格競争)が再び起きる可能性もある」と指摘した。