日本と世界

世界の中の日本

韓国徴用工訴訟で河野外相、敗訴は「毛頭思っていない」「請求権の話は終わった話だ」

2018-10-29 17:29:05 | 日記

韓国徴用工訴訟で河野外相、敗訴は「毛頭思っていない」「請求権の話は終わった話だ」

2018.10.29 12:42


韓国・ソウル市の竜山駅前に2017年8月に設置された徴用工像(名村隆寛撮影)



 河野太郎外相は29日、産経新聞のインタビューに応じ、元徴用工の韓国人4人が新日

鉄住金を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、

韓国最高裁が30日に判決を言い渡すことに関し「請求権の話は終わった話だ」と述べ、個人請求権問題は1965(昭和40)年の日韓請求権協定で解決済みとの政府の立場を重ねて強調した。

 判決を受けた政府の対応に関しては「韓国がそれなりのことをきちんと国としてやる。

それ以外のことを申し上げるつもりはまったくない」と語り、判決内容にかかわらず韓国政府が協定に基づいて適切に対応すべきだとの認識を示した。


 河野氏は新日鉄住金が敗訴する可能性について「そんなことが起きるとは毛頭思っていない」と繰り返し否定。その上で「『未来志向でやろうよ』ということを韓国側もきちんと国内でやっていただきたい」と求めた。

厳しい韓国生活保護制度の扶養義務

2018-10-29 16:39:10 | 日記

厳しい韓国生活保護制度の扶養義務

住民登録番号から


高安 雄一




2014年7月30日(水)

 15年前までの韓国では、所得や財産が少ない場合でも、「65歳以上」などの要件を満たさない限り、実質的な公的生活扶助を受けることができませんでした(注1)。

しかし2000年10月に「国民基礎生活保障制度」が創設され、65歳未満の人も公的扶助の対象となりました。

(注1)公的扶助制度はあったが、生計保護(日本の生活扶助)を受けるためには、所得および財産基準のみならず、「65歳以上」などの条件を満たす必要があり、実質的な公的扶助を受けることができる者が限定されていた。

 国民基礎生活保障(以下「基礎生活保障」とします)は、所得が最低生計費を下回った場合、その差額が生計給与などの形で対象者に支給されるものです(注2)。

韓国の最低生計費の水準は物価水準を勘案すれば日本との差は大きくないと言えるなど、現在の日韓の公的扶助制度は似通っている部分が少なくありません。

(注2)「最低生計費」は日本の「最低生活費」に相当する。また差額がすべて生計給与の形で支給されるわけではなく、一部は他の給与として現金あるいは現物で支給される。

 一方で、財産基準が数値で定められているといった違いも多くあり、中でも際立った違いは扶養義務の厳しさです。

そこで今回は、社会保障制度の中でも公的扶助制度である基礎生活保障に焦点を当て、日本でも話題になった扶養義務を取り上げます。

日本の扶養義務については様々な解釈

 以下では、扶養義務について、(1)法律上の位置づけの日韓比較、(2)制度の運用から見てみましょう。

 第一に「法律上の位置づけの日韓比較」です。日本の「生活保護法」では、「民法に定める扶養義務者の扶養は保護に優先して行われる」ことが規定されています。民法で定める扶養義務者とは、配偶者間、親子間(注3)、兄弟姉妹間およびその他の3親等内の親族です(注4)。

(注3)正確には直系血族であるので、祖父母、孫なども含まれる。
(注4)「その他の3親等内の親族」は、特別な事情がある場合に限られる

 この規定の「優先」の解釈については大きく2つに見解が分かれます。

 第一の見解は、親族による扶養がなされていれば公的扶助の必要性がなくなる結果、生活保護を受けることができなくなることを定めたに過ぎないとするもので、「事実上の順位説」と呼ばれます。

 第二の見解は、扶養能力のある扶養義務者が存在すれば生活保護法上の保護の欠格要件となるとするもので、「受給要件説」と呼ばれます(注5)。

(注5)内田(2004)291ページによる。

 次にこの2つの見解に基づいた学者の意見を紹介しましょう。東北大学大学院法学研究科の嵩さやか准教授は、「扶養能力のある扶養義務者の存在のみで保護受給権を否定するわけではない」として「受給要件説」を否定しています。

 一方で、行政実務上は、「扶養義務者の扶養意思が明確なケースでは、実際に扶養が履行されていなくても保護受給権が否定されることがある」ため、「事実上の順位説」とも異なるとしています(注6)。

(注6)嵩(2013)6ページによる。

 また東京大学法学政治学研究科教授であった内田貴博士は、「事実上の順位説」は「生活保護法」の解釈としては無理があり、公的扶養を優先させるべきであるなら法改正をすべきであると主張しており、「事実上の順位説」を否定しています(注7)。

(注7)内田(2004)291ページによる。

 このように日本では、「扶養義務者がいれば生活保護を受けることができない」、「扶養義務者がいても扶養の意思を示さない限り生活保護を受けることができる」など様々な解釈があります。

 これについて前出の嵩さやか准教授は、「事実上の順位説なのか行政実務上の解釈なのか、あるいはその他の解釈なのかという問題は、原理的に公的扶養と私的扶養とをいかに位置づけるのかという問題に行き着くように思われるとしている」と指摘しています(注8)。

(注8)嵩(2013)7ページによる。

 一方で韓国の場合はシンプルです。

「国民基礎生活保障法」では、「受給権者は、扶養義務者がいない、あるいは扶養義務者がいても扶養能力がない、もしくは扶養義務を受けることのできない者で、所得認定額が最低生計費以下の者」と定められています。

つまり、扶養義務者の存在は基礎生活保障による扶助の欠格事項とされており、日本のように解釈が分かれる余地はありません。

日本と比べ格段に厳しい制度運用

 第二の韓国における「制度の運用」ですが、これは「厳しい!」の一言に尽きます。

 これを(Ⅰ)扶養能力の判定基準、

(Ⅱ)扶養義務の拒否要件に相当するか否かの判定基準、

(Ⅲ)扶養義務者に対する調査の3点から見てみましょう。

 まず「扶養能力の判定基準」です。

「国民基礎生活保障施行令」などは、扶養能力がないと判定するための具体的な基準を定めています。

これによると、扶養能力は所得および財産によって判定されます。

所得および財産ともに扶養能力を判定する客観的な基準額が定められており、
扶養義務者の所得および財産が、それぞれの基準を下回る場合にのみ扶養能力がないとされます。

 所得による扶養能力の判定基準を見ましょう。

まず扶養義務者の所得が、扶養義務者が属する世帯(以下「扶養義務世帯」とします)に対応する最低生計費の130%を超えていれば、扶養義務者に扶養能力があるとされます。

 2013年における最低生計費は、3人世帯の場合、126万315ウォン(2013年の為替レートで11万5949円)、4人世帯の場合154万6399ウォン(14万2269円)です。

つまり扶養義務者が4人で世帯を構成している場合、円に換算して年収で約171万円を超えると、扶養能力があると判定されます。

 ただし扶養義務者に扶養能力があると判定されても、扶養能力が微弱であるとされる場合には、満額ではないものの基礎生活保障を受給できます。

扶養義務者の所得が、受給申請者が属する世帯(以下「受給申請世帯」とします)と扶養義務世帯、
それぞれの最低生計費を合算した額の185%未満であれば、扶養義務者の扶養能力は微弱であると判断されます(受給申請世帯が高齢世帯の場合)。

 例えば、受給申請世帯が高齢単身世帯、扶養義務世帯が4人世帯の場合は、391万1934ウォンまで(36万580円、年収換算では約433万円)は扶養能力が微弱と判定されます。

 次に財産です。

財産は金銭的価値に評価された上で、その価値が財産基準値に換算されます。財産基準値は、居住財産は評価額に1.04%、その他の財産は評価額に4.17%をかけることで算出されます。

 扶養義務者の財産基準値が、受給申請世帯および扶養義務世帯それぞれの最低生計費を合計した金額に42%をかけた金額を上回れば、財産面で扶養能力があるとされます。

ここで具体的な例を挙げて財産基準がどの程度になるか見ましょう。

 申請世帯が高齢2人世帯、扶養義務世帯が3人世帯、扶養義務者が大都市に居住している、
扶養義務者の財産が居住用住宅のみである場合、財産が2億5051万ウォン(2305万円)未満であれば基準を満たします。

 次に「扶養義務の拒否要件に相当するか否かの判定基準」を見てみましょう。

これには「扶養能力がある扶養義務者がいても扶養を受けられない」、

「扶養能力がある扶養義務者が扶養を拒否する」場合があります。

前者は、扶養義務者が、(a)兵役に就いている、(b)海外に移住している、(c)刑務所、拘置所、保護観察施設に収容されている、 (d)行方不明である場合が相当します。

 「扶養能力がある扶養義務者が扶養を拒否する」場合は、受給申請者が扶養を拒否されたと申し出るだけでは十分ではなく、扶養義務者が扶養を拒否するに足る理由があることが必要です。

 保健福祉部は、どのような場合に理由があるとされるか例を示しています。

その1つが、実質的に家族関係が断絶している、あるいはその他これに準ずる理由により申請者が扶養を受けることができないと認定された場合です。

 具体的には、(a)父母が再婚して子を扶養せずにいた場合、(b)過去に家族間の扶養拒否事由(家出、浮気、虐待など)が生じた場合、(c)養子、養父母など血縁関係にない場合が相当します。

なお扶養を拒否する理由が妥当か否かは、基礎自治体が事実関係を調べた上で、基礎自治体に設置されている地方生活保障委員会が判断します。しかし、扶養を拒否する理由が妥当と判断されるにはハードルが高いのが現状です。

扶養義務者の所得や財産も調査

 最後に「扶養義務者に対する調査」を見ます。扶養義務者の所得および財産調査については、「社会福祉統合管理網」が威力を発揮しています。

 受給申請を受け付けた基礎自治体の担当職員は、社会福祉統合管理網に、扶養義務者の住民登録番号を入力して、所得および財産情報などを照会します。

ここで留意が必要なのは、社会福祉統合管理網には、国民全体の所得および財産情報が蓄積されているわけではなく、あくまでも社会福祉サービスを受けた人の情報に限られることです。

よってこれまで他の福祉サービスを受けたことのない人の情報は、新たに関係機関などから提供を受けます。

 この際には、個人の住民登録番号が重要です。

韓国では個人が一生変わらない住民登録番号を持っており、担当者はこの住民登録番号を社会福祉統合管理網に入力することで、所得および財産情報の照会を行います。

国民全体の情報が蓄積されているわけではないので、即時に情報を得ることはできませんが、最長でも14日といった、比較的短い時間で情報を得ることが可能です。

 所得情報は、国税庁や国民年金公団などから得ています。国税庁は総合所得税を課税する際に所得額を把握していますし、国民年金管理公団も年金保険料を賦課する際に所得額を把握しています。

 また固定資産については、行政安全部が財産税を徴収する際に、土地や建物の評価額を把握しています。

さらに、預金、株式、有価証券、収益証券などの金融資産の情報は、銀行、保険会社、証券会社、組合中央会、知識経済部(郵便貯金)により提供されています。

そして、社会福祉統合管理網に照会がかけられた金融資産情報は、保健福祉部の傘下機関である韓国保健福祉情報開発院が、金融財産照会システムを通じて各金融機関などに一括して照会します。

 さらに社会福祉統合管理網は定期的に更新されており、基礎自治体も年1回以上、(a)扶養義務者の有無など扶養義務者に関連する事項、(b)扶養義務者の所得および財産に関する事項を定期的に調査しています。

 以上のように、韓国では扶養義務者の存在が公的扶助受給の欠格事項になります。さらに扶養義務者の扶養能力が客観的な数値で測られ、その調査も厳格に行われ、扶養を拒否するためのハードルは極めて高いと言えます。

扶養義務が厳しすぎるという意見も

 韓国では私的扶養を優先していますが、これをもって韓国の社会保障が未整備であるとは言えません。

私的扶養がどの程度の役割を担うべきかについては様々な見解があります。

その1つは、私的扶養は扶養制度全体が公的扶養に一元化されるための過渡的制度であるとの見解です。

 一方で、私的扶養には一定の役割が期待されているとの見解もあります。

例えば、先述の内田貴博士は、

「家族が扶養しなくても税金で扶養してもらうことになると家族のつながりは弱いものになる」、

「家族の扶養義務をそこまで希釈化するのが家族のあり方としてよいのかどうか、議論が必要である」と主張しています(注9)。

(注9)内田(2004)292-293ページによる。

 韓国では私的扶養に相対的に大きな役割が期待されているわけですが、これをもって、韓国の社会保障が整備されていないと考えるのは早計でしょう。

 さすがに韓国でも扶養義務が厳しすぎるのではないかとの意見があり、今後予定されている基礎生活保障の改革では、若干ではありますが扶養義務世帯の所得基準が緩和される予定です。

しかし「厳しい扶養義務」といった特徴は今後も維持されると考えられます。
(本稿について詳しい情報を知りたい方は、拙著『韓国の社会保障』第3章第4節を見て下さい)。

極貧老人 38万8千人 基礎年金 受けられない 韓国

2018-10-29 16:28:17 | 日記

極貧老人 38万8千人 基礎年金 受けられない


登録:2013-10-02 00:31 修正:2013-10-02 06:42


基礎受給者給付から差し引き精算…‘貧困解消’趣旨 退色



ソウル鍾路区(チョンノグ)のタプコル公園隣の円覚寺(ウォンガクサ)無料給食所前で老人たちが食事をするために長く列をつくっている。

 基礎年金 政府最終案が施行されても、韓国社会の最極貧層である基礎生活受給者老人38万8000人余りは基礎年金をただの一銭も受け取れないことが明らかになった。

所得上位30%の老人を排除して公約破棄論難をかもしたのに続き、老人貧困解消という制度導入の目的自体が面目を失うという批判が提起されている。

 1日、保健福祉部の説明を総合すれば、

政府の計画どおりに来年基礎年金制度が施行されれば、

65才以上の老人の内 所得下位70%は国民年金加入期間に応じて基礎年金10万~20万ウォンを差別支給されることになるが、

基礎生活受給者老人38万8000人余り(2013年1月基準)はここから完全に排除されることが確認された。

基礎生活受給者である老人たちは、現行基礎老齢年金制度でもただの一銭も受け取れずにいるが、新しい基礎年金制度が導入されても何の恩恵もないということだ。

 これは現行国民基礎生活保障制度が、最低生計費に足りない分だけを受給者に補充する‘補充給付原理’を採択しているためだ。

国民基礎生活保障法3条2項は "扶養義務者の扶養と他の法令にともなう保護は、この法に伴う給付に優先して行われることとする。

ただし、他の法令にともなう保護水準がこの法で定める水準に達しない場合には、残りの部分に関してこの法に伴う給付を受ける権利を失わない" と定めている。

 簡単に言えば、基礎生活受給費を算定する時、基礎(老齢)年金受領額分は差し引いて給付するという意だ。

例えば、1ヶ月に46万8000ウォンを基礎生活受給費として受け取る老人の場合、

国民年金加入経験がなく20万ウォンを基礎年金として受け取ることになれば計66万8000ウォンの所得になるわけではなく、

基礎生活受給費が20万ウォン削られるために結果的には46万8000ウォンだけ、これまでと同じく受け取ることになる。

 チェ・イェリュン貧困社会連帯事務局長は

「法が基礎生活受給者である老人に基礎(老齢)年金を先に支給した後、基礎生活受給費としてそれだけ差し引くようになっているため、

極貧層の老人は現行基礎老齢年金はもちろん新たに導入される基礎年金20万ウォンの中から一銭も受け取れない結果になる」と説明した。

福祉部関係者は「情緒的には基礎生活受給者の老人に(20万ウォンずつ)与えることが良いが、現行制度では支給できない」と話した。

 これは結局、基礎生活受給者老人の‘相対的貧困’を悪化させる結果を産む。


基礎生活受給者ではないながら受給者老人より所得が多少多い次上位階層老人の場合、

現在は基礎老齢年金を9万6000ウォンを受け取っているが来年からは基礎年金として20万ウォンを受け取ることになる可能性が高いためだ。

 このため基礎生活受給者の老人にも基礎年金20万ウォンを基本的に保障するよう法を変えなければならないという指摘が出ている。

ナム・キチョル同徳(トンドク)女子大教授(社会福祉学)は「老人貧困問題を解決するために導入された基礎年金制度の趣旨を生かすには、最極貧層の老人がまともに支援を受けられるよう制度を変えなければならない。

この際、扶養義務制などを含めて現行制度を全体的に改善する必要がある」と指摘した。

ホ・ソン順天郷(スンチョンヒャン)大教授は「老人なのでより多くかかる慢性疾患医療費、タクシー代など、老人の必要経費を勘案して基礎生活受給費算定時の総所得から基礎年金の100%(現在価値20万ウォン)または50%を控除する方案も考えてみる必要がある」と話した。



http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/605466.html

韓国・文在寅大統領“公約断念”陳謝 行き詰まる「ポピュリズム経済政策」

2018-10-29 16:09:35 | 日記

【ビジネス解読】

韓国・文在寅大統領“公約断念”陳謝 行き詰まる「ポピュリズム経済政策」


2018.8.7 06:40

経済政策のつまずきを露呈した韓国の文在寅大統領(ロイター)


経済政策のつまずきを露呈した韓国の文在寅大統領(ロイター)


韓国の文在寅大統領とトランプ米大統領はともに経済運営でポピュリズム色が強い(AP)


雇用確保を求めてデモを行う韓国の建設労働者=7月12日、ソウル(AP)


 トランプ米大統領の米国第一主義の通商政策が世界を揺らす中、内向きのポピュリズム(大衆迎合主義)経済政策がいかに危ういかを示してくれている国がある。

お隣の韓国だ。


 2017年5月の就任からまだ1年あまりだが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7月16日、国民に対し「(大統領選の)公約を守れず申し訳ない」と陳謝する事態に追い込まれた。

革新系の文政権は、支持基盤の労働者層への支援として、2020年に最低賃金を、日本を上回る1万ウォン(約1000円)に引き上げると約束していたが、その達成が事実上不可能になったためだ。

 韓国政府の最低賃金委員会は7月、19年の最低賃金を前年比10.9%増の8350ウォン(約835円)にすると決めた。18年から2年連続の2桁増で、先進国のなかでは突出して高い伸び率だ。

 だが、この決定には人件費負担が大幅にかさむ経済界だけでなく、政権の味方のはずの労働界も、1万ウォンの実現には引き上げ幅が不十分だとして強く反発、文氏は板挟みとなってしまった。

 文政権が公約にこだわれば、20年に最低賃金を一気に約20%引き上げる必要があるが、文氏は公約達成を諦めた。

内需振興と所得配分の改善を旗印とした“大盤振る舞い”のポピュリズム政策の悪影響を覆い隠せなくなったからだ。


 韓国経済の閉塞(へいそく)感は強まっている。最低賃金の引き上げで零細自営業者らの経営は打撃を受け、雇用不振は深刻だ。

文氏が公約達成の断念を陳謝した2日後、韓国政府は経済関係閣僚会議で「下期以降の経済状況および政策方向」を発表し、18年の実質国内総生産(GDP)の前年比増加率を、昨年末時点の3.0%増の見通しから2.9%と、0.1ポイント引き下げた。

 民間消費や設備投資など主要経済指標の見通しは軒並み引き下げられ、文氏が特に重視しているとされる雇用指標は、就業者の月平均増加数の見通しが18万人と、14万人も下方修正された。

 韓国政府は、GDP成長率の下方修正の要因に米中貿易摩擦の激化を挙げている。

だが、それは責任逃れだろう。内政の失点が経済の足を引っ張っていることは明らかだ。

 月間就業者数の増加幅は昨年までは毎月30万人を超えていたが、今年2月からは5カ月連続で10万人前後にとどまっていた。

「一気に16.4%引き上げた18年の最低賃金が雇用不振の主要因というのが専門家の指摘」(韓国大手紙の中央日報電子版)だ。

実際、19年も最低賃金の2桁増が決まったことを受けて、

金東●(=なべぶたに八の下に兄)(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官は「下期の経済運営に重荷となりかねない」と懸念を示したと、聯合ニュースは伝えている。

 さらに、労働界偏重の政策のツケは、成長率の原則にとどまりそうにない。

 中央日報電子版は、韓国経済新聞の記事として、日本の流通大手イオンが傘下のコンビニエンスストアチェーン「ミニストップ」の韓国法人「韓国ミニストップ」を売却する方針だと報じた。

記事は現地の競争激化に加え、最低賃金の上昇に伴い、加盟店のコンビニ経営者の負担を減らす支援金の増加が、売却の背景にあると指摘している。

ミニストップ側は、売却方針をあくまで証券市場の憶測と否定しているようだが、コンビニ業界の苦境は事実だ。

 朝鮮日報電子版によると、全国7万店のコンビニ経営者が加入するコンビニ加盟店協会は、同時休業も辞さない姿勢で最低賃金政策の見直しを政府に迫り、約350万人の零細事業者を代表する小商工人連合会は「法律違反になったとしても最低賃金法は守らない」と不服従を宣言。

このまま労務負担の急増と労使の対立状況が続けば、外資が逃げ出す資本流出も現実味を帯びてくる。

米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)が韓国法人の撤退を検討し、5月に現地工場の一部を閉鎖した背景に労務負担増と険悪な労使関係があったことを思い出してほしい。

 文氏が最低賃金の公約達成を断念し、経済指標予測の下方修正に踏み切ったことは現実路線への軌道修正ともみえるが、

悪いことにポピュリズム経済政策は一端、手を染めてしまうと簡単には止められないらしい。

 というのも、最低賃金引き上げの副作用による雇用不安などをカバーするため、文政権が持ち出したのが、

税金を投入し低所得層や高齢者の所得を補うバラマキ政策の強化なのだ。

 低所得者世帯に税金還付方式で給付を行う「勤労奨励税制(EITC」の対象と支給額を現在の2倍に拡大するほか、

基礎年金の引き上げ計画を前倒しで実施することなどが柱だ。

 しかし、この所得支援策は、勤労奨励の拡充だけで3兆8000億ウォン(約3800億円)の財源が必要で、

個別消費税の一時引き下げなど他の関連措置を含めると財政支出は10兆ウォン(約1兆円)に達するとの見方も出ており、財政悪化につながりかねない。

 支持層の受けが良い政策だけを泥縄式に続けるポピュリズムの先にあるのは韓国経済の自壊ではないか。

文氏は支持層に偏重した経済政策の限界を自覚するべきだろう。もちろん、トランプ大統領もだ。(池田昇)

風当たり強まる韓国・文在寅政権の経済政策、応援団から「竜頭蛇尾」、「隣国だけが拍手喝采」の酷評も

2018-10-29 16:03:07 | 日記

風当たり強まる韓国・文在寅政権の経済政策、応援団から「竜頭蛇尾」、「隣国だけが拍手喝采」の酷評も

Record china

配信日時:2018年10月27日(土) 20時50分

風当たり強まる文政権の経済政策、「隣国だけが拍手喝采」の酷評も


韓国の文在寅政権の経済政策への風当たりが強まり、応援団格の左派系紙は「竜頭蛇尾に終わるのか」などと批判。


保守系紙は「日本や中国など隣国だけが拍手喝采する」と酷評し、政策転換を求めている。写真は韓国の大統領


韓国の文在寅政権の経済政策への風当たりが強まっている。

応援団格の左派系紙は26日、「所得主導成長・革新成長・公正経済の三つを軸とする『人間中心経済』は竜頭蛇尾に終わるのか」などと批判。

保守系紙は「日本や中国など隣国だけが拍手喝采する」と酷評し、政策転換を求めた。

ハンギョレ新聞は「文大統領はかつて、政府の輸出大企業中心の経済成長政策から抜け出すと公約した。

大手企業の成果が社会全体に広がる『落水効果』が途絶え、強者の横暴と不公正取引が横行し、不平等さが深刻化したからだ」と指摘。

「その代わり人間中心経済を示した」と説明した。

しかし、「文政権がこれまで取り組んだことは、大企業中心の規制緩和と財閥に会って投資・雇用計画を発表することだった」と批判。

「所得主導成長政策はほとんど見当たらず、朴槿恵政府の創造経済とあまり違いがないほど変質した革新成長だけが浮き彫りになっている」と断じた。

さらに「政策の方向と内容をめぐり、経済チーム内で絶えず対立と葛藤が繰り返されている事態も、1年6カ月も放置されている」と指摘。

「所得主導成長は最低賃金という『石の角』に引っ掛かってふらつき、革新成長が朴槿恵の掲げた創造経済の亜流に変質するならば、文在寅の掲げる人間中心経済が竜頭蛇尾に終わるのもあながち杞憂(きゆう)ではないだろう」と訴えている。

朝鮮日報は「隣国だけが拍手喝采する韓国の反企業政策」とのコラムを掲載。

韓国製造業の海外脱出がますます加速している事態をやり玉に挙げた。

韓国輸出入銀行が発表した海外直接投資に関する資料によると、中小企業だけでも2016年に2763件、17年は2838件に上り、今年上半期には1556件に達したという。

記事は「中小製造業でも脱韓国の動きが増えるのは、韓国経済の生態系の『がん』とも言える深刻な問題があるに違いない」と言及。

「企業は有機体のような性質で、外部から危険信号が届くと、生き残りのために動き始める。

そこには道徳や理念が入り込む余地はない」と解説し、「ある経済団体の役員は急激な最低賃金上昇、労働時間短縮、法人税引き上げといった反市場、反企業政策が繰り出されるほど、企業経営者は海外移転という生存法を選ぶしかなくなると話した」と紹介した。

その上で「輸出中心の貿易国家、韓国で海外要因を考えない『井の中のかわず』式の政策はやがて自分の身に跳ね返ってくる」と警告。

「それを見て拍手喝采する中国や日本などライバル国が見えないのだろうか」などと政府を皮肉った。(編集/日向)