貿易戦争、値上げで消費者に痛みじわり 中国で物価上昇、圧力の高まり統計にも
06:17
トランプ米政権との間で深刻化する貿易戦争の影響が、中国の消費者にじわじわと“痛み”を与えている。
米中対立が決定的となった7月以降、自動車など欧米メーカーの一部は中国で販売する製品の値上げに着手。
中国国内で物価上昇圧力が高まってきており、「公式データが示しているよりも、中国の消費者は痛みを感じている」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)との指摘もある。
中国国家統計局が19日発表した今年7〜9月期の国内総生産(GDP、速報値)は物価変動の影響を除く実質で前年同期比6.5%増だった。
伸び率は今年4〜6月期から0.2ポイント低下し、リーマン・ショック後の2009年1〜3月期(6.4%)以来、約9年半ぶりの低水準となった。減速するのは2四半期連続。
「中米貿易戦争の進展や人民元下落などに伴い、接着剤事業のコスト上昇が続いている」。
中国のインターネットメディアは、ドイツ化学・消費財大手ヘンケルの中国法人が10月1日から接着剤などを値上げしたと伝えた。
取引先への通知書には「貿易戦争の影響」との文言が記されていたという。
中国メディアによると、米化学・事務用品大手の3M(スリーエム)の中国法人も8日から3〜5%の値上げに踏み切った。
中国自動車市場では、米電気自動車(EV)メーカーのテスラが約20%、ドイツ自動車大手BMWが4〜7%の値上げを7月にそれぞれ実施したと中国内外のメディアが報じている。
値上げの動きの中で、中国自動車工業協会が今月12日に発表した9月の新車販売台数は、前年同月比11.6%減の239万4100台だった。
マイナスは3カ月連続で、下落率は8月の3.8%から拡大。貿易戦争が影響したとみられる。
物価上昇圧力の高まりは統計にも表れており、
中国国家統計局が今月16日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.5%上昇。
伸び率は8月より0.2ポイント拡大し、2月(2.9%)以来の高水準だった。
大雨などの悪天候が影響した食品関連価格の上昇が目立つが、貿易戦争などに起因する物価上昇が今後も続くと中国の市場関係者は予測する。
一方、中国共産党機関紙の人民日報(電子版)は17日、「貿易戦争の悲観論は信頼できない」とする記事を掲載。中国当局は、貿易戦争による経済へのダメージを強く否定している。(三塚聖平)
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トランプ米政権との間で深刻化する貿易戦争の影響が、中国の消費者にじわじわと“痛み”を与えている。
米中対立が決定的となった7月以降、自動車など欧米メーカーの一部は中国で販売する製品の値上げに着手。
中国国内で物価上昇圧力が高まってきており、「公式データが示しているよりも、中国の消費者は痛みを感じている」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)との指摘もある。
中国国家統計局が19日発表した今年7〜9月期の国内総生産(GDP、速報値)は物価変動の影響を除く実質で前年同期比6.5%増だった。
伸び率は今年4〜6月期から0.2ポイント低下し、リーマン・ショック後の2009年1〜3月期(6.4%)以来、約9年半ぶりの低水準となった。減速するのは2四半期連続。
「中米貿易戦争の進展や人民元下落などに伴い、接着剤事業のコスト上昇が続いている」。
中国のインターネットメディアは、ドイツ化学・消費財大手ヘンケルの中国法人が10月1日から接着剤などを値上げしたと伝えた。
取引先への通知書には「貿易戦争の影響」との文言が記されていたという。
中国メディアによると、米化学・事務用品大手の3M(スリーエム)の中国法人も8日から3〜5%の値上げに踏み切った。
中国自動車市場では、米電気自動車(EV)メーカーのテスラが約20%、ドイツ自動車大手BMWが4〜7%の値上げを7月にそれぞれ実施したと中国内外のメディアが報じている。
値上げの動きの中で、中国自動車工業協会が今月12日に発表した9月の新車販売台数は、前年同月比11.6%減の239万4100台だった。
マイナスは3カ月連続で、下落率は8月の3.8%から拡大。貿易戦争が影響したとみられる。
物価上昇圧力の高まりは統計にも表れており、
中国国家統計局が今月16日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.5%上昇。
伸び率は8月より0.2ポイント拡大し、2月(2.9%)以来の高水準だった。
大雨などの悪天候が影響した食品関連価格の上昇が目立つが、貿易戦争などに起因する物価上昇が今後も続くと中国の市場関係者は予測する。
一方、中国共産党機関紙の人民日報(電子版)は17日、「貿易戦争の悲観論は信頼できない」とする記事を掲載。中国当局は、貿易戦争による経済へのダメージを強く否定している。(三塚聖平)
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