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韓国、「どうする!」3度目の金融危機?、どこにも助けを求められない「孤立無援」

2020-01-11 14:16:27 | 日記
韓国、「どうする!」3度目の金融危機?、どこにも助けを求められない「孤立無援」

韓国は、3回目の通貨危機が発生した時、もはやどこにも助けを求められない孤立無援状態にある。米韓関係は隙間風、日韓関係は最悪状態である。普段から、近隣諸国との関係をよくして置くべきだが、そういう社会常識もなかった。あるのは、「我を張ることだけ」という韓国式原理主義が、今や破綻に瀕しているのだ。


文大統領は、ひたすら南北関係に力を入れている。南北友好のためならば、米国と意見対立しても実行へ踏み切ると腹を固めたようだ。

文大統領特別補佐官が、文大統領の胸の内を語っている。

今年4月の総選挙を前に、「米韓つむじ風」が吹く可能性が出てきた。

こうなると、3回目の通貨危機が起こっても、日米が揃って韓国から顔を背けることになりそうだ。


『中央日報』(1月6日付)は、「金融危機がまた来れば」と題する記事を掲載した。筆者は、同紙のコ・ヒョンゴン/論説室長である。

(1)「最近は、「金融危機がまた来れば対応できるのだろうか」という心配が頭から離れない。

景気沈滞と政策の失敗で危機の引き金となる悪材料が多い。

不動産バブルと家計の負債はいつ問題が発生してもおかしくない時限爆弾だ。

北朝鮮の挑発のようなカントリーリスクもまた高まっている。中国発の危機も繰り返し浮上する。

中国の企業の負債は10年間に5倍も増えた。新年に入って中東情勢も尋常でない」

株安とウォン安が、同時進行してくるとまた「3度目の通貨危機がくるのでないか」と身構えるほどである。

ウォン相場は、1ドル=1150~1200ウォンという危険ラインへ接近する局面である。

これまでは、成長産業を抱えてきたが、今や、サムスンだけの「一本打法」である。

文大統領は、官民合同の新年挨拶の儀式にも出席せず、経済界とは一線を引いている感じだ。

こういう政権の下で通貨危機という「国難」が起こっても、上手く処理できるだろうかと疑問に思うのだ。

(2)「我々は1997年11月に通貨危機、2008年9月にグローバル金融危機を経験した。戦争のようだった。

しかし中南米や南欧の左派ポピュリズム国家のように破局を迎えることはなかった。

我々には危機を迎えるたびに秘蔵のカードがあった。97年の話になれば「自分が通貨危機克服の功労者」と武勇談を語る人がいるが、何といっても秘蔵のカードは健全な財政だった」

過去2回のウォン相場急落時には、応急処置をとれる手立てがあった、1997年は財政支出、2008年は日米の通貨スワップである。


今や、2つの手段は消えている。財政は急速に悪化してきた。通貨スワップの有力相手国の日米とは感情的な行き違いが起こっている。

韓国が、「よろしくお願いします」という頼み事をするには敷居が高くなった。いずれも、韓国が仕掛けた争いごとである。

(3)「2008年の秘蔵のカードは外貨準備高でなく、友邦と結んだ通貨スワップだった。

良い関係を維持した米国や日本と、韓国ウォンを渡してドルや円を持ってくる契約をした。

ようやく金融市場が安定を取り戻した。2000億ドル以上の外貨準備高よりも300億ドルの韓米通貨スワップ契約書が大きな力を発揮した。

李明博(イ・ミョンバク)政権とブッシュ政権が緊密な関係だったため可能だった。友邦とは外交的、軍事的な意味だけではないという事実を実感する瞬間でもあった」

原理主議者の文在寅氏と腹を割った話などできるはずがない。

文大統領はあと2年余の任期を残しているが、日米とも、「早く任期が来ないか」と指折り数えて、その日が来るのを待っているだろう。

「人徳」のない大統領である。

(4)「今は1997年や2008年とは違う。97年のように財政が健全でない。

2008年のような友邦もない。その間、財政を誰もが次々と使った。

大統領から郡・区長まで、国民の税金を自分のお金のように投じて恩着せがましい態度を見せた。

それではいけないことを誰よりもよく知る経済官僚は自身の安泰のためにコード合わせた。

財政を守るという以前の使命感は影も形もない。

洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は「財政が十分に対応可能な水準」という言葉ばかり繰り返している。彼はその言葉に責任を負わなければいけない」

日本の民主党政権が、日米外交を根本から壊してしまった。

普天間基地の移転も地元も納得していたにもかかわらず、ぶち壊してしまい未だに紛争の種になっている。

文政権とよく似ており、問題の後先を考えない「刹那主義」に流れている。

(5)「通貨スワップは米国とは2010年に、日本とは2015年に終わった。

もう急ぎの時にお金を貸してくれる友邦はすぐには思い浮かばない。韓米同盟は以前のようではない。

危機が訪れれば米国はただでは助けないだろう。計算深いトランプ政権は我々の弱点を突いて多くものを得ようとするに違いない。

強制徴用賠償問題で関係が遠ざかった日本に手を差し出すのは自尊心が許さない。日本はこれを機に何かを仕掛けてくるかもしれない。安倍政権なら十分に考えられることだ」

日本は、できるだけ韓国と関わらない方針を建てている。仮に韓国が通貨危機に陥っても、見て見ぬふりをするだろう。援助したならば、国民世論が黙っていないからだ。韓国は、ここまで日本を怒らせてしまったのである。

(6)「通貨危機当時の「金集め運動」のように愛国心に訴えるイベントも難しいだろう。

97年は嶺南(ヨンナム)・湖南(ホナム)の対立があったが、大きな枠で見ると軍事政権を追い出した民主政権の国民という同質感と自負心があった。

今は地域、理念、貧富、ジェンダー、世代、ソウル・地方、労使、正規職・非正規職など四方八方で分裂している。

社会のあちこちに冷笑が広がっている。青年の75%が「韓国を離れたい」(韓国女性政策研究院の昨年の調査)と話している」

韓国国内もバラバラである。文政権が労組と市民団体だけに顔を向ける政治を行なっているからだ。文政権は、国内統一もできない哀れな政権になってしまった。


日本 「ゴーン被告」逃亡費用は16億円超、1年で総資産「40%54億円減」

2020-01-11 14:04:16 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。

2020-01-11 05:35:52

日本 「ゴーン被告」逃亡費用は16億円超、1年で総資産「40%54億円減」

テーマ:ブログ
日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告の海外逃亡劇はドラマを見るような派手なものだった。
それだけに、かかった費用は16億円超と推定されているという。
日本で払った保釈保証金15億円を加えると、これだけで31億円にもなる。庶民には、夢のような話だ。



『ブルームバーグ』(1月10日付)は、「ゴーン被告に逃亡生活のツケ、資産が1年で40%減少ー脱出に16億円超」と題する記事を掲載した。



(1)「元日産自動車会長、カルロス・ゴーン被告の逃亡生活は高くつきそうだ。日本からレバノンに逃れたために保釈金15億円は没収され、年末の脱出作戦には1500万ドル(約16億円)かそれ以上がかかったとみられる。

プライベートジェット機のチャーター代金35万ドルのほか、半年がかりで作戦計画を立てた最大25人の多国籍チームへの支払いもあるだろう。民間の安全保障の専門家が匿名を条件に述べた。この専門家は作戦に加わっていない」



逃亡劇には、半年がかりで最大25人の多国籍チームが関わったという。

プライベートジェット機のチャーター代金35万ドルがかかっているので、総額1500万ドル(約16億円)の巨額費用になりそうだという。



(2)「こうした費用によって、ゴーン被告の資産は約1年前に逮捕されて以降、約40%目減りした。

ブルームバーグ・ミリオネア指数の概算によれば、資産額は現在7000万ドルと、約1年前の1億2000万ドル前後から減少している。

逮捕・起訴が続いたゴーン被告は既に、巨額の収入を失っている。日産自は昨年、同被告への退職金や株式関連報酬を取りやめ、フランスのルノーも2015年の競業禁止契約に基づく支払いはしないとしている。

同被告に対する罪状の多くは退職金に関連しており、計1億4000万ドル余りが受け取れなくなりそうだ」



ブルーバーグの予想によれば、資産額は現在約7000万ドル(約75億円)と、約1年前の1億2000万ドル前後から減少している。40%減である。

退職金も日産とルノーは支払い取り止め方針である、これだけで計1億4000万ドル余り(約151億円)が受け取れなくなりそうだ。庶民から見れば、夢のような数字だ。



(3)「さらに、仏当局はゴーン被告が豪華なパーティーやコンサルティングにルノーの資金を回した可能性で調査を開始。

被告はまた、支払われる予定だった報酬の開示を怠ったとされる問題を巡り、米証券取引委員会(SEC)に100万ドルを支払って決着させることで合意済みだ。

日産の計画について知る関係者によると、ゴーン被告に不当な資金利用があったとみる同社はそれを回収するためレバノンでの法的措置を検討している。

同社はまた、ベイルートの豪邸からの被告退去を試みている。事情に詳しい関係者によると、この物件は日産が875万ドルを支払って購入、同被告のために改装した。

日産は7日の発表文で、「当社の社内調査において判明したゴーン氏の不正行為について、同氏に対して責任を追及するという当社の基本的な方針は、今回の逃亡によって何ら影響を受けるものではありません」とした。



ゴーン被告は、米国SECへ100万ドルの罰金とレバンの日産所有の豪邸購入費875万ドルの計、975万ドル(約11億円)の支払い請求が出てくる。



(4)「当局は、ゴーン被告の資産の一部を押収しようとしているかもしれない。同被告はスイスの銀行ジュリアス・ベア・グループに口座を持つと報じられているが、スイス当局は1年前に東京地検から法的支援の要請を受けたと、同当局の報道官が述べた。
内容を検討後、昨年3月にチューリヒの検察当局に依頼を送付したという。チューリヒの検察はコメントを控えた」



日本の当局は、ゴーン被告の資産を押収に出るとも予想されている。ただ、刑事事件の判決が出ないと押収は不可能と言うが、被告と逃亡で裁判できなければどうなるのか。



(3)「ゴーン被告の資産のいずれかが押収されたかどうかは不明。

国士舘大学法学部の吉開多一教授によれば、日本の刑事事件では判決が出るまでは被告の資産を凍結したり没収したりすることはできない。

没収されていないにしても、世界で最も有名な逃亡者としての生活には恐ろしく金がかかる。ゴーン被告と一族のような大金持ちですら、無視できる額ではないだろう」



ゴーン被告は、名誉も財産も失った形だが、反撃の狼煙を上げるという。著書発行は決定済み。映画企画も売り込むという。それで、どこまで「失地回復」できるのか。まだ、だれにも分からない。



レバノンは経済地獄、預金引出し1週300ドル限度

ガルロス・ゴーン被告の逃亡先レバノンは、決して天国でないことが明らかになった。

経済的に破綻しており、銀行預金引出しは1人1週間250~300ドルに制限されている。

ゴーン被告がいくら著名人でも、この枠から逃れられないというが。そこは、まんまと、日本から逃亡してきたゴーン被告のこと、裏ルートを持っているだろう。



ゴーン被告は、レバノン政府から海外渡航禁止措置を申し渡された。

出国できないとなれば、人口700万人弱の世界に閉じ籠もいる以外に道はない。このレバンノン逃亡は、果たして成功であったか、結論は先のようだ。



レバノンは、元フランスの植民地で「中東のパリ」と呼ばれている。

だが、それは町並みだけの話だ。内情は、「腐敗・汚職」に犯された貧しい経済の国である。

そんな、「ゴミため」のようなところから、日本の司法制度を批判してもどこまで届くだろうか。



レバノンという国の経済的な位置を見ておきたい。



名目GDP 533億9400万ドル(2017年)

実質GDP 427億1900万ドル(2017年)

GDPデフレーター  124.99%(2017年)

1人当り名目GDP  9251ドル(2018年)

貿易赤字  165億6600万ドル(2018年)

経常赤字  152億3800万ドル(2018年)

政府債務残高対GDP比 151.03%(2018年:世界ワースト6位)

政治の腐敗抑制度 世界184位(2018年)



これら項目を見ただけで、「世界のゴミため」といって間違いない。

GDPデフレーターが124.99%とは、異常なインフレ状態であることを示している。

貿易赤字は名目GDPの約30%である。経常赤字は同約29%である。「貯蓄不足」表わしており、政府債務残高対GDP比は151%にも達している。



こういう経済的な混乱を受けて、政治の腐敗抑制度は世界184位である。皮肉なことを言えば、悪臭漂う場所へゴーン被告が臭いに誘われて、日本から吸い寄せられたと言える。

ゴーン被告は、ゴミための中で自らも一緒になって悪臭を放つのであろう。5カ国語を操るというゴーン被告が、人生最後の局面で醜態を演じるのだ。社会に貢献する道を考えもせず、「自分の懐第一」を実践して、ついに追われる身へ転落した。



『ロイター』(1月9日付)は、「ゴーン被告、逃亡先のレバノンでは週数百ドルの生活」と題する記事を掲載した。



日本からレバノンに逃亡した日産自動車前会長のカルロル・ゴーン被告は、高額の保釈金をいとも簡単に放棄し、多くのメディアを集めて会見を開いたことで、自身の富裕ぶりと影響力の大きさを見せつけたかもしれない。

ただ、レバノンは深刻な金融危機に陥っているため、同氏は1週間当たり数百ドル前後しか現金を手に入れられない可能性がある。



(1)「レバノンの金融経済状況は過去数十年で最悪で、外貨不足に伴って自国通貨レバノンポンドは急落し、銀行は預金引き出しを厳しく制限している。

ゴーン被告も地元テレビのインタビューで、レバノンの銀行に海外から送金するつもりかと聞かれると「たとえレバノンに送金しても、知っての通り使うことはできない。

私は全レバノン国民と同じくこの国の銀行に預金があり、週250ドルないし300ドルしか引き出せない。私が置かれた状況は全国民と同様だ」と認めた」



経常赤字のレバノンが、銀行預金引出しを週250ドルないし300ドルに制限している。

経常収支は、簡単に改善する見通しは立たず、長期にわたるだろう。今回の「ゴーン逃亡劇」でレバノンのイメージは悪化しており、外国人観光客の落とすドルで食いつなぐ同国にとってマイナスである。



(2)「同国では金融危機のために企業が解雇や減給、労働時間短縮に動いており、世界銀行は経済情勢が悪化すれば、貧困率が50%に達してもおかしくないと警告している。

こうした危機の一因は、根深い汚職や政府の放漫財政だ。レバノンの公的債務は世界最悪クラスの水準にある」



政治の腐敗抑制度は、世界184位である。汚職が蔓延していることを立証している。ゴーン被告が、身を隠すには適当な場所だ。



「日本財界、差し押さえ資産売却なら韓国支社撤収の雰囲気」

2020-01-11 13:56:03 | 日記




「日本財界、差し押さえ資産売却なら韓国支社撤収の雰囲気」


ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.12 06:44

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韓国最高裁の徴用判決の原告側が三菱重工業の欧州内の資産を差し押さえることを検討中だと、産経新聞が11日報じた。原告側弁護団が最近、名古屋で開かれた行事に出席し、こうした意思を明らかにしたという。

韓国最高裁は昨年11月、勤労挺身隊被害者5人が三菱重工業を相手に起こした損害賠償請求訴訟の上告審で1人あたり1億-1億2000万ウォン(約1000万ー1200万円)の賠償を命じる判決を確定した。原告側はすでに商標権や特許権など三菱重工業の韓国内資産に対して差し押さえを申請した。しかし韓国で損害賠償額に相当する資産を確保できない場合、欧州内資産の差し押さえまで検討するということだ。

もしこれが現実化する場合、韓日間徴用問題の戦線が両国を越えて第3国の裁判所にまで広がる結果を招く。裁判の直接の当事者である日本企業の反発もさらに強まるとみられる。

日本財界内部、特に経団連首脳部の雰囲気を知る知韓派元老は11日の電話で「これまでいかなる政治的葛藤があっても韓国企業との協力を続けてきた日本財界だったが、徴用判決など葛藤の長期化による『韓国リスク』に今回は大きく動揺している」と伝えた。

特に「今後、韓国との関係において財界首脳部が共有する3つのコンセンサス(一致した見解)がある」と述べた。その内容に関しては「差し押さえ資産の売却などが現実化して実質的な被害が発生すれば韓国支社を撤収させ、今後いかなることがあっても韓日通貨スワップを再開せず、また資金融通分野での協力を含めて両国金融機関の協力を中断すべきというものだ」と説明した。

日本財界の場合、アベノミクスなど企業寄りの経済基調を維持している安倍内閣と歩調を合わせるという傾向が強い。両国間の政治・外交的対立がそのまま財界間の葛藤につながる可能性が高い構造ということだ。

両国関係が劇的に改善する兆候も現在のところ見えない。韓国政府は「日本企業に対する資産差し押さえなど被害者が踏んでいる手続きは法的なプロセスの一部であり、政府が関与する問題でない」という立場を守っている。一方、日本政府は「請求権問題は1965年の協定ですべて解決した」という立場に変化がない。

韓国 文政権の権力私物化

2020-01-11 12:35:27 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。

2020-01-10 05:13:25

韓国、「権力私物化」文政権、検察捜査の手が大統領府に及ぶや「検察人事断行」

テーマ:ブログ

文政権は、4月の総選挙を前にして検察捜査の手が大統領府に及ぶや突然、検事総長側近を左遷する人事に出てきた。このため、最大野党である自由韓国党が、新法相を権力乱用の罪で告発する事態になった。

 

文大統領は、口では大変に立派なことを語っているが、やっていることは権力の保持だけと批判されても弁解できないほど、露骨な検察人事への介入である。韓国に定着化している「敵―味方論」に立って敵側を徹底的に追い詰めている。一方、味方を庇って事件化させないという露骨な動きがはっきりと浮かび上がった動きだ。

 

『聯合ニュース』(1月8日付)は、「検事総長側近らを一斉に交代、韓国政府が電撃人事断行」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国法務部は8日、チョ国(チョ・グク)前法務部長官の親族に関するスキャンダルや青瓦台(大統領府)による市長選介入疑惑などの捜査を指揮していた大検察庁(最高検)の幹部ら32人を13日付で交代する人事を発表した。これにより、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長の側近の多くが大検察庁を離れることになる。文在寅(ムン・ジェイン)政権の検察改革に対する意思を示す人事と言えるが、政権にとって都合が悪い捜査の妨害との批判も出そうだ」

 

どう見ても、公平な人事とは言い難い。チュ・グク前法相の捜査を指揮する最高検の幹部らを含む32人を交代させる人事は政治的目的を持つと言われても弁解できないものだ。日本であれば、捜査が一段落したところで人事交代するのが普通である。今回の場合、明らかに捜査潰しが目的であろう。

 

(2)「チョ氏の親族に関する疑惑の捜査と、同氏が青瓦台民情首席秘書官だった2017年に文在寅大統領の盟友である故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の秘書などを務めた柳在洙(ユ・ジェス)前釜山市副市長の不正をもみ消したとされる疑惑の捜査を指揮している大検察庁反腐敗・強力部の韓東勲(ハン・ドンフン)部長は釜山高検の次席検事に、青瓦台の蔚山市長選介入疑惑を捜査していた大検察庁公共捜査部の朴チャン浩(パク・チャンホ)部長検事は済州地裁の検事正に異動する。このほかに大検察庁の刑事部長や企画調整部長、科学捜査部長ら幹部が一斉に異動になり、一線から退く」

 

チョ氏の親族に関する疑惑の捜査をしている検事や、前釜山市副市長の不正をもみ消したとされる疑惑捜査の検事も交代させる。これでは、捜査に手心を加えよという圧力と同じである。検察改革目的が、「文政権保護」という印象が強まれば、国民はどのように反応するか、である。

 

『聯合ニュース』(1月9日付)は、「最高検幹部らを一方的に左遷と法相告発、韓国最大野党」と題する記事を掲載した。

 

(3)「韓国最大野党「自由韓国党」は9日、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官を職権乱用容疑で大検察庁(最高検)に告発した。同党は報道資料で、「秋長官は昨日(8日)、職権を乱用して現政権の主な関係者たちがかかわった重大犯罪を捜査している検事たちを大挙左遷させる人事を一方的に断行し、職権乱用の疑いがある」と主張した。また秋氏が人事実施の過程において、検事の任命などで検事総長の意見を聞くように定めた検察庁法に違反したと指摘した」

 

自由韓国党は、法相を最高検に「職権乱用容疑」で告発した。最高検に関わる人事異動を、最高検が捜査するという、極めて異常な事件である。これは、韓国の「民度」を表わしているようだ。世にも不思議な捜査である。文政権は、この告発を捜査する検事も左遷させるであろう。こうなれば、民主主義の否定である。

 

(4)「同党は、「秋長官が法的な手続きに反して無理に人事を強行した意図は自明だ」とし、権力を持つ人に対して捜査を行う検察を無力化し、現政権に近い人物を検察の要職に置くことで、青瓦台関係者が関与するさまざまな犯罪を隠すのが目的と指摘した。一方、秋氏は9日の国会法制司法委員会で、今回の人事を決定する前に尹検事総長に配慮し、意見を出すよう何度も要請したが聞き入れられなかったと説明している。検察庁法を引き合いに出しながら「むしろ検事総長が法の定める命に背き、攻撃してきた」との強い表現を用いながら尹氏に非があることを強調した」

 

下線をつけた部分は、確かにその疑いが濃厚である。現政権にとって不都合な事件であるから、適当に幕引きしようという意図であろう。ましてや、総選挙前である。「臭い物に蓋」は明らかである。こういう動きに国民は黙っているのか。