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韓国文政権の医療保険政策「文在寅ケア」は成功しただろうか?

2020-01-16 17:32:48 | 日記
韓国文政権の医療保険政策「文在寅ケア」は成功しただろうか?

2020年01月16日(木)15時25分

<文在寅大統領の、医療費の自己負担を減らすという公約通り、低所得者の医療費負担などはだいぶ軽減された。

しかし先進国の水準にはまだ達していない>

2018年から、文在寅政権の「健康保険の保障性強化対策」、いわゆる文在寅ケアが実施された。

この対策は、文在寅大統領(以下、文大統領)の選挙公約の一つで、国民の医療費負担を減らし、医療に対するセーフティネットを強化することを目的にしている。

文大統領は2017年8月にソウル市内の大手病院を訪問した際に、

「健康保険(韓国の公的医療保険制度)に加入するだけで、大きな心配なく治療が受けられ、

健康状態が回復できるように、健康保険の保障性(医療費総額のうち、公的医療保険によりカバーされる割合)を画期的に高める」と主張しながら、「健康保険の保障性強化対策(以下、文在寅ケア)」を発表した 。

「文在寅ケア」の主な内容は?

文在寅ケアの主な内容としては、

1)健康保険が適用されていない3大保険外診療(看病費*、選択診療費、差額ベッド代)を含めた保険外診療の段階的な保険適用、

2)脆弱階層(高齢者、女性、児童、障がい者)の自己負担軽減、低所得層の自己負担上限額の引き下げ、

3)災難的医療費支出(家計の医療費支出が年間所得の40%以上である状況)に対する支援事業の制度化及び対象者の拡大などが挙げられる。

この中でも特にポイントは、国民医療費増加の主因とも言われている保険外診療(健康保険が適用されず、診療を受けたときは、患者が全額を自己負担する診療科目)を画期的に減らすことである。


文在寅ケアにより、エステや美容整形などを除くMRI検査やロボット手術など約3,800項目の保険外診療が2022年までに段階的に保険が適用されることになる。

3大保険外診療の中で患者の負担が最も大きいのは、選択診療制である。

選択診療制とは、病院級以上の医療機関を利用する患者が、特定の資格を満たしている医師を選択し、その医師から医療サービス(診察、入院、検査、画像診断及び放射線治療、麻酔、精神療法、処置及び手術、鍼灸やカッピングセラピー)を受けた場合、診療費の15~50%を追加で負担する仕組みである。

患者やその家族にとって負担が大きく、制度の改善が継続的に要求されていたので、韓国政府は選択診療制を段階的に縮小(制限)してきたが、文在寅ケアの実施により2018年から完全に廃止された。

また、差額ベッド代の基準を変え、健康保険の適用が既存の4人部屋から、2018年下半期からは2~3人部屋まで拡大された。

さらに、重度認知症高齢者の自己負担率が既存の20~60%から10%になり、6歳未満10%であった子どもの自己負担率は2017年10月から15歳以下5%に調整された。

*看病費:韓国では家族が患者を看病する独特の医療文化が残っている。家族が仕事等で患者の看病ができない場合には看病人を雇って患者の身の回りの世話をさせる。看病にかかる費用は医療保険が適用されず、患者やその家族には大きな負担になって いる。

国政府は、今般の健康保険の保障性強化対策の実施により、2015年現在63.4%である健康保険の保障率を2022年には70%水準まで引き上げることを目標としている。健康保険の保障率(以下、保障率)とは、健康保険の被保険者が支出する医療費総額のうち、公的医療保険が負担する比率である。

韓国政府が目指している保障率70%に対して市民団体の「参与連帯」は、OECD加盟国の公的医療保険の保障率が平均81%であることと比べると、

韓国政府の目標値は適正な数値とは評価し難く、健康保険に対する国庫支援を拡大するなどの積極的な財政拡大政策を実施し、より高い保障率を提示すべきだと提言している。

但し、公的医療保険による保障率は、各国の医療制度が異なるために、直接的に比較することは難しい。

従って、国際比較のためには、国民医療費に占める公的医療費の割合を見た方がより望ましい。

OECDのHealth Data 2019によると、OECD36ヵ国の国民医療費に占める公的医療費の割合は、2017年時点では平均71%で、韓国の57%を大きく上回っている。

韓国の公的医療保険による保障率が低いことがうかがえる。



この結果を踏まえると、今後、文在寅ケアの実施などにより保障性をより強化する必要がある。

問題は財源だ。

今後高齢化率が上昇すると、国民医療費は急速に増加することになり、韓国政府の財政的な負担は現在より大きくなるだろう。

韓国の高齢化率は2018年に高齢社会の基準である14%を超えてから早いスピードで上昇し、2065年には42.5%で、同時点の日本の高齢化率38.4%を上回ると推計されている。


実際、最近韓国の医療費は速いスピードで増加している。

韓国保健社会研究院が2018年に発表した報告書によると、2005年から2015年の間の韓国の年平均医療費増加率は6.8%で、OECD平均2.1%を大きく上回り、OECD加盟国の中で最も高いことが明らかになった。


「文在寅ケア」に対する評価は?

では、実施されてから2年が経過した現在、「文在寅ケア」はどう評価されているのだろうか?

「文在寅ケア」に対する評価は「肯定的な部分」と「否定的な部分」に分かれていると言えるだろう。

「文在寅ケア」の最も評価できる部分は、保険外診療であったCTやMRI等が段階的に保険適用になることにより、国民の自己負担が減ったことである。



国民健康公団が2018年16日に発表した資料によると、保障率は2017年の62.7%から2018年には63.8%に上がっている。また、重症患者に対する保障率も81.2%で2017年に比べて1.5ポイント上昇した。

■最近4年間における韓国の公的医療保険制度の保障率の推移

保障率上昇の理由としては、選択診療が廃止され、保険外診療の一部が保険適用されたことが考えられる。

但し、全医療機関に占める民間医療機関の割合が90%を超えている現実を考慮すると、保障率が伸び続けることは難しいだろう。

一方、選択診療の廃止により、診療費の15~50%を追加で負担する選択診療費が発生せず、患者の負担が減少した。

しかしながら、選択診療費が発生しないことにより大学病院などの大型医療機関の利用がしやすくなり、有名大学病院や名医と呼ばれる医師に患者が集中する現象が起きた。

その結果、一部の名医の場合は予約してから何カ月も待たないと受診ができなくなった。

「文在寅ケア」の最大の課題は財政負担急増により財政が悪化する恐れがあることである。


保障率を上げるためには国からの財源投入は避けられないが、財源をどこから確保するのかという議論が十分ではないことは問題だろう。

最近確定した2020年の予算額は512.3兆ウォンで、2019年に比べて9.1%も増加した。

国民所得が増加しているので、国の予算も増加するのは当たり前だと主張する人もいるが、前の政権に比べると増加率がかなり大きくなっていることが分かる。

■韓国の一般会計の予算や対前年比増加率の推移

今後予想される早いスピードの高齢化や慢性疾患の増加、そして「文在寅ケア」による保障性強化政策などは、健康保険の財政状況を圧迫する要因になる可能性が高い。

保障性を高め、医療サービスの質を向上させるためには、財源の多様化による財源の確保が何よりも重要であるだろう。

また、「文在寅ケア」の実施以降、既存の保険外診療の一部検査などに保険が適用されることによりMRIなどの医療サービスに対する需要が増加している。

その結果、CT、MRIなど高度な医療機器を配置している大学病院などの大病院に患者が集中することにより、

医療スタッフの負担が過重になるのみならず、待機時間が長くなることにより、本当に高度で専門的な診療が必要な患者が適時に必要な診療が受けられない問題が発生している。

「文在寅ケア」の実施がモラルハザードによる医療サービスの需要増加に繋がらないようにするためには、外来診療によって患者の医療を担当する1次医療機関の役割を強化するなど医療機関の役割分担を迅速に推進する必要がある。



「徴用工判決は大恥になる」朴槿恵前大統領が危惧していた韓国最高裁判決

2020-01-16 17:09:34 | 日記
「徴用工判決は大恥になる」朴槿恵前大統領が危惧していた韓国最高裁判決

法廷で明かされた朴前大統領の指令とは


渡邊康弘

カテゴリ:ワールド 2019年5月14日 火曜 午前6:40


•朴前大統領が徴用工訴訟について「大恥」「国の品格を損傷」と危惧していた
•韓国での徴用工問題は、保守派=親日派による犯罪との側面もある
•文在寅政権は自縄自縛の状態か

いわゆる徴用工を巡る韓国最高裁による判決を日本政府は強く批判しているが、実は韓国のトップだった人物も、判決内容を批判し危惧していた事が分かった。

その人物こそ、朴槿恵前大統領だ。

朴前大統領「徴用工判決で国家の品格壊される」

朴前大統領は、親友を国政に深く関与させていた疑惑が深まり2017年3月に弾劾・罷免されるまで、4年にわたって韓国大統領として君臨していた。

現在は職権乱用や収賄などの罪で懲役25年の判決を受け、検察が上告。その身柄は拘置所の中にある。

朴前大統領は就任当初、「(日本と韓国の)加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わることはない」と演説し、世界各国で日本の悪口を言い募る「告げ口外交」を展開するなど、日本に対して厳しい態度を取っていた。

しかし、2015年12月には、慰安婦問題に関する「日韓合意」を実現させ、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」すると約束した。



当時の韓国はアメリカと中国の2大国の双方に接近する「バランス外交」が上手くいかず、「外交は四面楚歌」とも言われていた状況で、日韓合意はアメリカの仲介によって成立したものだった。

日本との関係では紆余曲折があった朴前大統領だが、大統領就任当時に徴用工訴訟の先行きについて強く危惧していた事が新たに分かった。



徴用工を巡る訴訟は、2018年10月30日に、韓国人元労働者に賠償金を支払うよう日本製鉄(旧・新日鉄住金)に命じる判決を韓国最高裁が言い渡して大きなニュースとなったが、この判決の元になったのは、2012年5月に韓国最高裁が言い渡した破棄・差し戻し判決だった。



2012年以前の同様の訴訟では、元労働者の訴えはいずれも棄却されていたのだが、韓国最高裁は2012年、突然日本企業が賠償を支払うべきと判断、元労働者敗訴の二審判決を破棄して高裁に差し戻したのだ。


2018年10月の最高裁判決は、基本的に2012年5月の最高裁の判断をそのまま踏襲したものであり、日韓関係を最悪と言われるまでに悪化させている徴用工問題の根っこは、2012年に出来たのだ。


朴前大統領の元側近はある裁判の法廷で、この2012年判決について朴前大統領がどう考えていたのか、当時のメモを元に詳細に証言した。

朴前大統領は2015年12月に「強制徴用事件と関連して早く政府意見を最高裁に送って、この問題が終結するようにしろ」と指示したという。

「政府意見」とは、徴用工問題についての韓国政府の立場の事であり、当時は「1965年の日韓請求権協定により解決済み」というものだった。

2012年判決はこの韓国政府の立場とは逆の「日本企業は賠償を支払え」という内容だったため「韓国政府の立場とは違う」という事を最高裁に伝えるよう指示したのだ。



その上で「大恥にならないように」「世界の中の韓国という位置と国の品格が損傷されないように賢く処理しなさい」との話も朴前大統領からあったという。

この発言について元側近は法廷で、「韓国外務省は2012年の判決が既存の政府の立場と相反すると考えてきた。

それによって日本側と外交問題が続いてきたので、判決内容が従来の政府の立場に合うようになるべきだという意味と理解した」と証言し「2012年判決が確定すれば、恥さらしであるという意味か?」と検察官に聞かれると、「そうだ」と述べた。

日本政府と同じ考えだった朴槿恵政権…文在寅政権誕生で一変

日本側からこの証言を見ると、「韓国政府から見ても韓国最高裁の判決は不当だったのだ」と読める。

日本政府は国交正常化交渉で元労働者に個別補償したいと求めていたが、それを断ったのは韓国政府だ。

そして補償金(未払い賃金や被害に対する補償)を日本から一括して貰った韓国政府が、個別補償すると約束していたのは歴史的事実だ。

「大恥」「国の品格が損傷」というのは、経済協力金という名の巨額の「補償金」を日韓請求権協定で受け取っておきながら、さらに金を要求する事が「大恥」であり、条約をないがしろにする事が韓国の国際的な信用を棄損すると朴前大統領が憂慮していたから出た言葉であろう。


しかし、韓国側からこの証言を見ると、風景が変わってくる。というのも、この証言が飛び出したのは5月13日に開かれた「朴槿恵政権の意向を受けた韓国最高裁が、徴用工訴訟の判決言い渡しを不法に先送りした事件」を裁く刑事裁判の法廷なのだ。

職権乱用の罪で起訴された被告人は、朴槿恵政権時の韓国最高裁の幹部だ。

その文脈で見れば、「やはり朴前大統領は裁判に介入していた」「前政権は酷い」という話がメインになり、2012年と2018年の徴用工訴訟の最高裁判決の不当性など、二の次になってしまう。

徴用工裁判を「保守派の犯罪」と見なす文在寅政権

徴用工問題は、日韓関係最大の懸案である。

一方韓国側から見れば、それに加えて「前政権が司法に介入した事件」との 側面もある。革新派の文在寅政権は、前政権を含めた保守派に「親日派」のレッテルを張って攻撃を繰り返しており、「徴用工問題 」=「保守派、親日派による犯罪」という構図があるのだ。

文在寅政権が日韓関係の改善を目指して徴用工問題での進展を検討しても、自らが作り出したこの構図が足かせとなり、解決策を見出しにくいという「自縄自縛」の背景もあるだろう。

歴史に「もしも」は無いのだが、朴前大統領が弾劾・罷免されなければ、徴用工問題がこれほどまでに大きな亀裂を日韓の間に生む事は、無かったかもしれない。

【執筆:FNNソウル支局長 渡邊康弘】


「親日清算」も政治ショー? 文在寅はいずれ「歴史の罪人」となる

2020-01-16 15:28:54 | 日記
「親日清算」も政治ショー? 文在寅はいずれ「歴史の罪人」となる

『李相哲』 2019/03/01

李相哲(龍谷大教授)

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、100周年を迎える3月1日の「三・一独立運動」記念日を前に開いた閣議で「親日を清算し独立運動にしっかり礼を尽くすことが、民族の精気を正しく立て直し正義のある国に進む始まりだ」と語った。

 「清算」とはきれいになくすという意味で、実は文大統領が好んで使う言葉の一つだ。

大統領就任後、文政権は「積弊(長年積もりに積もった悪しき慣行や弊害)清算」を国政運営の中心に据え、保守政権時代に権力の中枢にいた多くの実力者を拘束し、裁判にかけた。

 この「積弊清算」はいまだに続いているが、今年の「三・一独立運動」100周年に際しては「親日勢力」もきれいになくすつもりでいるようだ。

 そもそも、文大統領は2017年の大統領選挙遊説中、こう話していた。「親日清算は100年を超えてはならない」と。すなわち、2019年までには、親日清算にけりをつけるという意味だ。

 閣議で文大統領は「親日」とは、どのような勢力で、どのような部類の人を指すのかについては説明しなかったが、これまでの発言を丹念に調べてみると次のようになる。

 「(1945年に終戦を迎えたとき)清算できなかった親日勢力が独裁勢力に変身し、民主化に寄生する勢力として残った」

 すなわち、韓国が植民地統治から解放されたとき、それまで日本の植民地統治に協力した勢力で、その後権力を握った人々を指すものとみられる。

ここに名指しはしていないものの、日本の統治時代に満州国陸軍軍官学校に通い、後に日本の陸軍士官学校で学んだ元大統領の朴正熙(パク・チョンヒ)氏のような人を指しているのだろう。

ソウルの韓国大統領府で年頭記者会見する文在寅大統領=2019年1月(共同)
ソウルの韓国大統領府で年頭記者会見する文在寅大統領=2019年1月(共同)

 そして、このような人々が戦後の日本と経済的なつながりを持ち、権力や富の欲しさに日本の過去を不問にし、過去を清算しなかったと言いたいのだ。

1965年の日韓基本条約が「不完全」だとして、徴用工問題や慰安婦問題を蒸し返すのもそのような認識が背景にある。だから今年こそ、「親日」の名残をきれいになくし、決着をつけるという意味だろう。

 しかし、文大統領のこのような認識は時代錯誤的であり、日韓関係はさることながら韓国の国益にもならないのは言うまでもない。
 
そもそも、1945年に第二次世界大戦が終結した当時、政府部門や財界に残っていた世代はすでにいない。

しかも、その世代の多くは韓国を代表する民族紙『東亜日報』を創刊し、民族系企業を多く起こした金性洙(キム・ソンス)氏のような「愛国者」で、彼らは「自民族の実力向上」を目指して日本に学ぶべきものは学びながら、韓国の近代化に貢献した人たちだ。

 一方、文大統領の政治の師匠と言われる盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏は、大統領在任中に「親日反民族行為の真相糾明に関する特別法」を制定(2004年施行)したが、今なお清算されずにいるという「親日」とは、この世代の次の世代だ。

 一時期、これらの世代の「親日」派から財産を没収する動きもあったが、このように国民を分裂させる「親日清算」が韓国にとって利になるはずがない。



 また、文大統領は著書でも度々「親日」について言及している。

文大統領によれば、戦前の日本帝国主義の植民地統治に協力した勢力が終戦後反共を建前に「反共勢力」に変身、後の産業独裁勢力に変わり、ひいては金や権力を持つ既得権益者となり、今の韓国の保守勢力の中核をなす。

大ざっぱに言えば、「親日勢力=保守勢力」という図式になる。

 これらの勢力を「きれいになくす」という発想は、階級闘争論を理想とする社会主義国家にありそうな典型だ。

北朝鮮のような社会主義を標榜する国家では、人民を戦前に携わってきた職業、家柄によって敵対階級、団結すべき階級、優遇すべき階級に分け、敵対階級を清算したが、

国民を敵と味方に選別しようとする発想は、自由な民主主義国家ではあってはならないことだ。

 これまで、戦後の日本と韓国は、民主主義と市場経済という共通の価値観に寄り添って有効を育んできた。

日韓両国民は、世界中のどの国の国民同士より互いを理解し、親しんできたはずだ。

 そのような良好な関係が歴史問題で不協和音が生じた場合、それをなだめ、未来志向的な見地に立って、国民をリードするのが政府の役目のはずだ。

しかし、「三・一独立運動」100周年を迎え、文大統領から発せられるメッセージは、逆だった。

国民をみだりに煽(あお)る行為と受け止められても仕方のないものだ。

独立運動家、金九の記念館で開かれた閣議で発言する韓国の文在寅大統領(中央)=2019年2月、ソウル(韓国大統領府提供・共同)

独立運動家、金九の記念館で開かれた閣議で発言する韓国の文在寅大統領(中央)=2019年2月、ソウル(韓国大統領府提供・共同)

 戦後日本が韓国の経済繁栄に手を貸した事実は誰も否定できない。さらに日本は、冷戦体制下で韓国とともに、北朝鮮や共産主義勢力と闘った仲でもある。

このような最近の記憶は忘却し、100年前の記憶を呼び起こそうとする発想は先にも記したが、時代錯誤的としか言いようがない。

 文大統領が「三・一独立運動」記念日を大事することについて、批判するつもりはない。

しかし、日本の過去を責める手段として、「親日」の保守系勢力つぶしだけでなく、北朝鮮との連携強化や左派勢力を結集するための政治ショーとして利用するつもりであれば、文大統領は「歴史の罪人」として刻まれることになるだろう。

韓国が今こんなにも「ウォン安→資本流出」に怯えている理由 「脆弱な通貨」を抱える国の難しさ

2020-01-16 15:15:01 | 日記
韓国が今こんなにも「ウォン安→資本流出」に怯えている理由 「脆弱な通貨」を抱える国の難しさ


2020年1月9日 6時0分

現代ビジネス


韓国が今こんなにも「ウォン安→資本流出」に怯えている理由 「脆弱な通貨」を抱える国の難しさ

昨年夏よりウォン安は改善されたが…

今年年始の為替相場は1ドル1158ウォンから始まった。

これは昨年年始の1119ウォンより若干ウォン安のスタートであるが、昨年8月14日には1219ウォンまでウォン安が進んだことを考えれば、韓国政府にとっては安堵できる水準を維持している。

韓国にとってウォン高は、輸出数量や企業収益に悪影響を与えるため歓迎できないが、ウォン安も輸入物価上昇によるインフレを招くだけではなく、韓国からの資本流出を招くため望ましくない。

資本流出はさらなるウォン安を生み出す悪循環となるため、韓国としては何としても避けたい。

1ドル1100ウォン前後で安定的に為替レートが推移することが、韓国経済にとっては理想的であるといえる。

2019年に一時的にウォン安が進んだ理由は、米中貿易摩擦により世界経済の見通しが悲観的になったからである。

米中貿易摩擦の激化は世界経済の減速を招く。

そうなれば韓国経済はダメージを受けることが予想され、リスク回避のため韓国に流れ込んでいた株式や債券などへの投資資金が逆流する。

しかし秋以降、米中貿易摩擦が緩和する方向に動きだしたことなどから、ウォンが持ち直すこととなった。

1997年のアジア通貨危機の際にはウォンが暴落し、韓国はIMFから金融支援を受けることとなった。

また2008年のリーマンショック後のグローバル金融危機の際もウォンが急速に下落し、アメリカからドルの融通を受け窮地を脱した。

前回のウォン急落から今年で12年になるが、ウォンが急激に下落するリスクは払拭されておらず、国際金融市場の環境変化が悪化すれば、いつ発生してもおかしくない状況である。

ウォンが脆弱な2つの理由

韓国の通貨であるウォンが脆弱な理由は大きく2つある。

第一の理由はウォンの取引額が少ないことである。

国際決済銀行(BIS)が昨年公表した統計によると、2019年4月におけるすべての通貨取引額は1日当たりの平均で6.6兆ドル、そのうちウォン取引の割合は2.0%である。

取引割合が一番高い通貨はドルで88.3%、以下、ユーロが32.3%、円が16.8%、ポンドが12.8%、オーストラリアドルが6.8%と続き、ウォンの取引は12位である。

ちなみに、通貨取引には2種類の通貨が絡むため、1つの取引が2つの通貨で計上され、全通貨の取引割合を合計すると200%となる。

取引割合が20位までの通貨について、背景にある経済活動に比べて通貨取引額がどの程度であるかみてみよう。

まず通貨発行国・地域のGDPに対する通貨取引額の比率である。

ウォンは下から5番目の8.1%であり、この比率が10%未満の通貨は、ウォンのほかに、2.0%の元(中国)、3.9%のルピー(インド)、3.8%のレアル(ブラジル)、4.4%のルーブル(ロシア)、9.6%のリラ(トルコ)があるに過ぎない。

なお、米ドルは24.4%、円は24.9%である。


次に通貨発行国の1日当たりの貿易額(2018年のウィークデイ平均基準)に対する通貨取引額の倍数をみると、ウォンは30倍と、元(中国)の17倍よりは大きいものの下から2番目であり、米ドルの371倍、円の199倍より相当程度小さい数値となっている。

ウォンの取引額が少ない理由は、韓国域外でのウォンの取引が制限されているからであり、域外では差益決定先物為替(NDF:Non-Deliverable Forward)取引がなされているだけである。

半導体メモリーや液晶などでは世界でも大きなシェアを持つ韓国も、その通貨は韓国域内で取引されるローカルカレンシーに過ぎない。

いずれにせよ、ウォンの取引額は小さいため、資本の取引に影響を受けやすく、価値も変動しやすい。

急激な資本流出が起こり短期間のうちにウォンが大量に売られた場合、ウォンが急落することとなる。

資本が逃げ出しやすい

第二の理由は韓国の資本取引規制が緩いことである。

韓国では1990年代から資本移動規制を順次緩めてきたが、1997年の通貨危機以降は外国資本を呼び込むために一気に規制を撤廃した。

これにより外国人投資家が積極的な局面では、韓国への資本流入が増える傾向にある。

ただし、この時に流入する資本は、株式、債券、短期の銀行貸付など、いわゆる逃げ足の速い資本の流入が大部分を占める。

このような逃げ足の速い資本は、グローバル金融危機をはじめとした国際金融が不安定となる局面では、急速に韓国から流出する。

韓国にリスクがなくても、外国人投資家は手元の流動性を確保するため、資本移動規制の緩い韓国から資本を引きあげる。

ここで重要な点は、資本の流入は緩やかである反面、資本の流出は急激なことである。

韓国政府の報道によれば、1998年4月から2008年9月までの10年5カ月に2219億ドルが純流入した後、リーマンショック後のグローバル金融危機により、2008年9月から2009年1月までの4カ月間に695億ドルが純流出した。

つまり10年かけて流入した資本の3分の1が、4カ月という短期間で流出している。

このように韓国では、資本流入は比較的緩やかな一方で、資本流出は一気に起こる傾向にあり、資本流出時に急激なウォン安が発生する。

外貨準備はあるけれど

急激なウォン安に対して政府が打つ手としては為替介入がある。

中央銀行である韓国銀行が保有する外貨準備高は、2019年末現在で4088億ドルである。

中国の3兆956億ドル、日本の1兆3173億ドル、スイスの8366億ドルには及ばないが、世界で9番目の外貨保有国・地域であり(以上、2019年11月末現在)、IMFが公表している外貨準備の適正水準からしても、韓国は十分な額を保有している。

しかし十分積み増されたはずの外貨準備は急激なウォン安を食い止める決定打にはならないようである。

この理由は、外貨準備がドルの現金で持たれているわけではなく、アメリカ国債など主にドル建て債券で持たれていることである。



韓国銀行が保有する外貨資産は2018年末で、有価証券が95%を占めており、内訳は、政府債が42.9%、政府機関債が18.0%、社債が13.7%、資産流動化債が12.8%、株式が7.6%である。

ウォンが急速に下落する際には、外国為替市場で迅速な市場介入、すなわちドル売りウォン買い介入が必要であり、ドルの現金が必要となる。


しかし、大部分の外貨準備は流動性の低い資産で運用されているため、現金化するためには流通市場で売却する必要があり、迅速かつ大量にドルの現金に換えることは容易ではない。

よって市場介入によりウォン安を食い止めるだけのドルの現金を得るまでには、タイムラグが生じてしまい、その間ウォン安が急激に進んでしまう可能性がある。

国際金融市場が危機的に不安定化することは頻繁に起こることではないが、起きた場合はウォンの急落を招き、ひいては韓国経済に深刻なダメージを与える。

韓国で1997年および2008年にウォンが急落したが、再びウォンが急落する可能性はいつでもあることは認識しておく必要があるだろう。