勝又壽良のワールドビュー
好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。
韓国、「風見鶏」外交官の語学選択、日本語が3割と首位 ユン政権の親日「姿勢を反映」
2022年09月15日
- 日本経済ニュース時評韓国経済ニュース時評
韓国外交官は、今年の「第二外国語」選択で日本語が3割強を占めて1位という。
これまでは2割台であったから、その増加ぶりが目立つ。ユン政権の日本接近姿勢が、影響を与えたと見られる。
文政権時代は、あの反日姿勢のために日本通の外交官は、徹底的に窓際へ追いやられた。外務部本館でなく、別館へ追いやられて「島流し」状態にされていたのである。
そういう「反日政権」が消えて、「親日姿勢」のユン政権登場で日本語が復活する気運である。
文政権時代の外交姿勢は、すべてが「日本軽視」であった。
中国接近を旗印にして、外交部で「中国局」を独立させ、日本担当は台湾などアジア諸国と一緒の部局にする案まで検討していたほどだ。
これでは、余りにも「中国重視」が目立ち、「日本格下げ」の印象を与えるとして取り止めた経緯がある。
従来の韓国外交部での花形職場は、米国と日本への勤務であった。
だが、文政権による露骨な「排日」で、日本勤務希望者が激減したほど。
希望者を募ったところ、二次募集までゼロ。三次募集でやっと2~3名が応募したほど、不人気職場に成り下がった。
それが今、日本語研修が3割を占めるようになった。文政権の「排日」の凄さを物語っている。
『ハンギョレ新聞』(9月15日付)は、「日本語を学びたがる韓国の外交官たち、仏語が堪能でも『隠す』のはなぜ?」と題する記事を掲載した。
(1)「韓国の外交官を対象とする「第2外国語」教育課程で、日本語を選ぶ傾向が大きく増加したことが分かった。
歴史問題の解決策をめぐって日本との摩擦が続いているが、日本語を学習したいと考える外交官はむしろ増えているということだ。
「生活の質」を追求する若い外交官の選好が反映された結果という分析が出ている」
外交官は、国家の運命を担う気概を持っているはずだ。それが。
「生活の質」重視と矮小化している。
『ハンギョレ新聞』は左翼(民族主義)信奉メディアである。
文政権を熱烈に支持してきた手前、韓国外交部で日本語選択が増えたことは「不都合な事実」である。だから、外交官を、サラリーマン意識で捉えているのだ。
(2)「14日、国立外交院が開設した第2外国語の講義受講申込み状況を見たところ、今年第2外国語受講を申し込んだ外交官231人のうち、最も多い77人(33.3%)が日本語を選択した。3人に1人の割合だ。
続いて中国語(45人、19.5%)、スペイン語(39人、16.9%)、フランス語(36人、15.6%)の順だった」
日本語選択が、33.3%と3分の1である。
今後の世界情勢が、米中デカップリンの中で、日本の位置が高まるという読みがあるはずだ。「生活の質」重視ということではあるまい。
(3)「日本語の受講を申し込んだ外交官の割合は、2019年の18.9%から2020年21.9%、2021年24.8%へと着実に増えている。
文在寅(ムン・ジェイン)政権が慰安婦合意を再検討し、日本が2019年に材料・部品・装備の輸出規制で報復に乗り出した時期にも、外交官の日本語選好は続いていた。
一方、日本語と同じくらいの選好度を示していた中国語の授業は、2019年19.9%、2020年16.4%、2021年20.3%、今年は19.5%で、大きな変化がなかった」
ここでは、2019年以降のデータだけしか示していない。
それ以前のデータを掲示しないのは、文政権の「排日」を悟られたくないという配慮であろう。それ以前のデータを出せば断然、「日本語」選択であったことを明白にしていると思う。
(4)「外交部の内外では、日本語の授業の人気が高まったことについて、若い外交官の性向が反映された結果だと解釈する。
日本は特に韓国と近く、時差がないうえ、飲食・住居・医療など生活環境も良いため好む職員が多いということだ。
日本語の学習が他の第2外国語に比べて容易だという点も人気の秘訣に挙げられる。
外交部の公務員が外国勤務を志願するには、ソウル大学言語教育院で出題する第2外国語の語学試験で50点以上を取らなければならない」
日本と韓国が隣国であることは、今も昔も変わらないことだ。かつては、日本の植民地であった朝鮮が、日本への関心が高いのは当然であろう。文氏は、それを無理矢理に抑え込んで、「反日」を叫ばせたに過ぎない。
(5)「『外交言語』といわれるフランス語の受講申込みが低調なのは、西アフリカなどフランス語を使う国々の定住条件の悪さのためだという。
フランス語が堪能な人もそれを前面に出さないという雰囲気だという。
外交部関係者は「最近では公館勤務を希望する時に近い所を好む傾向が顕著」だとし「日本語に対する選好度が高まったのも、このような雰囲気のためとみられる」と話した」
英語と仏語が、国際公用語である。
仏語への研修希望が、スペイン語より低いのは、フランスの経済力による国際的な影響度が落ちている結果だろう。
何も、仏語を学べばアフリカ勤務と決まるものでもない。アフリカも、韓国の国益伸張を図るには不可欠な勤務地である。
ハンギョレ新聞は普段、恥ずかしげもなく「大義論」を打っている。
この記事では、「生活の質」重視と歪曲化して、国際情勢の変化を無視した記事にしている。日本語受講者の増加が、「不都合な事実」に映るのであろう。