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「2023年には180円と市場は予想」「悪い円安ではない」

2022-09-22 17:45:52 | 日記
「2023年には180円と市場は予想」「悪い円安ではない」

“ミスター円”榊原英資・元財務官が見る現在の円安 ポイントは“日米の金融政策の差”

記録的な円安が止まりません。

9月7日には1ドル=144円台を記録。

1998年8月以来24年ぶりの円安水準を再び更新しました。

約24年前、大蔵省(現在の財務省)の財務官として「為替介入」を指揮し、“ミスター円”と呼ばれた榊原英資・インド経済研究所理事長は「市場の予測では今年末までには160円ぐらい、来年末には180円くらいまでいくんじゃないかと言われている」と話します。

今後、円安はどこまで進むのか?

日本政府は為替介入できるのか?“ミスター円”に聞きました。

■2023年には180円台の予想も!?

“ミスター円”がみる現在の円安

ーー今の為替の変動についてどうみている?

要するに日米の金融政策の差です。アメリカが金融引き締めに入っている。

また9月にさらに金利を引き上げると言ってるのに対して、日本は金融緩和政策を続けているわけですね。

当然そういう状況はドル高円安になるという事ですから、日米の金融政策の差によって円安になってるというのが今の状況ですね。

ーー円安の進行・為替の変動は緩やかでしょうか?急激でしょうか?

その定義の問題ではありますが、結構予測よりも早いっていう感じがあります。

おそらく2022年の末ぐらいまでには、160円ぐらいまでいくだろうというのが一般的な見方ですね。

さらに同じような状況が続けば、2023年の末には180円ぐらいまでいくんじゃないかと言われてますね。

確実にそうなるかどうかはともかく、円安がかなり進行するというような状況であることは間違いないですね。

ーー今の円安は日本の経済に対してどういう影響が?

円安はあんまりプラスじゃないですよね。

かつては「円安は輸出を促進する」という意味で、プラス面もあるって言われてましたけど、ただ今はもう国際化が進んで日本の企業がみんな外国に出てますからね。

そうすると外に出てる日本の企業にとってはむしろ円高の方がプラスです。

ですから円安がプラスだっていう時代は、もうかつてのことだと言えるんでしょう。

むしろ円が強い方が日本の企業、日本経済にとってはプラスだっていうことだと思いますよ。 

■介入の可能性は「ない」 金融引き締めの可能性は・・・?

ーー日米合同介入、日本政府が単独介入の可能性は?

介入の可能性はないですね。

介入っていうのは円ドルで介入するときには、アメリカと日本が合意しなきゃいけないんですけども、アメリカが今介入に合意する可能性はほとんどありません。

ですから介入はほとんどあり得ないと思いますね。

ーー日本政府が単独でも?

介入、単独じゃできないんです。

相手が了解しなければ、円ドルで介入するわけですから向こうにも影響があるわけです。

ですから両者が合意しないと介入できないです。

ーー「介入できない」理由としてはアメリカ側の思惑があるから?

アメリカは今の状況を必ずしも悪いと思ってないですからね。

むしろドル高でインフレになっているような状況で、ドル高になるっていうのは決して悪いことじゃない。

そういう意味でアメリカは介入には合意しませんからね。

ーー官房長官の「このまま円安が続くようなら、政府としても考えなければ」という発言後にも円安が加速したことについては?

円安がどんどん進むっていうのは、日本経済にとってプラスじゃないですからね。

それに対してどういう対応策をとるかということですよね。

介入は非常にやりにくいですけども、例えばこのままインフレがある程度高めになって、それから日本経済の成長率も2%、3%というようなことで、日本経済が過熱するような状況になってくれば、金融引き締めってことがありうるわけですね。

いま金融緩和を続けてるわけですけども、2023年の末か2024年に入って、むしろ金融引き締めというような事態になる可能性はあるんじゃないかと思いますよね。

ーー差を埋めるためにもっと早く金融政策をしていくべき?

ただ黒田日銀総裁は、金融緩和政策を続けると言っている。

その理由は日本経済が景気回復の途上にあるので、それを後押しするためには、緩和政策を続けるんだと。

かなり明確に彼は言っているので、しばらくは金融緩和政策は続くと思う。

黒田さんの任期は2023年3月ですね。少なくともそれまでは確実に金融緩和政策を続けるということになると思う。

■今の円安は“理由のある円安” ポイントは「金融政策の差」

ーー"悪い円安では"という声については?

悪い円安ではないと思う。

理由のある円安ですから。

アメリカと日本の金融政策の差によって円安になっているので。

日本売りということで、円安になっている訳ではないので。

日本売りで、日本経済がおかしいということで、いろいろな投資家が日本円を売ってくることで円安になるということであれば、悪い円安ですけど。

いまの円安は、日米の金融政策の差によって起こっているので。
理由のある円安ですから、決して悪い円安だとは言えない

ーーでは"悪い円安"とは?

悪い円安とは「日本売り」ということです。

日本経済が悪くなって、日本の円を売るということが起こったとき、これは日本売りなので悪い円安。

いまはそういう状況ではない。

ーーこの状況が続いていけば1ドル160円、180円の可能性がある?

いまのマーケットの予測では、2022年の末までには160円になるといっている。

その状況がさらに続けば、2023年の末には180円ぐらいになるというのがマーケットの予測。

日米の金融政策の差がこのまま継続することが予想されている。そうなると、円安がさらに進むという予測が実現する可能性はかなり高い。

ーー160円、180円になったとしても介入の可能性はない?

おそらくアメリカは合意しないです、介入はできないですね。

ですから日本がとれる政策としては、金融政策の変更というのはありえますが、為替介入というのはない。

ーー日本ができるのは「金利を上げる」という手段だけ?

唯一というか、それが基本的な手段ですね。

日本経済が過熱してきて、インフレが加速するような状況になったときには、金融引き締めをやると。

金融を引き締めれば円高になりますから、それで今の円安が逆転して円高になることは十分に考えられる

ーー「金融引き締め」はするべき?

黒田総裁はしばらく金融緩和を続けると言っているので、それは正しいと思う。

いますぐ、引き締めるような状況ではないと思う。

ただ今後、経済が過熱してインフレ率がある程度高くなって、成長率もいままで平均1%だったのが2%、3%になって経済の過熱が具体的になったとき、金融引き締めがあり得ると思う。

2023年の末とか、2024年のはじめにはそういうことが起こる可能性は決して低くない。





【速報】政府が約24年ぶりに円買い・ドル売りの為替介入 神田財務官が表明

2022-09-22 17:40:39 | 日記
【速報】政府が約24年ぶりに円買い・ドル売りの為替介入 神田財務官が表明

9/22(木) 17:15配信

政府が急速な円安を阻止するため為替介入に踏み切りました。

 22日の午後5時15分ごろ、財務省の神田財務官が明らかにしました。

 1998年6月以来のおよそ24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入です。 

午後5時すぎには円相場は1ドル=145円80銭前後で推移していましたが、

午後5時3分頃から急速に円買いが入り、一時、1ドル=142円60銭前後まで円高にふれる場面がありました。




ウクライナ、「悲劇」プーチン戦争、ロシアの行方不明兵士を探す家族「問合せ殺到

2022-09-22 16:39:01 | 日記
ウクライナ、「悲劇」プーチン戦争、ロシアの行方不明兵士を探す家族「問合せ殺到」

2022年03月10日


  • ウクライナ経済ニュース時評ロシア経済ニュース時報

   
ロシアが、ウクライナへ戦争を仕掛けて3月10で2週間になる。ロシアは、短期で戦争を終わらせる計画だったが、大きな狂いが生じている。それだけ、ロシア軍兵士が犠牲が多いいことを物語る。

ウクライナ政府が運営するホットラインへ、ロシア軍兵士の家族が生死の問合せをしている。なんとも痛ましい話だ。戦争の悲劇を物語る一断面である。

米『CNN』(3月9日付)は、「『彼はキエフに向かうと・・・』 不明兵士を探すロシア人、電話する先はウクライナ当局」と題する記事を掲載した。

ウクライナ・キエフ(CNN)
「お騒がせして申し訳ありません。兄弟のことで電話しております」
「私の夫について何か情報はありませんか」
「もしもし、安否確認にはこちらのホットラインに電話すればよろしいでしょうか」
ウクライナ政府が運営するホットラインに寄せられた電話の音声の一部だ。


(1)「ロシアとウクライナの戦争に終わりが見えない中、父母や妻、きょうだいなどは必死の思いで愛する人を探している。

だが、電話の向こうの震える声が探しているのはウクライナ人ではなく、ロシア人兵士の情報だ。

音声記録はホットラインを運営するウクライナ当局者がCNNに独占提供した。

相談者の声ににじむ絶望と不安からは、ロシア政府が戦争に関する通信をいかに厳しく統制しているかが浮かび上がる。

ウクライナ政府は、ロシア兵に関するホットラインを開設している。

「敵兵」の生死を調べるという、ちょっと考えつかないアイデアだ。

(2)「一連の録音では、多くのロシア兵が自分たちの予定や派遣理由を知らない様子であることがうかがえる。
ロシア兵が家族との通信を禁じられているとの報道を裏付ける内容でもある。
ある妻は涙ながらに、悲痛な声で夫のことを尋ねている。
オペレーター ご主人から最後に連絡があったのはいつですか。 
発信者 国境を越えた2月23日です。
オペレーター どこへ行くか言っていましたか。
発信者 彼はキエフに向かうと言っていました。
 オペレーター 理由については何か言っていましたか。 
発信者 いえ、他には何も言っていませんでした。

インターネット上では2月24日の侵攻開始以降、ウクライナの民間人や軍人がロシア兵に自宅への電話や、両親との通話を許可する動画が出回っている」

多くのロシア兵が、自分の任地や目的も知らせられないままにウクライナへ連れてこられたケースが多い。


(3)「『生きてウクライナから戻る』と名付けられたホットラインは、ウクライナ内務省が設置した。

同省はこの取り組みについて、人道目的とプロパガンダの道具としての両面があることを認めている。

ホットラインの運営を担うクリスティナ氏(仮名)はCNNに対し、安全上の理由から身元を報じないよう求めた。

同氏は心理学者として訓練を受けた経歴を持つ。

クリスティナ氏はウクライナ首都キエフの非公開の場所から、ホットラインの目的について説明した。

「第1に、我々の目的は、だまされて行く先も理由も分からず我が国に来たロシア兵が親族を見つけるのを助けることにある。
第2は、この戦争全体を止める手助けをすることだ」

戦争の残酷さが実に良く現れている。

このホットラインは、人道目的とプロパガンダの道具としての両面があることを認めている。

ロシア国内で「反戦ムード」を高めて、早く戦争を終わらせるという目的である。


(4)「開戦当初に設置されて以降、ホットラインが鳴りやんだことはなく、2月24日以降に6000件以上の電話があったという。

電話の発信地はロシア極東のウラジオストクからウクライナ国境に近いロストフ・ナ・ドヌまで多岐にわたる。

履歴からは一部の電話がロシア国外からかけられたことも判明。

欧州全域のほか、バージニア、ニューヨーク、フロリダ各州を含む米国内からも電話があった」

下線部の6000件以上というのは、行方不明者の件数でもある。電話は、米国からも掛かっている。

これは、ロシアから問合せ電話して、後から当局に弾圧されることを恐れて友人・知人を介してのホットラインになった。

(5)「CNNは、米国から電話をかけた3人に話を聞き、実際にホットラインを利用したか、またウクライナ内務省から肉親に関する情報が得られたかを確認した。

取材に応じたバージニア州のマラットさんは、ウクライナ政府とつながりのあるテレグラムの安否確認用チャンネル上で、いとこの身分証の写真を目にしたと明かした。

このチャンネルはウクライナでの戦闘中に拘束されるか死傷したロシア人の情報に特化したもので、パスポートの写真や氏名、認識票、部隊の情報を掲載している。

マラットさんはいとこの運命について率直な認識を語った。

「彼が戦死した可能性が高いことは分かっているが、遺体が見つかるとすればどこなのか情報を探している。それにもしかしたら、彼は生きているかもしれない」と言った」

ウクライナ政府は、ロシア兵の死亡者について身分証明書を示している。

ロシア軍がひた隠ししているウクライナ軍に拘束されるか、死傷した兵士を公表して、プロパガンダに利用している。

ロシア国内での反戦運動を高めて戦争を止めさせる一助にしたい考えだ。


(6)「ロシアのウファに住む家族はマラットさんに対し、息子を探せばロシア当局に報復される恐れがあるため、ホットラインに電話してほしいと依頼した。

「ロシアでは誰もがおびえているので、家族は誰からも連絡を受けないようにしている。

法執行当局による追跡を恐れ、皆話すのを怖がっている状況だ」(マラットさん)ますます明らかになりつつあるのは、ロシアのプーチン大統領が戦争に関する国内の情報を統制していることだ。

死傷者数に関する発表はこれまで、498人が死亡したとするロシア国防省の無味乾燥な声明のみだ」

ロシアの権威主義的な政治の一端が現れている。国内情報を統制している点は、戦時中の日本と酷似している。息が詰まるような社会なのだろう。


(7)「フロリダ州でCNNの取材を受けたもう1人の相談者、マリーナさんは、自分の叔母はロシア国防省から何も情報を提供されていないと語る。

 「家族は、彼のことを探そうとしたが、誰からも回答がない」とマリーナさん。

そこで、ウクライナのホットラインに電話することに唯一の望みを託したが、現時点でいとこに関する情報は得られていない。

ホットラインを担当する当局者らによると、電話をかけてきた人の大半は、息子や夫から予備役の訓練や軍事演習に派遣されると伝えられていた。

侵攻開始直前の2月22日か23日に連絡が途絶えたケースが多いという」

プーチン戦争緒戦に、ロシア兵の犠牲者が多いことを物語る。

兵士は、事前に戦争に知識を知らされないままに戦場へ引き出された結果であろう。

(8)「キエフでホットラインの責任者を務めるクリスティナ氏は、受けた電話のことが頭から離れないと話す。

「ある父親から電話があった。彼の話では『子どもたちは消耗品、肉の盾として使われている。政治家や有力者がゲームに興じて自分たちの問題解決を図る一方で、子どもたちは死んでいく。誰かがそれで金もうけをしたいから、あるいは自身の野心を満たして世界の王になりたいからだ』と」

このウクライナ侵攻は、文字通り「プーチン戦争」である。プーチンの野心を満たすための戦争であるからだ。