日本と世界

世界の中の日本

ゴーマニズム宣言・第469回「ロシアと戦前の日本が同じだと?」

2022-09-17 18:20:41 | 日記
「小林よしのりライジング」

『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。

毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!

「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、

読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析

「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】

※「ゴーマニズム宣言」…仮にも西部邁門下を名乗る知識人たちが、臆病者の戦後民主主義サヨクと全く同じ心性によって価値相対主義に陥り、誰一人わしの『戦争論』にも追いついていなかったという事実には、唖然とするばかりだ。

「表現者クライテリオン」7月号の巻頭コラムには「今回のプーチンの決断を眼にした際に思い浮かべるべきは、〈ヒトラー〉などではなくて、むしろ、追い詰められていった先で暴発した戦前の日本だろう」などと書かれており、「戦前の日本」と「プーチン・ロシア」は同じだと主張しているのだ。

言ってることが全て間違っている!

※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…7月1日、東京都内で熱中症の疑いで301人が救急搬送された。

21人は重症だという。たった1日での数字だ。今年は、すでに昨年を上回るハイペースで救急搬送が増えている。

さらに重度の熱中症にかかると後遺症を抱えることもある。

厳しい暑さの中、未だにマスク着用を徹底している日本人は頭がおかしいとしか思えない。

コロナなんかよりもはるかに恐ろしい熱中症の実態を知れ!

※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…銭湯と、自宅の風呂やホテルに付いているような個室の風呂、どっちが好き?どっちもどっち論の主張の根底にあるのは○○では?

「引退」についてどう考えている?中共が台湾に侵攻した際にも「価値相対主義・どっちもどっち論」を唱える識者は現れるの?

藤井聡氏らは「西部イズム」を誤解しているのでは?

テレビの討論番組に出た経験は何かの糧になっている?

聴覚障害を理由に損害賠償額が減額された件をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?

【今週の目次】

1. ゴーマニズム宣言・第469回「ロシアと戦前の日本が同じだと?」
2. しゃべらせてクリ!・第396回「へむむ~っしゅ! 男の涙は武器にならんとでしゅか?の巻【前編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第263回「マスクは本気で危ない!熱中症は恐ろしい!」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記


第469回「ロシアと戦前の日本が同じだと?」

 先週予告したとおり、「戦前の日本」と「プーチン・ロシア」は同じだと主張する「表現者クライテリオン」7月号の巻頭コラムを徹底批判する。

 それにしても、仮にも西部邁門下を名乗る知識人たちが、臆病者の戦後民主主義サヨクと全く同じ心性によって価値相対主義に陥り、誰一人わしの『戦争論』にも追いついていなかったという事実には、唖然とするばかりだ。

 問題の巻頭コラムで、匿名の筆者(どう見ても編集長の藤井聡氏だろう)は、次のように述べている。

 さらに言えば、今回のプーチンの決断を眼にした際に思い浮かべるべきは、「ヒトラー」などではなくて、むしろ、追い詰められていった先で暴発した戦前の日本だろう。(中略)戦前の日本がアメリカと衝突する直接の切掛けを作ったのは、「日本の利益線・生命線」であるところの満州――ロシアにとってのウクライナ――であったことを想い出すべきである。

そんな過去を持ちながら、今回の戦争を前に、狂気の膨張主義者の所業だと他人事のように批判できてしまう日本人の感覚が私には分からない。

 えらそうに言っているが、言ってることが全て間違っている。

 プーチンが戦前の日本と同様に「追い詰められていった先で暴発した」なんてことは、断じてない!!

 確かに戦前の日本は、経済制裁によって極限まで追い詰められた末に戦争に踏み切った。

ただし、わしは決してそれを「暴発」とは言わない。

 日本は「ABCD包囲網」(A=アメリカAmerica、B=イギリスBritain、C=中国China、D=オランダDutch)と呼ばれる対日経済封鎖網によって対外資産を凍結され、さらに石油やゴム、タングステン、ボーキサイトなど、生活必需品の原料となる資源をことごとく禁輸され、徹底的に経済を締め付けられた挙げ句に開戦を決断したのだ。

 だが、ロシアが欧米から経済制裁を受けたのは「開戦後」である!

 ロシアが経済制裁で追い詰められて開戦したという事実は一切ない。

 たった4,5カ月前の出来事の前後関係も分からないのだろうか?

 戦前の日本がアメリカから受けた経済制裁の中で、致命的だったのは「石油全面禁輸」だった。

 石油のほとんどを輸入に頼る日本では、「石油の一滴は血の一滴」と言われていた。

石油備蓄量は平時で2年分、戦時で半年分しかなく、これを使い切ったら軍も産業も全てが崩壊する。日本はまさに国家存亡の崖っぷちまで追い込まれたのだ。

 それに対してロシアは、世界第3位の原油産出国である!!

 ロシアはウクライナ侵略後に強力な経済制裁を受けても、「石油輸出」をカードにして欧州に脅しをかけ続けることができて、今も石油で1日10億ドルの利益を上げている。

 これでどうして、戦前の日本と現在のロシアが同じと言えるのか?

 これだけでも、あまりの狂いっぷりに大爆笑である。

 だが、藤井氏の歴史認識の誤りはこれに留まらない。あまりに多すぎて手が付けられないほどだが、なるべく丁寧に解説していこう。

 対米開戦前、日本・東条英機内閣は戦争を回避すべく、アメリカに「甲案」「乙案」という譲歩案を提出した。

「甲案」の概要は以下のとおりで、軍の猛反対に抗して東郷茂徳外相が必死にまとめたものだった。

 1.日本と支那の間に和平が成立した際は、支那に展開している日本軍を2年以内に全面撤兵させる。
 2.支那事変が解決した際は、「仏印」(フランス領インドシナ=現・ベトナム)に駐留している日本軍も撤兵させる。
 3.通商無差別待遇(自由貿易)が全世界に適用されるなら、太平洋全地域と支那に対してもこれを認める。
 4.日独伊三国同盟への干渉は認めない。
 後の「東京裁判」において、アメリカ人弁護人・ブレークニーは「日本の真に重大な譲歩は東条内閣が作成した『甲案』であり、『甲案』において日本の譲歩は極限に達した」と言っている。

 そして東条内閣は「極限の譲歩」をした上さらに、甲案での交渉が決裂しても、日米開戦だけは防ぐための暫定協定案として「乙案」も用意していた。

その概要は以下のようなものである。

 1.蘭印(オランダ領東インド=現・インドネシア)での物資獲得が保障され、アメリカが在米日本資産の凍結を解除し、石油の対日供給を約束した際には、南部仏印から撤退する。
 2.更に、支那事変が解決した際には、仏印全土から撤退する。
 経済制裁さえ解除されれば撤退するというわけで、つまり日本の南方進出はあくまでも経済的問題のためであり、「領土的野心」はないという意思の表明だったのである。

 ところが、アメリカは「甲案」「乙案」を一顧だにせず、それまで積み重ねてきた日米交渉の経緯も全て無視した「ハル・ノート」を突き付けた。その概要は以下のとおりだ。

 1.日本軍の支那・仏印からの無条件撤兵。
 2.支那における重慶政権(蒋介石政権)以外の政府・政権の否定(日本が支援する南京国民政府=汪兆銘政権の否定)。
 3.日独伊三国同盟の死文化(独伊両国との同盟を一方的に解消)。

 つまり、日本に対して明治以降大陸に築いた権益の全てを放棄せよと迫ったわけである。

 これは、後に「東京裁判」でパール判事が、このようなものを渡されたら「モナコやルクセンブルクのような小国でも矛をとってアメリカと戦ったであろう」と評したほどのものだった。

 しかも、これを渡したら戦争になるということはアメリカの側も百も承知で、ハル国務長官は「ハル・ノート」を日本側に手交した後、スチムソン陸軍長官に、「私は日米交渉から足を洗った。

今や、この問題は貴方とノックス(海軍長官)、すなわち陸海軍の手中に落ちた」と言った。
 ハル・ノートを渡したらもう交渉はなく、あとは軍隊の仕事だと分かっていたのである。
 さて、ロシアは戦争を回避するために「甲案」「乙案」を出したか?

 アメリカはロシアを開戦に追いこむために「ハル・ノート」を突き付けたか?

 そのようなことは一切なかった。

 ロシアは一方的に軍を展開し、戦争回避のための外交交渉など何ひとつやらず、問答無用で侵略を始めたのだ。
 また、日本は米英に「宣戦布告」をして(米国への通達が遅れるという大使館のミスはあったが)戦争を行ったが、ロシアはウクライナに宣戦布告もしていないし、「特別軍事作戦」と称して未だに「戦争」であることすら認めていない。

 どこをどう探しても共通点が見つからないではないか!

 そして何よりも、この立論の根本である「日本にとって満州が『生命線』だったのと同様に、ロシアにとってもウクライナが『生命線』である」という主張が、根本的におかしいのである。 



ついに「日本がひとり勝ちするとき」がやってきた  

2022-09-17 17:32:37 | 日記
 2022/09/17 08:30

円安が1ドル=145円にタッチしそうなまでに進み、世間では「日本経済は終わった」「この世の終わりだ」といったような雰囲気になっている。

ある月刊誌などは「日本ひとり負けの真犯人は誰か」などという特集まで組んでいる。
 
日本は世界と「真逆」

180度逆だ。ついに「日本がひとり勝ちするとき」がやってきたのだ。

当然だ。説明しよう。

世界は何をいま騒いでいるか。インフレである。

インフレが大変なことになり、慌てふためいて、欧米を中心に世界中の中央銀行が政策金利を急激に引き上げている。

その結果、株価が暴落している。

世中の中央銀行の量的緩和で膨らんだ株式バブルが崩壊している。

実体経済は、この金利引き上げで急速に冷え込んでいる。

一方、インフレは収まる気配がないから、いちばん嫌なスタグフレーション(経済が停滞する中での物価高)が確実になっている。

世界経済は、「長期停滞」局面に入りつつあるのである。

一方、日本はどうか。世間が「ひとり負け」と騒ぐぐらいだから、日本だけが世界と正反対の状況になっている。

まず、世界で唯一と断言できるほど、インフレが起きていない。

企業物価は大幅に上昇しているが、それが消費者物価に反映されるまで非常に時間がかかっており、英国の年率10%、アメリカの8%とは次元が違う2%程度となっている。

英国では、一家計あたりの年間エネルギー関連の支出が100万円超の見込みとなり、文字どおりの大騒ぎとなっている。

新しく就任したリズ・トラス首相は、補助金をばらまくことによって、実質20万円以下に抑え込む政策を発表した。

だが、これによる財政支出は約25兆円にもなると言われており、これだけで「英国は財政破綻するのではないか」と言われるありさまだ。

これに比べると、日本の岸田政権のバラマキはバラマキでも低所得世帯へ各5万円程度、総額で1兆円弱であり、何の問題もなく見えてくるのである。

日本では、政策的に、電力会社が電気料金の引き上げを徐々にしかできないように規制しており、これが電気代の安定化に寄与している。

日本では2%ちょっとの物価上昇でも、一時は大騒ぎになったが、インフレーションが加速するようなことが起きにくい構造になっているのである。


このような物価が安定した経済においては、中央銀行は急いで政策金利を引き上げる必要はない。

だから、日本銀行は、世界で唯一、金融政策を現状維持して、のんびりできているのである。
 
賃金が上がらない経済のほうが望ましい理由

これに対して、大多数のエコノミストたちは、「欧米は物価も上がっているが、賃金も上がっている。

賃金が上げられる経済だから、物価が上がっても大丈夫であり、日本のように賃金が上げられない経済は最悪だ」として、日本経済を「世界最悪だ」とこき下ろしている。

間違いだ。

1973年に起きたオイルショックのときは、その後の労使交渉が友好的にまとまり、賃金引き上げを社会全体で抑制できた。

これにより経済の過熱を抑え、世界で日本だけがインフレをすばやく押さえ込み、1980年代には日本の経済が世界一となった。

これと同じで、賃金が上がらない経済のほうが、現状では望ましい。

アメリカなどはそれこそ賃金上昇を死に物狂いで政府を挙げて抑え込もうとしている。

つまり、賃金の上がらない日本経済は、現在のスタグフレーションリスクに襲われている世界経済の中では、うらやましがられる存在であり、世界でもっとも恵まれているのである。

消費者物価が上がらないのも、消費者が貧乏性であることが大きい。

そのため、少しの値上げでも拒絶反応が大きく、企業側が企業間取引価格は引き上げても、小売価格を引き上げられない。

しかし、このようなインフレが最大の問題となっている状況では、ショックアブソーバーが完備された「安定した経済、消費財市場」であり、望ましいのである。

だから、日本の中央銀行だけが金融政策を引き締めに転じる必要がなく、景気が急速に冷え込む恐れがなく、非常に安定して穏やかな景気拡大を続けており、非常にマクロ経済として良好な状態を保っているのである。

いったい、このような世界でもっとも恵まれた状況の日本経済に何の不満があるのか。

現在、日本を騒がせているのは、円安である。
これは、異常な規模と特異な手段で行っている異次元金融緩和を、普通の金融緩和にすれば、直ちに解消する。

「連続指値オペ」という、日銀が毎日10年物の国債金利を指定する利回り(上限0.25%程度)で原則無制限に買う政策は、金融市場を完全に殺すものであり、異常なので、直ちに取りやめる。

また、イールドカーブコントロールと呼ばれる「10年物の金利をゼロ程度に抑え込むことをターゲットとする」という、これまた歴史上ほとんど類を見ない政策をやめれば、異常な円安は直ちに解消する。

要は今の円安で困っているのは、日銀の単純なテクニカルな手段のミスである。

特異なことをやめ、普通に金融緩和を続けるだけで異常な円安も解消し、金融緩和も続けられるので、日本経済にはまったく問題がない、ということになる。

しかし、有識者たちは「真の日本経済の問題はもっと根深い。

いちばんの問題は、この10数年、アメリカでは高い経済成長率を実現したのに、日本は低成長に甘んじたことだ。

賃金、物価が上がらない、つまり変化が起こりにくい、ダイナミズムが不足しているのではないか」と懸念する。

「アメリカには圧倒的に差をつけられ、中国にも抜かれてしまった。日本経済からダイナミズム、イノベーション、そして経済成長が失われてしまったことが大問題なのだ」と嘆く。
 
「日本の安定性」にもっと積極的な評価を

確かにこれは、日本経済の弱点と言える。

良くはない。しかし、何事も、長所と短所がある。

日本の有識者や世間の議論の悪いところは、世界でいちばんのものを持ってきて「それに日本が劣る」と騒ぎたて、「日本はダメだ、悪い国だ」と自虐して、批判したことで満足してしまうことだ。

社会保障はスウェーデンと比較し、イノベーションはアメリカと比較し、市場規模は中国と比較する。そりゃあ、さすがに勝ちようがない。

日本経済の特徴は、流動性に欠け、変化やダイナミズムは少ないが、その一方で、抜群の安定性がある。

オイルショックでも物価高騰を抑え込み、リーマンショックでもコロナでも、失業率の上昇は、欧米に比べれば、無視できるほどだ。

21世紀になっても給料が上がっていないことを指摘されるが、その理由は3つある。

第1に1990年時点の給料がバブルで高すぎたこと、
第2に正規雇用と非正規雇用という不思議な区別があり、1990年時点の前者のグループの給料が高すぎた。

そのために、後者のグループを急増させたため、2つのグループを合わせた平均では下がることが必然であることだ。

第3に、雇用の安定性を良くも悪くも最重要視していること、である。

第1の問題は賃金が上がらないことが解決策であり、

第2の問題は日本のマクロ経済の問題ではなく、日本社会制度の問題であり、非正規雇用というものを消滅させ、すべて平等に扱うことが必要だ。

第3の問題は、日本人が、社会として歴史的に選択してきた結果である、ということである。

物価が上がりにくいことは、ある状況の下ではすばらしいことであり、その一例がオイルショックであり、今の2022年である。

そして、私の主張は、そういう状況がいずれ21世紀の世界経済を覆うことになるのではないか、ということだ。
 
「膨張しない時代」が始まる

つまり、第2次世界大戦後、世界はずっとバブルだったのである。

バブルという言葉がいやならば、膨張経済の時代だった。

その下で、1990年の冷戦終了により、金融バブルが始まった(これは誰がなんと言おうとバブルだ)。

そして、そのバブルが膨張と破裂を繰り返し、いよいよ最後の「世界量的緩和バブル」が弾けつつあったところに、今度はコロナバブルが起きた。

そして、それが今インフレにより、激しく破裂するのではなく、着実に萎み始めているのである。

そして、萎んだ後は、長期停滞、膨張しない経済、膨張しない時代が始まるのである。

この「膨張しない時代」においては、日本経済と日本社会の安定性、効率性という強みが発揮されることになるのである。

そもそもイノベーションとは何か。

すばらしい技術革新により、新しい必需品、生活になくてはならないものを作るのは、すばらしいイノベーションといえる。

だが、今世の中にあふれているのは、「新しい」必要でないものを生み出し、それを消費者に「欲しい」と思わせることである。

次々と新しい「ぜいたく品」、要は余計なものを欲しいと思わせ、売りつけ、それにより人々は「造られた欲望」を満たし、幸せになった気でいるのだ。

しかし、これらは不必要なエンターテイメント物だから、すぐに飽きる。

だから、作る側は次の「新しい」ぜいたく品を売りつけるのであり、それがやりやすい。

それを繰り返していくのが、生活必需品が満たされた後の豊満経済であり、現代なのである。

飽食により生活習慣病になるのと同じく、豊満で飽食で食傷気味になりつつあるのが現代経済なのである。

これらは、人々がすぐ飽きる、よく考えると無駄なぜいたく品、流行物であるから、まだいい。

害は無駄というだけにすぎない。

現在のイノベーションの大半、特にビジネスとして大成功しているものは、「麻薬」を生み出している企業である。

つまり、本来は不必要なものを必要だと人々に思わせ、そしてみんなで使っているうちに、なくてはならないものにしてしまっている「必需な」ぜいたく品である。

そして、その多くは、必需と思わせるために、中毒になりやすい、嗜好を刺激するものになっている。

ゲームであり、スマホであり、SNSである。

そして要は広告で儲ける。

テレビも、報道からすぐに役割はエンターテイメントに変わった。

そして広告ビジネスとなった。それがインターネット、スマホにとって変わられただけだ。

しかし、中毒性は強まっており、人間社会を思考停止に追い込み、退廃させる「麻薬度」においては、「新しい」イノベーションであるために、より強力になっている。
 
「膨張しない経済」の営みの本質とは?

しかし、この時代は終わりつつある。

なぜ、いま、インフレになっているか。

ぜいたく品と「麻薬」を作りすぎて、必需品の生産に手が回らなくなったからである。

優秀な大学を卒業し(またはしなくても)、金を稼ごうとする人々は、みなぜいたく品を作る側に回る。

ブランド企業、独占力のある企業、他にない余計なものを作る企業に就職する。

象徴的なのは、広告産業である。

いらないものを欲しいと思わせる。

それで稼ぐのである。

なぜ唯一無二のものはすべてぜいたく品か。

「麻薬」か。それは必需品であれば、必要に迫られて、多くの人が作るからである。

まず自分が必要なものは自分で作る。

そのものを作るのが得意な人は、周りの人に頼まれて余計に作る。確実にニーズはある。あるに決まっている。

必要に迫られている。それが村で評判になり、隣町で話題になる。それなら市場(いちば)で売ろうか、となる。

食料は、みなが必要である。だから作ろうとする人がたくさんいる。

必需品は確実にニーズがあり、そして、今後もほぼ永遠に必要である。

だから、作る人も多く現れる。

人間が一生懸命工夫して作れば、世界でただ一人しか作れない、というものなどない。

あってもそれはあきらめて、その次によい質のもの、良質の必需品で済ませる。

もしやる気があれば、必需品でよりよいものを作ろうとする。改善する。

現在存在する必需品の延長線上で、よりよいものを作ろうとする。

だが、
これは一見イノベーションになりにくい。それでも社会に大きく貢献する。人々を確実に幸せにする。

しかし、大半は目新しくないから、今までとほとんど同じ値段でしか売れない。

大儲けはできない。独占もできない。広告もあまりいらない。

みんな使っているし、必要としているし、よりよいかどうかは使ってみないとわからないから、使ってみて、自分で判断するわけだ。

これが「膨張しない経済」における営みである。

必需品の質が上がっていく。

基礎的な消費の質が改善する。
これが社会にとってもっとも必要であり、社会を豊かにし、社会を持続的に幸せにすることだ。

格差は生まれにくい。質の差はあるが、その差に断絶はない。社会として一体性は維持されやすい。

驚くほどの経済成長、急速な規模的拡大はない。同じものを少しずつ改良しているのだから、ゆっくり持続的に質が上がっていく。

この中で、景気が悪くなることもある。

農業中心なら、干ばつ、洪水、気候変動であり、農業以外であっても、何らかの好不調はあるだろう。

そのときに必要なのは、効率化である。

苦しいときには、みんなが困らないように、少ないコストで、少ない労働力で、少ないエネルギーで同じものを作る。これは確実に社会に役に立つ。

日本企業は、こうした点は得意だ。改善と効率化。これが日本企業の真骨頂だ。

そして、金にならない社会のためのイノベーションの代表格が、JR東日本が発行しているICカードの「Suica」である。

筆者に言わせれば、遅ればせながら、消費者の情報を「奪い取って」、消費者を利用して儲けることの可能性に気づいた。

だが当初の目的は「キセル防止」「改札の混雑防止」などだった。

社会に確実に役に立つ。みんながそれを求めていたからだ。儲けることはほとんど考えていなかった。

情報を奪うこと、独占することなど思いもよらなかったはずだ。

配達をしてくれる人々、料理を作ってくれる人々、清掃員、介護者。別に高く売れるイチゴではなく、安全で普通においしい米、小麦を作ってくれる人々。

今、社会では彼ら彼女らが不足している

日本が「持続目的経済」で「世界一」に

われわれは、必需品が作れなくなり、いらないぜいたく品が世の中に溢れ、人々は「麻薬」にお金を使っている。

だから、新型コロナウイルスや戦争などなんらかの社会的なショックによって供給不足に陥り、必需品が目に見えて高騰してはじめて、ようやく「今まで必需品をつくることに手を抜いてきた社会」になっていたことに気づくのだ。

これからは、必需品を、資源制約、人材制約、環境制約の下で、効率的に作る。地道に質を改善していく。

人々の地に足のついたニーズに基づいた改良を加えたものを作るために、改善に勤しむ。そういう、持続性のある、いや持続そのものが目的となる「持続目的ernal economy"の時代が始まりつつあるのである。その中では日本経済は、どこの経済よりも強みを発揮するだろう。
唯一の懸念は、この日本経済、日本社会の長所に気づかず、短所ばかりをあげつらい、他の国を真似て日本の長所を破壊しつつあることだ。

それが、有識者がやっていることであり、エコノミストの政策提言であり、多くのビジネススクールで教えていることなのである。
もう一度、日本経済の長所を捉えなおし、それを活かす社会、経済、社会システムを構築することを目指す必要がある。


ついに「日本が独り勝ちする時代」がやってきた なぜ円安が進んでいるのにそこまで言えるのか

2022-09-17 16:25:48 | 日記

ついに「日本が独り勝ちする時代」がやってきた なぜ円安が進んでいるのにそこまで言えるのか

  2022/09/17 08:30


© 東洋経済オンライン 外国人も押し寄せ、橋が落ちそうに見えるほど人が沢山来ていた2019年の新宿御苑。筆者が言う「日本独り勝ちる時代」とは「円安が追い風」という話ではない(写真:ブルームバーグ)
円安が1ドル=145円にタッチしそうなまでに進み、世間では「日本経済は終わった」「この世の終わりだ」といったような雰囲気になっている。ある月刊誌などは「日本ひとり負けの真犯人は誰か」などという特集まで組んでいる。

日本は世界と「真逆」
180度逆だ。ついに「日本がひとり勝ちするとき」がやってきたのだ。
当然だ。説明しよう。
世界は何をいま騒いでいるか。インフレである。インフレが大変なことになり、慌てふためいて、欧米を中心に世界中の中央銀行が政策金利を急激に引き上げている。
その結果、株価が暴落している。世中の中央銀行の量的緩和で膨らんだ株式バブルが崩壊している。実体経済は、この金利引き上げで急速に冷え込んでいる。一方、インフレは収まる気配がないから、いちばん嫌なスタグフレーション(経済が停滞する中での物価高)が確実になっている。世界経済は、「長期停滞」局面に入りつつあるのである。
一方、日本はどうか。世間が「ひとり負け」と騒ぐぐらいだから、日本だけが世界と正反対の状況になっている。
まず、世界で唯一と断言できるほど、インフレが起きていない。企業物価は大幅に上昇しているが、それが消費者物価に反映されるまで非常に時間がかかっており、英国の年率10%、アメリカの8%とは次元が違う2%程度となっている。
英国では、一家計あたりの年間エネルギー関連の支出が100万円超の見込みとなり、文字どおりの大騒ぎとなっている。新しく就任したリズ・トラス首相は、補助金をばらまくことによって、実質20万円以下に抑え込む政策を発表した。
だが、これによる財政支出は約25兆円にもなると言われており、これだけで「英国は財政破綻するのではないか」と言われるありさまだ。
これに比べると、日本の岸田政権のバラマキはバラマキでも低所得世帯へ各5万円程度、総額で1兆円弱であり、何の問題もなく見えてくるのである。
日本では、政策的に、電力会社が電気料金の引き上げを徐々にしかできないように規制しており、これが電気代の安定化に寄与している。日本では2%ちょっとの物価上昇でも、一時は大騒ぎになったが、インフレーションが加速するようなことが起きにくい構造になっているのである。
このような物価が安定した経済においては、中央銀行は急いで政策金利を引き上げる必要はない。だから、日本銀行は、世界で唯一、金融政策を現状維持して、のんびりできているのである。

賃金が上がらない経済のほうが望ましい理由
これに対して、大多数のエコノミストたちは、「欧米は物価も上がっているが、賃金も上がっている。賃金が上げられる経済だから、物価が上がっても大丈夫であり、日本のように賃金が上げられない経済は最悪だ」として、日本経済を「世界最悪だ」とこき下ろしている。
間違いだ。
1973年に起きたオイルショックのときは、その後の労使交渉が友好的にまとまり、賃金引き上げを社会全体で抑制できた。これにより経済の過熱を抑え、世界で日本だけがインフレをすばやく押さえ込み、1980年代には日本の経済が世界一となった。
これと同じで、賃金が上がらない経済のほうが、現状では望ましい。アメリカなどはそれこそ賃金上昇を死に物狂いで政府を挙げて抑え込もうとしている。つまり、賃金の上がらない日本経済は、現在のスタグフレーションリスクに襲われている世界経済の中では、うらやましがられる存在であり、世界でもっとも恵まれているのである。
消費者物価が上がらないのも、消費者が貧乏性であることが大きい。そのため、少しの値上げでも拒絶反応が大きく、企業側が企業間取引価格は引き上げても、小売価格を引き上げられない。しかし、このようなインフレが最大の問題となっている状況では、ショックアブソーバーが完備された「安定した経済、消費財市場」であり、望ましいのである。
だから、日本の中央銀行だけが金融政策を引き締めに転じる必要がなく、景気が急速に冷え込む恐れがなく、非常に安定して穏やかな景気拡大を続けており、非常にマクロ経済として良好な状態を保っているのである。
いったい、このような世界でもっとも恵まれた状況の日本経済に何の不満があるのか。
現在、日本を騒がせているのは、円安である。これは、異常な規模と特異な手段で行っている異次元金融緩和を、普通の金融緩和にすれば、直ちに解消する。
「連続指値オペ」という、日銀が毎日10年物の国債金利を指定する利回り(上限0.25%程度)で原則無制限に買う政策は、金融市場を完全に殺すものであり、異常なので、直ちに取りやめる。
また、イールドカーブコントロールと呼ばれる「10年物の金利をゼロ程度に抑え込むことをターゲットとする」という、これまた歴史上ほとんど類を見ない政策をやめれば、異常な円安は直ちに解消する。
要は今の円安で困っているのは、日銀の単純なテクニカルな手段のミスである。特異なことをやめ、普通に金融緩和を続けるだけで異常な円安も解消し、金融緩和も続けられるので、日本経済にはまったく問題がない、ということになる。
しかし、有識者たちは「真の日本経済の問題はもっと根深い。いちばんの問題は、この10数年、アメリカでは高い経済成長率を実現したのに、日本は低成長に甘んじたことだ。賃金、物価が上がらない、つまり変化が起こりにくい、ダイナミズムが不足しているのではないか」と懸念する。「アメリカには圧倒的に差をつけられ、中国にも抜かれてしまった。日本経済からダイナミズム、イノベーション、そして経済成長が失われてしまったことが大問題なのだ」と嘆く。

「日本の安定性」にもっと積極的な評価を
確かにこれは、日本経済の弱点と言える。良くはない。しかし、何事も、長所と短所がある。
日本の有識者や世間の議論の悪いところは、世界でいちばんのものを持ってきて「それに日本が劣る」と騒ぎたて、「日本はダメだ、悪い国だ」と自虐して、批判したことで満足してしまうことだ。社会保障はスウェーデンと比較し、イノベーションはアメリカと比較し、市場規模は中国と比較する。そりゃあ、さすがに勝ちようがない。
日本経済の特徴は、流動性に欠け、変化やダイナミズムは少ないが、その一方で、抜群の安定性がある。オイルショックでも物価高騰を抑え込み、リーマンショックでもコロナでも、失業率の上昇は、欧米に比べれば、無視できるほどだ。
21世紀になっても給料が上がっていないことを指摘されるが、その理由は3つある。第1に1990年時点の給料がバブルで高すぎたこと、第2に正規雇用と非正規雇用という不思議な区別があり、1990年時点の前者のグループの給料が高すぎた。そのために、後者のグループを急増させたため、2つのグループを合わせた平均では下がることが必然であることだ。第3に、雇用の安定性を良くも悪くも最重要視していること、である。
第1の問題は賃金が上がらないことが解決策であり、第2の問題は日本のマクロ経済の問題ではなく、日本社会制度の問題であり、非正規雇用というものを消滅させ、すべて平等に扱うことが必要だ。第3の問題は、日本人が、社会として歴史的に選択してきた結果である、ということである。
物価が上がりにくいことは、ある状況の下ではすばらしいことであり、その一例がオイルショックであり、今の2022年である。そして、私の主張は、そういう状況がいずれ21世紀の世界経済を覆うことになるのではないか、ということだ。

「膨張しない時代」が始まる
つまり、第2次世界大戦後、世界はずっとバブルだったのである。バブルという言葉がいやならば、膨張経済の時代だった。その下で、1990年の冷戦終了により、金融バブルが始まった(これは誰がなんと言おうとバブルだ)。
そして、そのバブルが膨張と破裂を繰り返し、いよいよ最後の「世界量的緩和バブル」が弾けつつあったところに、今度はコロナバブルが起きた。そして、それが今インフレにより、激しく破裂するのではなく、着実に萎み始めているのである。そして、萎んだ後は、長期停滞、膨張しない経済、膨張しない時代が始まるのである。
この「膨張しない時代」においては、日本経済と日本社会の安定性、効率性という強みが発揮されることになるのである。
そもそもイノベーションとは何か。すばらしい技術革新により、新しい必需品、生活になくてはならないものを作るのは、すばらしいイノベーションといえる。
だが、今世の中にあふれているのは、「新しい」必要でないものを生み出し、それを消費者に「欲しい」と思わせることである。次々と新しい「ぜいたく品」、要は余計なものを欲しいと思わせ、売りつけ、それにより人々は「造られた欲望」を満たし、幸せになった気でいるのだ。
しかし、これらは不必要なエンターテイメント物だから、すぐに飽きる。だから、作る側は次の「新しい」ぜいたく品を売りつけるのであり、それがやりやすい。それを繰り返していくのが、生活必需品が満たされた後の豊満経済であり、現代なのである。飽食により生活習慣病になるのと同じく、豊満で飽食で食傷気味になりつつあるのが現代経済なのである。
これらは、人々がすぐ飽きる、よく考えると無駄なぜいたく品、流行物であるから、まだいい。害は無駄というだけにすぎない。現在のイノベーションの大半、特にビジネスとして大成功しているものは、「麻薬」を生み出している企業である。
つまり、本来は不必要なものを必要だと人々に思わせ、そしてみんなで使っているうちに、なくてはならないものにしてしまっている「必需な」ぜいたく品である。そして、その多くは、必需と思わせるために、中毒になりやすい、嗜好を刺激するものになっている。ゲームであり、スマホであり、SNSである。
そして要は広告で儲ける。テレビも、報道からすぐに役割はエンターテイメントに変わった。そして広告ビジネスとなった。それがインターネット、スマホにとって変わられただけだ。しかし、中毒性は強まっており、人間社会を思考停止に追い込み、退廃させる「麻薬度」においては、「新しい」イノベーションであるために、より強力になっている。

「膨張しない経済」の営みの本質とは?
しかし、この時代は終わりつつある。なぜ、いま、インフレになっているか。ぜいたく品と「麻薬」を作りすぎて、必需品の生産に手が回らなくなったからである。
優秀な大学を卒業し(またはしなくても)、金を稼ごうとする人々は、みなぜいたく品を作る側に回る。ブランド企業、独占力のある企業、他にない余計なものを作る企業に就職する。象徴的なのは、広告産業である。いらないものを欲しいと思わせる。それで稼ぐのである。
なぜ唯一無二のものはすべてぜいたく品か。「麻薬」か。それは必需品であれば、必要に迫られて、多くの人が作るからである。まず自分が必要なものは自分で作る。そのものを作るのが得意な人は、周りの人に頼まれて余計に作る。確実にニーズはある。あるに決まっている。必要に迫られている。それが村で評判になり、隣町で話題になる。それなら市場(いちば)で売ろうか、となる。
食料は、みなが必要である。だから作ろうとする人がたくさんいる。必需品は確実にニーズがあり、そして、今後もほぼ永遠に必要である。だから、作る人も多く現れる。人間が一生懸命工夫して作れば、世界でただ一人しか作れない、というものなどない。あってもそれはあきらめて、その次によい質のもの、良質の必需品で済ませる。
もしやる気があれば、必需品でよりよいものを作ろうとする。改善する。現在存在する必需品の延長線上で、よりよいものを作ろうとする。だが、
これは一見イノベーションになりにくい。それでも社会に大きく貢献する。人々を確実に幸せにする。
しかし、大半は目新しくないから、今までとほとんど同じ値段でしか売れない。大儲けはできない。独占もできない。広告もあまりいらない。みんな使っているし、必要としているし、よりよいかどうかは使ってみないとわからないから、使ってみて、自分で判断するわけだ。
これが「膨張しない経済」における営みである。必需品の質が上がっていく。基礎的な消費の質が改善する。これが社会にとってもっとも必要であり、社会を豊かにし、社会を持続的に幸せにすることだ。格差は生まれにくい。質の差はあるが、その差に断絶はない。社会として一体性は維持されやすい。
驚くほどの経済成長、急速な規模的拡大はない。同じものを少しずつ改良しているのだから、ゆっくり持続的に質が上がっていく。この中で、景気が悪くなることもある。農業中心なら、干ばつ、洪水、気候変動であり、農業以外であっても、何らかの好不調はあるだろう。そのときに必要なのは、効率化である。苦しいときには、みんなが困らないように、少ないコストで、少ない労働力で、少ないエネルギーで同じものを作る。これは確実に社会に役に立つ。
日本企業は、こうした点は得意だ。改善と効率化。これが日本企業の真骨頂だ。そして、金にならない社会のためのイノベーションの代表格が、JR東日本が発行しているICカードの「Suica」である。
筆者に言わせれば、遅ればせながら、消費者の情報を「奪い取って」、消費者を利用して儲けることの可能性に気づいた。だが当初の目的は「キセル防止」「改札の混雑防止」などだった。社会に確実に役に立つ。みんながそれを求めていたからだ。儲けることはほとんど考えていなかった。情報を奪うこと、独占することなど思いもよらなかったはずだ。
配達をしてくれる人々、料理を作ってくれる人々、清掃員、介護者。別に高く売れるイチゴではなく、安全で普通においしい米、小麦を作ってくれる人々。今、社会では彼ら彼女らが不足している。

日本が「持続目的経済」で「世界一」に
われわれは、必需品が作れなくなり、いらないぜいたく品が世の中に溢れ、人々は「麻薬」にお金を使っている。だから、新型コロナウイルスや戦争などなんらかの社会的なショックによって供給不足に陥り、必需品が目に見えて高騰してはじめて、ようやく「今まで必需品をつくることに手を抜いてきた社会」になっていたことに気づくのだ。
これからは、必需品を、資源制約、人材制約、環境制約の下で、効率的に作る。地道に質を改善していく。人々の地に足のついたニーズに基づいた改良を加えたものを作るために、改善に勤しむ。そういう、持続性のある、いや持続そのものが目的となる「持続目的経済」"eternal economy"の時代が始まりつつあるのである。その中では日本経済は、どこの経済よりも強みを発揮するだろう。
唯一の懸念は、この日本経済、日本社会の長所に気づかず、短所ばかりをあげつらい、他の国を真似て日本の長所を破壊しつつあることだ。それが、有識者がやっていることであり、エコノミストの政策提言であり、多くのビジネススクールで教えていることなのである。
もう一度、日本経済の長所を捉えなおし、それを活かす社会、経済、社会システムを構築することを目指す必要がある(ここで本編は終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。



印首相、ウクライナ侵攻を公に批判 「今は戦争の時でない」

2022-09-17 11:49:23 | 日記
印首相、ウクライナ侵攻を公に批判 「今は戦争の時でない」

9/17(土) 0:14配信


インドのモディ首相は16日、ロシアのプーチン大統領と訪問先のウズベキスタン・サマルカンドで会談し、「今は戦争の時ではない」と述べ、約7カ月に及ぶウクライナ侵攻について公に批判した。

[サマルカンド(ウズベキスタン)16日 ロイター] - 

    インドのモディ首相は16日、ロシアのプーチン大統領と訪問先のウズベキスタン・サマルカンドで会談し、「今は戦争の時ではない」と述べ、約7カ月に及ぶウクライナ侵攻について公に批判した。

 プーチン大統領はモディ首相の発言に対し、口をすぼめ、モディ氏に視線を向けた後下を向いた。

そして「ウクライナ紛争に関するインドの立場や懸念は理解している」とした上で、「われわれは可能な限り早期の停戦に向け全力を尽くしている」と言明した。

ウクライナが交渉を拒否したとも述べた。

 プーチン大統領はこれまで、西側諸国と対立しているものの、中国やインドなどアジアの大国に目を向けることができるため、ロシアは孤立していないと繰り返し述べていた。

 15日に行われた中国の習近平国家主席との会談では、プーチン大統領はウクライナ情勢を巡る中国側の疑問や懸念を理解しているとし、ウクライナ戦争に対する中国の懸念に初めて言及した。


さらに、習氏の「バランスの取れた姿勢を高く評価している」と述べた。ウクライナ戦争に対する中国の懸念に言及するのは初めて。

 また、習氏は16日、当地で開かれている上海協力機構(SCO)の首脳会議で演説し、旧共産圏で発生した民主化運動「カラー革命」が外国勢力の扇動によって引き起こされることがないよう、加盟国は協力する必要があると訴えた。