あまりにもひどい弾圧で有名な「中国共産党中央」の委員会に
- 中央委員会総書記
- 中央軍事委員会主席
という2つの重要ポストがあるようです。
このほかにもいろいろありますが、とにかく
- 中国共産党 〔1921- 〕結成
- 中華人民共和国〔1949- 〕建国
なので
中国共産党が中華人民共和国を建国した
ことに留意するなら、通常の
- 「国があり、そこに政党ができた」のではなく
- 「政党があり、政党が国を作った」
これを知っておくべきかと思います。従って中国では、
中国共産党が崩壊してしまうと、中華人民共和国の存続意義がなくなる、存在価値が消えてしまう
のでした。中国共産党にとっては、
中国国民はどうでもよく、とにかく中国共産党の存続だけを考える
ことが、こうして理解できます。
そこで今回は、中国共産党にしぼり、この党の重要な役職
- 党の総書記
- 党の軍事主席
について調べてみました。他のアジア諸国と同じで中国で「軍事」が優先されることは言うまでもありません。
ただし小平以降に限り、ここでは中国人民解放軍〔1927- 〕の詳細については、触れないことにします。
まずWikipediaから図を作成してみました。
これから分ることは、次のようなことです。
- 小平〔1904-(軍事委員会主席在任 1981-1989)-1997〕は、党総書記を江沢民に譲ってからもなお、軍主席を6年も勤めました。小平が総書記辞任後に、後任の江沢民によって粛正・訴追されることがないよう軍事権を維持していたのです。小平がよっぽど江沢民を信頼していなかったか、元々そういう中国人の社会だった、ことを意味しています。
- そのあとを継いだ江沢民〔1926(軍主席在任 1989/11-2004/09)- 〕、13年もの長きにわたって党総書記を務め、それを胡錦涛に譲ってからもなお、軍主席を2年あまり手放していません。これまた内部闘争でいつ危険人物である胡錦涛から粛正されるか分らなかったため、2年間が必要だったようです。2年も経てば、人は忘れてしまい、今の総書記のほうに目がいくからですね。
- ただし胡錦涛がやめるころから、党総書記と党軍事主席を同時に手放しています。これが胡錦涛だけの問題か、それとも今の習近平の辞任時に再びかつての警戒感が復活して軍主席を維持し続けるか、に注目する必要があります。いまのところ、どうなるか分りません。
これを見る人がみると、次を暗示しています。
利権にアリのように群がることで有名な韓国では、大統領職を辞したあとの元大統領は悲惨な運命を覚悟せねばなりません。大統領権限が大きいため在職中には声を上げられない制度ゆえに、辞任後になって初めて訴えられ摘発にかかるのでしょう。これが「韓国のニセ(擬似)法治主義」というもの。
同じく、だましあいの社会である中国では、行政上の最高責任の地位である「中国共産党中央委員会総書記」を辞したあと、かつての恨みをはらそうとする勢力に粛正されないよう、しばらく元総書記は軍主席の地位を堅持し、老後になって失脚しされないよう保護しています。これが民主主義を否定する「中国の人治主義」というもの。香港騒動でもわかる通り、中国が民主的になるはずはありませんね。「一党独裁・弾圧が命」でした(笑)。
少し意味が異なるでしょうが、日本にもかつて偽りの譲位とも言うべき「院政」の制度があり、指導者の地位を退いたあとでも影響力をもっていました。
小平は、それまでのあまりにもひどい権力争いを経験しているためか、6年もの長い間、不信感を捨てきれず、軍の主席を引き継いでいたのでした。
結論
現在の中国には、言論弾圧・無法国家を維持するための、「内部崩壊の徹底的排除」のための用意周到な仕組みが用意されています。
- 中国では、「プロレタリア革命」とは何の関係もない「労働者階級(民衆)への弾圧」を続けていますから、いつ民衆による暴力革命があるかも知れません。
- そしてその場合もちろん為政者たちは、自らの弾圧を棚に上げて「テロ勃発!」と大声で叫ぶことでしょう!
「テロ」とは、独裁者にとっても、便利な言葉ですね。
しかし私は
この用意周到さが、内部崩壊を加速するだろう、と見ています。
- 用意周到とはより弾圧を強化するということですから、こういう国家が滅びないはずがありません。
- 中国の一般民衆は、身の回りの金儲けに執着するよう洗脳されていて「あの弾圧中国共産党員さえだまして金を巻き上げる」よう運命付けられていますが、一方では「中国共産党の横暴を許さない」、とも考えています。
ただし、中国共産党が崩壊し、当然の流れとして中華人民共和国が消滅したあと
- 中国共産党よりひどい政党が生まれて、みじめな国家が誕生するか。まぁ世界各国が見て見ぬふりをするはずがありませんが・・・・
- それとも中国伝統の「残虐な内戦」に陥り、アジア周辺が不穏な状態になるか。これは中国の伝統であり誰も止められませんが、諸外国は内戦後の莫大な利益を求めて、援助合戦を始めることでしょう。ロシアが旧中国共産党へ、そしてアメリカが反体制派へ、武器弾薬を提供するはずです。ちょうど日本の江戸幕府末期に、英国が攘夷派へ、フランスが幕府へ武器援助したように・・・・
しかし、今のところなんとも言えません。