米ポンペオが2018/10/07訪朝し金正恩と会談したようです。
- シンガポールでの1回目米朝会談(2018/06/12)に続いて2回目となる米朝会談の日程や場所は決まらなかったものの「できるだけ早いうちに」といういつもの玉虫色表現・・・・・・最後にならなければいいのですが(笑)
- ただし「北朝鮮はアメリカの査察を受け入れる用意がある」と言っております。
- また「東倉里のミサイルエンジン実験場とミサイル発射台を関係国の専門家の立ち会いの下で永久に廃棄することも表明した」としています。
ことの善悪は別として、私の思うところは次のようです。
1ヶ月先(2018/11/6)に中間選挙を控えた今
核・ミサイル実験場に国際査察官を受け入れる用意がある
と北朝鮮が言ったのが落としどころでしょう。中間選挙のあとどうなるかは分かりませんが。
これより先へ進むと、間違いなく北朝鮮は「それは主権にかかわることなので認められない」と言い始め、査察の意味がなくなってしまうでしょうから・・・・・・例の偽装ですね(笑)。また
東倉里のミサイルエンジン実験場とミサイル発射台を専門家の立ち会いの下で永久に廃棄する
ことでも、「それ以上は主権にかかわる」などと言い始めて実現はかなり難しく、単なるその場を繕う演技でしょうし、かりに何とか実現したとしても、それっきりになるはずで、ほかの実験場や発射場は無視されることでしょう。
またどこか別の秘密基地での実験を続行するでしょうから、中国と同様にまったく信頼できません。
小出しの条件であることにほぼ間違いがなく、抜け目なく言質を取られないようにする、それが玉虫色の表現につながります。
北朝鮮、核・ミサイル実験場に査察官受け入れの用意=米国務長官:ロイター 2018年10月8日
北朝鮮としては、「ながびかせる」のに主眼があり、後ろに中国やロシアがいることをちらつかせて、これを利用しなければいけません。
近く、中国の習近平が訪朝とか金正恩がロシアを訪問するとかの報道もありますね。
そしてこの中国・ロシアが、昔から国連の北朝鮮制裁破りをしている疑惑があるものの「両国はいつものように否定」しており、同時に両国は国連の北朝鮮制裁をゆるめるよう求めています。
核実験場に「査察官」 正恩氏、招待意向:毎日新聞2018年10月8日 01時21分
北朝鮮は「招待」「提案」が好きなんでしょうが、独裁国家の「提案」が怪しいことはいうまでもありません。そのうちにボロが出はじめること請け合いです。
うちの古代遺跡にも見られました。
キケロの頃のローマでは、票集めの為の供応や劇場招待買収が行なわれた。:P.219 大世界史2 古典古代の市民たち 文芸春秋
アラブ人の問では、主人はお客に対し、食事をいっしょにするよう何回もすすめるが、お客はこれを数回断わることがエチケットとされている。
米国にやってきたばかりのアラブ人がアメリカ人の家庭に招待された場合、そのアラブ人は空腹のまま食卓を離れることになるだろう。なぜなら、儀礼的に言ったはずの「ノーサンキュー」がアメリカ人から本当の辞退にとられることを彼は知らないからである。
反対に、アラブ人のディナーに招かれたアメリカ人はホストから執勘にすすめられて、食べたくもないのに余計に食べさせられてしまう。:P.265 サニア・ハマディ「アラブ人とは何か」明石書店
こういった風習の違いは、あっちこっちでみられます。
主に欧米同志の「なかよしキリスト教クラブ」同士ならいいのでしょうが、これが「欧米ーアジア」となると、風習が違うため、極めてやっかいです。
どちらの国でもないところでの会談ならまだいいものの、問題は、その国で催される会談の場合の食事ですね。事前に決めておかないと、とんでもないことになりがちです。
会談の事前交渉には、こういったことが含まれるのでした。
互いに相手のことを知らなければ、ひどい目にあうことでしょうね。
さてさて、皆様はどう思われますか。