グインサーガの130巻を購入しました。
ご存知の通り、作者の栗本薫さんは、昨年、ご逝去されています。
19歳の頃、学校の男子寮304号室で過ごしていた俺は、307号室の4回生のK藤さんにSFについていろいろと教えてもらいこのグインサーガを薦められました。既に、10巻くらいは既に刊行されていたのですが、もともとSF好きな俺は、あっと言う間に読み追いつき、新刊が刊行されるのを心待ちにするようになりました。そして、寮で繰り広げられる酒宴。その中で語り合うんですよね~。恋愛論、友情論、人生論、「論」と付けるには恥ずかしい限りですが、真剣さだけはみんなあったと思います。K藤さんとも、SFについて熱く語りましたっけ。
男子学生が200人ばかり集まっていた寮ですから、やることもヒョウキンで、エゲつないことも多かったです。
ケツの穴にビール瓶突っ込まれるとか、寝てる人間の5本の指にマッチを4本挟んで火を点けるとか、テニスボールにジッポのオイルを染込ませた上で火をつけ隣の部屋にいきなり投げ込むとか、先輩に梅田のマクドナルドはひと味ちがうんじゃと言われ、(マクドナルドは全国同じ味のはずじゃねーか。w)深夜、梅田のマクドナルドまで買いに行かされたりとか、全裸にされて全裸のまま3階の窓から逆さ釣りとか、飲み潰れればロープで縛られ体中に卑猥な言葉をマジックで書かれたりとか、その他、文字にすればその人間性を疑われるようなことまで、1、2回生の時は上のモノにやらされ、3、4回生の時は、下のモノにさせて(笑)、まるでそのまんま漫画「花の応援団」のような生活でした。(汗
そんな荒んだ生活の中でのオアシスのような存在が、グインサーガだったのです。(嘘)
気がつけば、28年間、新刊が出るたびに読み続けていました。
自分が入院したときにも、就職したときにも、妹が嫁いだときにも、父が死んだときにも、家を建てたときにも、そして今日PCの横にも、グインは近くなったり遠くなったりしたりしながら常に身近にいてくれたのです。
本屋で最終巻の薄さにとまどい、後書きに目を通したときに、ちょっと泣けてきてしまいました。
もう、グインもイシュトもリンダもレムスも明太子スカールも、何も語ってはくれないんですね。
栗本さんは本当に本当に亡くなってしまったんだなぁ…。合掌。