PART.1「ビオゴジ」を作ったきっかけ
今日から昨年3月に発売した「ビオゴジ ブラックバージョン」「ギドゴジ ブラックバージョン」(いずれも完売)の制作裏話を書きます。それぞれの詳細、こだわった所は2009年2月18~28日掲載の「こだわり」をご覧下さい。
■平成VSシリーズゴジラをちゃんと区別して「ビオゴジ」を!!
この時から新規造形として「ビオゴジ」と「ギドゴジ」の第一弾カラーとして両「ブラックバージョン」を発売したのですが、原型制作前に最初に考えたのはまずは「ビオゴジを作ろう」と言う所からでした。
何度かここでも書いた事があるのですが、弊社がソフビ事業をスタートさせた頃、塗装済完成品ゴジラソフビの中心は「初代ゴジラ」「キンゴジ」「モスゴジ」でした。平成ゴジラではいくつかのメーカーさんが「ビオゴジ」を作られていたものの、他の平成以降のゴジラはバンダイ以外数えるほどしかありませんでした。
その「ビオゴジ」ですら、どちらかと言うと「ビオゴジ」というよりは平成VSシリーズゴジラ全体のイメージのようで、「ビオゴジ」としての大きな特徴や個性を重視して造型されている印象はありませんでした。理由としてはレトロタイプと言う枠として作られていたからなのかもしれませんが、「ビオゴジ」とう言う名の商品でありながら「デスゴジ」のようなカラーリングのバリエーションを展開したりと、あまりVSシリーズとしての区別化を意識されているようには感じませんでした。
実際に「ゴジラは初ゴジ、キンゴジ、モスゴジ以外は売れないし、平成ゴジラなんてみんな同じだからビオゴジひとつあれば良い」と言うメーカーさんのお声を聞いていたし、ベテラン(?)のソフビコレクターさん達もそれでいいというような傾向があったように思います。特に昭和のゴジラ以外は認めないと言ったベテランファンはそう思われていたかもしれません。
私自身コレクターとして、全シリーズゴジラが大好きでしたから、ひとつひとつに区別化されたゴジラが欲しいわけです。ゴジラは昭和の作品だけを絶賛しているおじさんゴジラファンだけではないと思うし、平成ゴジラには平成ゴジラファンが老若問わずいると思うのです。
平成ゴジラ6作だって、似てはいるものの違いはちゃんとあります。区別は付けられるのです。ゴジラに詳しい方、思い入れの強い方には当然の事でも、思い入れの薄い方、ビジネスライクだけでゴジラを作られている方々にとってはどうでもいい事だったのでしょう。
ですから弊社が作るとしたら平成VSゴジラはきちんと6作共に区別がつくように造型したいと思うようになりました。「キンゴジ」の次に「デスゴジ」を作った理由のひとつでもあります。
そして昨年、その時の思いはずっとあり、そろそろ次の平成VSゴジラを作ろうと思ったのです。公開からちょうど20年、平成VSゴジラの第一弾でもあるし、他社さんでの「ビオゴジ」ソフビの発売はここ数年なかったので、「ビオゴジ」に決めたのです。