Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その173

2010年03月29日 | 制作裏話


PART.3 配色アイディアの一例

■芦ノ湖でのゴジラだけでもネタはいろいろ
 イラスト版劇場ポスターで見られるグリーンのゴジラをヒントにし、芦ノ湖でのビオランテ花獣との戦いのシーンをイメージしたカラーリングにしたのが「芦ノ湖戦バージョン」。
 商品の「こだわり」でも書きましたが、ポスターにあるように上半身部分や背びれ等を黄緑(ライムグリーン?)で塗装する案も検討はしました。イラストとして背景ありきのゴジラの姿でしたので、「カッコかわいい」ディフォルメとしての立体物にした場合はその黄緑が強調され過ぎて、ゴジラとしては違和感を感じるため、商品のようなカラーリングに決定しました。
 後で思ったのですが、背びれだけでも薄めの黄緑なら「あり」かなとも思いました。
 劇中シーンでは、花獣は黄緑(黄色?)の樹液のような液体を吐き出してゴジラに浴びせます。その時の映像としての色のバランスの印象もあるので、商品のどこかに黄緑を使用する事もアイディアとしてはあっても良いのではとも考えました。
 ボディそのものがもっとシンプルなグリーンであればそれもひとつの案として検討の余地はあったでしょう。

 またこの戦いのシーンは、夜の芦ノ湖。しかも霧でぼんやりしている演出が見られます。霧の中での戦いのゴジラは珍しいシーンです。
 実際に行かれた事のある方はよくご存知かと思いますが、この辺は天候に左右されやすく霧や靄が多く発生する地域です。付近の箱根の辺りの山道はドライブルートが多数あるのですが、日中でも霧が良く発生して視界を遮り、運転で苦労する事が多くあります。
 そのため霧が発生している表現は「わかる、わかる、ここはそうなんだよなー」と思わずにはいられません。
 商品展開として、そんな「霧の中の芦ノ湖でのゴジラ」と言うテーマにしても面白かったとも思いました。夜という事もあり、ダークグリーンを中心とした配色で霧で塗れている表現をしてツメや背びれもやや濃いめのカラーで塗装するバージョンも「あり」だなと今では思います。(もっともこの配色にすると現在では「リアルに見えるから」と言う理由で許諾されないでしょうけど……)

 いずれにしても劇中の芦ノ湖での戦いのシーンのゴジラというテーマだけでもこうしていくつかの案が生まれます。
 ほんの少し見方を変えるだけで、いろいろとイマジネーションを膨らませればもっともっと案はあるでしょう。
 ゴジラ映画というものが、それだけ創造をかき立てるだけの魅力的な素材であり存在であると思うし、それを作られた方々に改めて敬意を表わさずにはいられません。

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