PART.1 配色について
今日から昨年4月に発売した「ビオゴジ 芦ノ湖戦バージョン」(完売)の制作裏話を書きます。
商品についてこだわった所、特に彩色等の配色のコンセプトやテーマ等は2009年4月16~20日に掲載した「こだわり」をご覧下さい。
■彩色での微妙なグリーンの調合
この商品は、版元様にご理解いただくのにいつもより時間がかかった以外は、特別裏話と言うほど大袈裟なものはありませんでした。配色で若干考える事が多かったぐらいです。
「ビオゴジ」としてのシチュエーションカラーは、これが最初ですからその悩みも楽しいものです。
一番やり直したのは、やはりボディにスプレーした明るめのグリーンです。最終的な色が確定するまで時間がかかりました。
ボディに塗っている色は、いつもいくつかの色を調合して色を作って作る事が多いのですが、この時はかなりの数を作りました。成型色がビリジアングリーンですので、同じグリーン系を塗る上で、微妙な濃さの違いで印象が随分と変わるのです。
濃いめのグリーンですと全体的に色の変化が少なく、暗い感じのゴジラになるし、明るすぎるグリーンにすると軽い印象になってしまいます。
その加減が難しく、サンプルを作る際にはいつもより塗料が無駄になってしまいました。
芦ノ湖での植物怪獣であるビオランテ花獣との戦いのイメージでもあり、イラスト版ポスターのグリーンのイメージでもあるので、どちらの印象も持たれるような欲ばった配色で企画したものです。そういう意味では、グリーン以外の部分の色のチョイスも含めて、全体としての色のバランスでかなり考えて作った色となりました。
試し塗りもいつもより多く、困った時はいつもパソコンの画像ソフトで検討するのですが、微妙すぎて実際に試しで塗って見る方がこの時ばかりは早かったのです。
いつもの事ですが、そういった悩みや葛藤もある意味作る上では楽しい作業でもあるのです。
配色のテーマ的な事やイメージカラーと言う点を除いて、単純にグリーンの「ビオゴジ」……「緑のゴジラ」として見ても、新鮮な色になっていると思うのですが、今改めてご覧いただいてお求めいただいた皆様はどんな印象でしょうか。
Gメモリーズのようなコンセプトのディフォルメだからこそのグリーンのゴジラになったと思っております。