PART.5 全体の配色について
■黒成型にした事と彩色
ご覧いただいておわかりかと思いますが、成型にツヤを消している場合の多いGメモリーズのゴジラ達ですが、この「ビオゴジ」「ギドゴジ」はツヤがあります。理由は単純です。
どちらも劇中で、ゴジラの表面が塗れている、もしくは塗れているような表面に見える場合が多いからです。
商品発売後、何人かのお客様に「(ツヤありにしたこだわった)理由があるんですか?」と聞かれたのですが、これ以上の理由はありません。
後になってから川北監督に直接教えていただいたのですが、撮影中でもバトルや火薬の被弾等で破損や傷があれば修繕し、色を重ねて塗り、汚れや泥、ホコリ等を取るためにその都度全体的に水をかけていたそうなのです。だからいつも塗れているような表面に映っていたんですね。
それを聞いて、ツヤありにして良かったと思ったものです。
彩色そのものに関しては、意図やテーマ的な事は以前「こだわり」に書いたので、特に裏話としてのエピソードはありません。
本音を言えば、あえて同じ塗装にしたかったのが個人的な希望でしたが、同じ黒の成型色で、近い形の商品、しかも同時発売でしたので、どうしても区別化しなくてはならない事情がありました。版元様の許諾事情と購入される方が混乱、誤解のないようにするためです。
それでも平成ゴジラ全体のイメージとしての「ブラックバージョン」でしたから、ある程度は納得しての配色です。これはこれで良かったと思っています。
何が何でも……とは思ってはいませんが、平成以降のコジラのほとんどは真っ黒のイメージの「ブラックバージョン」にしても違和感がないと思うので、今後もし作る事になったらぜひ企画したいと思います。その時はぜひこの「ビオゴジ ブラックバージョン」「ギドゴジ ブラックバージョン」と、そしてそれ以前、以降に発売したゴジラ達の各「ブラックバージョン」と並べてみて楽しんでいただければ嬉しいです。