への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

広重美術館と中山道・大井宿①

2021年10月23日 | 宿場町

中央道恵那インターで下道に降り、岐阜県恵那市にやって来ました(2021/10/22)。

9月には坂折の棚田を見学に来ましたが、今日は、美術鑑賞と宿場町の散策です。

恵那市は岐阜県南東部にある人口5万人の小さな都市です。ところがここに、安藤広重のりっぱな美術館があるんですよ。何か、ゆかりでもあるんでしょうか?

 

中山道広重美術館

美術館は、恵那駅前通りにありました。

 

開催していたのは、開館20周年記念秋季特別企画展「浮世絵木曽街道三種揃踏」。展示は、江戸後期の歌川国定歌川国芳歌川広重が描いた木曽街道(中山道)の揃物3種。これを3回に分けて公開する、最初の展覧会です。

 

入口には、大きなポスター。

 

受付で、

   への次郎 「大人、おいくらですか?

   受付の人 「本日は、無料です

   への次郎 「えっ!

金曜日はフリーフライデーといって、入館料は無料だそうです。地元企業が支援してくれているとか、ありがたい。このコロナ禍で、りっぱな芸術文化支援活動(メセナ)です。

 

展示会場は1階です。ここからは、カメラ撮影はできません。

 

国定は似顔、国芳は武者、広重は名所を得意としました。

そこで板橋宿だったら板橋にちなんだ似顔絵、武者絵、名所絵を並べて展示していました。これが「三種揃踏」の意味です。ただ名所絵は、広重のものは少なく、渓斎英泉のものが多かったですね。

ガラス越しに10㎝の距離から、かぶりつきで浮世絵の細部まで鑑賞できました。

 

への次郎が気に入った作品は、これ。広重の「木曽海道六拾九次之内 高崎」。

男女の旅人に、ひっくり返した笠をさしだす物乞いの男。腰が低い。後ろから駆け寄る男は、物乞いの仲間なのか、お代をもらおうとしているのか、手つきがおもしろい。

 

つづいて、2階に上がってみました。すると、

すごい数の保育園児!

ここには、浮世絵がどのようにつくられるのか、説明コーナーがありました。

 

その奥は、「刷り」を体験するコーナー。

やってる、やつてる

 

保育園児が去ったあと、への次郎もやってみました。

刷り上がったのは、広重の「木曽海道六拾九次之内 洗馬」でした。

 

刷り体験コーナーの奥は、

右奥に、1階の展示の続きがありました。

 

今回の展示作品は、全98作品。

浮世絵を鑑賞したり、刷りを体験したり、1時間半の滞在でした。

 

小腹がすいてきたぞ

                                つづく

 

 


たび先ランチ 食彩こうせん

2021年10月19日 | ランチ

美濃市の古い町並みを散策に行った日、お隣の刃物の町関市で、まず腹ごしらえ。行ったのは、和食の食彩こうせんです。

事前に調べて行きましたが、場所が分からず。通り過ぎて、戻ってきて発見。

全体が板で囲われている。これじゃ、見つけにくい

入口に、小さい地味な看板が一つ。

 

お店の中に入ると、

座敷席は、個室とオープン席が半々。

 

カウンター席に、メニュー。本日のランチは4種類。

   店員さん 「何になさいますか?

   への次郎 「お膳ランチ1つ、カレイ姿唐揚ランチ1つ

注文後、しばらく店内をキョロキョロ。観察していたら、出てきました。

 

ヘの次郎のカレイ姿唐揚ランチ。限定だそうです。

前に、で~んとカレイ。頭・ヒレ・骨の唐揚げの上に、身の唐揚げとシシトウ。

食べてみると、

身はふわっふわっ、頭や骨はカリッカリッ

後ろは左から、茶碗蒸し、水菜と人参のごまあえ、漬物、ごま豆腐、紋甲イカの刺身。

 

つづいて、奥さんのお膳ランチ、出てきました。こちらは定番だそうです。

まん中に鯛と野菜のみぞれ煮、右上は鯛とマグロの刺身、左隣りは、シイタケ・大根・軟骨入りのつくねの煮物。残りの茶碗蒸し、ごまあえ、ごま豆腐、漬物は、への次郎と同じ。

 

最後はデザートです。

シロップのゼリーの上に、キウイ、洋ナシ、ミントがのっていました。

 

どのお料理も季節の食材を使い、丁寧につくられており、美味しくいただきました。

 

お会計は税込みで、ヘの次郎が1485円、奥さんが1375円。

会計を済ませ店内を見回すと、いつの間にか、ご婦人で半分以上の席がうまっていました。

ランチにしては高いのに、人気だ

 

満腹、満腹

大きく膨らんだお腹をひと撫でし、気持ちよくうだつの上がる町並みをめざしました。

 

 

 

 

 

 

 

 


うだつの上がる町並み 美濃市②

2021年10月17日 | 散策

美濃市の古い町並みを散策していて、あることに気づきました。

家々の前に、和紙で作ったオブジェがアクリルケースに入れて置いてあったのです。

聞いてみると、美濃和紙を使ったあかりのオブジェを全国から公募し、古い町並みに点灯展示して審査するんだそうです。行ったとき、ちょうどこのあかりアート展をやっていたんですね。

過去の作品は、美濃和紙あかりアート館に展示されているそうです。で、行ってみました。

 

美濃和紙あかりアート館

これ、昭和初期の木造の建物だそうですよ。

 

展示会場は2階でした。階段のところに来ると、階段に沿って展示が、

 

2階の部屋に入ると、

わっ、きれい!

 

丁寧に見ていくと、

展示は、まだまだ続きました。

 

展示の途中で、夜の点灯展示の写真がありました。

こんな風景になるんだぁ

 

残念。遠方から来ているので、夜の町並みでの点灯展示は見ることができませんでした。

このあと急いで、美濃に繁栄をもたらした長良川沿いの上有知湊(こうずちみなと)跡に行くことにしました。

 

上有知湊の跡

上有知湊は、古い町並みの北側にありました。車で7、8分の距離です。

 

向こうが長良川の上流。赤い橋は、国の重文・美濃橋です。

湊の跡は、このあたりのような

 

というのは、右の堤防の上に、

高さ9メートルの川湊灯台と、船の安全を祈願した住吉神社があったからです。

 

で、この灯台を見上げていたら、突然、

あっ! ここ、浅見光彦のロケ現場だ!

思い出しました、水谷豊主演の「浅見光彦ミステリー4美濃路殺人事件」です。

 

このドラマ、冒頭場面の撮影アングルが、

これ、これ!

吊り橋の向こうに見えるのは、浅見光彦が泊まった旅館緑風荘です。

 

今日の散策、野口五郎さんに始まり、水谷豊さんで終わる展開になりました。

 


うだつの上がる町並み 美濃市①

2021年10月16日 | 散策

東海北陸道美濃インターで下道に降りました(2021/10/15)。

ここは岐阜県美濃市、歌手野口五郎さんの出身地です。

 

旧名鉄美濃駅

プロ歌手をめざした野口少年は、お母さんとともに、この名鉄美濃駅から上京。中学2年生のときです。

その後、野口さんはスター歌手に。しかし野口さんが乗った線路は、廃止されました。

 

電車の近くに、野口五郎50周年記念碑がありました。碑に刻まれていた文字は、

   改札口で君のこと いつも待ったものでした

   電車の中から降りて来る 君を見るのが好きでした ~

 

ヒット曲、「私鉄沿線」の歌詞でした。

碑の近くには現在、駅舎とホームと電車だけが残っています。

 

 

古い町並み

旧名鉄美濃駅から、古い町並みが残っている地区に移動しました。名鉄美濃駅の北側です。ここの町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。

    (うだつの上がる町並み散策マップ より)

 

江戸時代、ここは長良川の川湊上有知湊(こうずちみなと)の水運で発展し、商家町が形成されました。また長良川流域で良質な美濃和紙が生産されたため、和紙を扱う豪商の多くがここに軒を並べました。その代表が今井家です。

今井家の近くに来ると、通りの左右の建物の屋根に、うだつが上がっていました。

うだつは、隣家からの延焼を防ぐためにつくられた防火設備ですが、次第に富の象徴として競って豪華なうだつが上げられるようになりました。

 

今井家です。

ここのうだつも、立派だ

 

入ってみると、奥の庭に水琴窟がありました。

ひしゃくで水をすくって、小石のところに垂らすと、涼しげないい音。ここの水琴窟、「日本の音風景100選」に選ばれているそうですよ。

 

表にもどって、建物内部を見学。

表まで、遠いなぁ。奥行きがある

 

つづいて、ここで唯一の国の重要文化財になっている建物に行きました。その途中、こんなうだつ。よく見ると

左のうだつ、ちと前に出ている。右のうだつ、ちと高い。争っているなぁ

 

国の重文になっている小坂家住宅です。

ここのうだつ、少し丸くなっている。優美!

 

百春」と書かれた暖簾。小坂酒造場でした。ちょっと奥まで見学させてもらって、

 

帰り際に、お酒を購入。冷蔵庫を指さして、

   への次郎 「純米吟醸 無濾過生原酒 カラフルフルーティは、これ?

   女将   「いゃ、隣です

 

と聞いて、買ったのが、これ。

家に帰って、瓶の裏を見たら、「日本酒 純米酒 要冷蔵」と書いてありました。

女将!  飲みたいのは、これじゃないんだよ

こんな間違い、人生で初めてでした。

                                つづく

 


秋の市之倉 幸兵衛窯 

2021年10月12日 | 散策

陶の里・市之倉にやって来ました(2021/10/9)。

ここは岐阜県多治見市にある美濃焼の里です。

毎年、秋のこの時期、「陶の里フェスティバルin市之倉」が開催されます。ここにある窯元が、一般に公開され、焼き物がお祭り価格で販売されますが、今年も中止に。

ただ、中心的な窯元幸兵衛窯(こうべいがま)は、独自に「秋のいろどり市」をやっていると聞き、やって来ました。

幸兵衛窯は、1804年に加藤幸兵衛によって開かれた、市之倉で最も歴史のある窯元です。古代ペルシア陶器のラスター彩を復元した第六代加藤卓男さんは、人間国宝に認定されています。

 

幸兵衛窯近くの駐車場に車を止めて、歩いて近づくと、

皆さんお急ぎです

 

後をついて行くと、入口です。

蔵の白壁、からまったツタ、絵になるなぁ

 

上り坂を行くと、上に蔵風の建物。工芸館です。

ここでは、第七代加藤幸兵衛さんの作品展をやっていました。

 

工芸館の隣りは、古陶磁資料館です。

 趣があるねぇ

 

資料館の裏の穴窯で、窯焚きをしていると聞きました。行ってみると、

炎が見える。あそこだ

右の建物の中では、お抹茶が提供されていました。

 

その近くに、モミジの木とレンガ煙突

煙突は、今でも使われているのかなぁ

と、ぶつぶつ言いながら表に出てみると、

隣りで蔵出し市をやっていました。

ちょっとのぞくと、

さすが、色合いが、他の窯元とは違う

 

古陶磁資料館の向かいは、本館です。

入ると、ロビーで第七代幸兵衛さんが談笑中でした。ここには、小さなギャラリーが。

そちらに行ってみると、

ここでも作品を展示販売。何人もの客が社員と商談をしていました。

 

久しぶりの幸兵衛窯。オープン直後でしたから、ゆっくり散策・鑑賞ができました。

少しずつ代替わりの準備を進めているのでしょうか、作られている焼き物に少し変化が出ているようです。一通り見て回っての感想でした。

 

さて、さかずき美術館にでも、行くか

幸兵衛窯から下りていくと、美術館の駐車場脇で、果物や野菜などが売られていました。

駐車場の車を見たら、関西や関東方面のナンバーも。

 

その向かいにさかずき美術館。ここの特産・さかずきに特化した美術館です。めずらしい。

 オレンジ色のオブジェの向こうに、白壁のさかずき美術館。

 

ちょっと中をのぞいたあと、ベンチに腰掛け、ひと時、のんびり。

空の雲、秋だなぁ

いい作品、いい風景を見た、秋の一日でした。