への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

加藤孝造さん追悼展に行きました

2023年05月28日 | 鑑賞

先月のことです。 NHK地元局のニュース番組をつけていたら、

奥さん  孝造さん、亡くなったって。 ほら、人間国宝の」 

への次郎 「えっ!!…

 

現代美濃陶芸界の重鎮でした。 80歳を超えても作陶に向かう姿が時々、報じられていましたが…。

 

への次郎が加藤さんの作品を初めて見たのは、ずいぶん前のこと。 どこかの陶芸展だったと思います。 作家たちの作品を次々と見ていて、思わず立ち止まり、しばらく見入っていた作品がありました。加藤さん作品です。豪快なド迫力の志野茶わん、すさまじい存在感を放っていて、素人目にもわかる違いでした。

 

帰って調べたら、加藤さんは当時、岐阜県無形文化財保持者。 「長生きをされたら、もしかしたら…」と思ったのを記憶しています。 それからしばらく経った2010年、重要無形文化財保持者人間国宝)に認定されました。

 

亡くなってひと月、加藤さんの追悼展が始まったので行って来ました。

 

やって来たのは、岐阜県多治見市とうしん美濃陶芸美術館

ここは、年金生活者にやさしいからなぁ

 

入口はここ。チケット販売所はありません、無料ですから。

 

久しぶりの2回目。展示会場を探し、

ここから入って、右回りに進むと、

 

奥さん  「仙太郎窯の作品だよ??

への次郎 「じゃ、向こうの方かな

入口近くには、多治見の代表的な窯元の作品や、企業の商品が展示されていました。

 

円形回廊式の展示会場を進んで行くと、ありました。

ここからが、加藤さんの作品でした。

 

奥さん  「いきなり、瀬戸黒だよ

への次郎 「これだね、人間国宝になったのは

瀬戸黒は、火が燃え盛る窯の中で、釉薬が溶け出した瞬間を見極め、一気に引き出して水に浸け急冷することで、漆黒と独特の艶を出すそうです。ただタイミングが難しいようです。

上から下から、左から右から、丹念に鑑賞しました。

 

つぎにあったのは、志野茶わんです。

初めて見た、ごつごつとした志野ではなく、上品な志野でした。

 

こんなのもありましたよ。

唐津茶わんです。他に黄瀬戸茶わんもありました。茶わんの他には、

 

志野水指や、

灰釉花入志野花入などもありました。

 

今回は、美術館所蔵の作品の中から、15点が紹介されていました。最後の方に来ると、

 

奥さん  「いいものがあるよ

への次郎 「こんなの使って、呑みたいねぇ

 

一番最後は、志野湯呑でした。

奥さん  「ほら、見て! 去年の作品だよ

への次郎 「文字もしっかりしてるね

 

 

この日、来ていたのは我々のみ。たっぷり時間をかけ、加藤さんの15作品を鑑賞しました。

出口(入口)に来ると、

 

奥さん  「えっ! この陶壁、加藤さん作だって

への次郎 「ほんとだ。入るときは、気づかなかったなぁ

右半分が織部、左半分が黄瀬戸。黄瀬戸は、下半分は艶があって、上半分は艶消しになっていました。題は「」、2015年の作。

 

二人でしばらく鑑賞したあと、陶壁に手を合わせ、ここを後にしました。

謹んでお悔やみ申し上げます。

                                           


信州伊那谷は初夏でした

2023年05月26日 | 遠出

高遠で伊那の二大B級グルメを味わったあと、ついでに食堂の近くを散策しました。

 

食堂から東に少し行くと満光寺という古寺がありました。山門をくぐると、

鐘楼門だ。立派だね

 

鐘楼門の奥の右手に、松が植わっていました。

この古松は樹齢500年、武田信玄の命によって高遠城内からここに移された黒松です。

への次郎 「『極楽の松』といって、一目見ると必ず極楽往生できるって

奥さん  「えっ!? ほんと! 来た甲斐があったわ

 

二人で松に手を合わせ、「ご城下通り」に出てきました。

 

駐車場に向かって通りを進むと、

奥さん  「『亀まん』??   まんじゅう屋さんかな

への次郎 「ここ、有名らしいよ

 

亀まんの店内に入り、ケースの中をのぞいて、

一番人気の「亀まん頭」と、デビュー直後という「黒亀まん頭」を二つずつ買いました。

 

まん頭を土産に、このあと高遠を離れ、伊那市の中心部に向かいました。

来た道とルートを変え、一本南の「ナイスロード」を走っていたら、初夏の農村風景が前方に広がってきました。

 

ちょっと車を止め、土手の草むらに腰を下ろし、中央アルプスをながめていたら、

への次郎 あっ、始まったよ! 田植え

奥さん  「ほんとだ! 実際に見るのは数十年ぶりだわ

泥臭い田んぼのにおいをかぎながら、二人でしばらく、おじさんの活躍姿を見ていました。

 

再び走り始めたら、今度は麦畑です。

下車して麦の穂先を見たら、びっしりと実っていました。

もう少ししたら、麦秋だなぁ

 

伊那の市街地に戻って来ました。小さな酒蔵の前でストップ。ここは信濃錦です。

への次郎、ここのお酒、気に入っています。

 

お店に入ると、ずらっとお酒が並んでいました。じっくりながめて、

純米吟醸維者舎(いじゃや)と純米火入艶三郎(つやさぶろう)の一升瓶を選択。

買えたなぁ

 

これで心残りはありません。気持ちよく権兵衛トンネルに向けて車を走らせていたら、

奥さん  「ストップ! ストップ!!

への次郎 「何々!? なんなの??

 

急停車して見たら、道路横の畑、一面がピンク色!

わぉ!

奥さん  「何の花だろう?

への次郎 「シバザクラじゃないようだね

 

数人の人が中に入り込んでいました。我々も入って行くと、畑の端に紫の花も。

 

背丈は30センチ。アップで撮ると、こんな感じでした。

 

名前が分からないので、携帯で撮って検索機能を作動させると、

への次郎 「フクロナデシコだって。初めて見たなぁ

奥さん  「最後にいいものが見られたじゃない、しかも無料でね

                                       


伊那のB級グルメを堪能しました

2023年05月24日 | ランチ

遠照寺(おんしょうじ)でぼたんを鑑賞したあと、高遠の町中に戻って来ました。

 

ここは「ご城下通り」です。

右前方に商店街の無料駐車場があったので、そこに車を止めました。

 

やってきたのは、町のお食事処みすゞです。

奥さん  「ローメンって??

への次郎 「伊那のB級グルメだよ

 

店内に入ると、狭い店内にテーブルが6つ。昼前なのにすでに地元のお客さんが何組もいて、空いていたテーブルは1つでした。

 

席に着くと、目の前の壁にメニュー

奥さん  「ローメン以外に、食べなきゃいけないものは…

への次郎 「ずばり! ソースカツ丼でしょ

 

検討することなく、伊那の二大B級グルメに決定。二人で分け合っていただくことになりました。

 

まず出てきたのは、ソースカツ丼(950円)。

トンカツ、分厚いぞ!

甘~いソースがかかったトンカツの下には千切りキャベツ、その下にソースのかかったご飯。味噌汁はもちん、信州みそでした。

 

つづいて出てきたのは、ローメン(750円)。

焼きそばのようだなぁ…

 

じつはローメン、蒸した中華太麺と羊肉・キャベツをスープで炒め煮したものです。食べる際に、テーブルに置いてあるさまざまな調味料を加え、薄味麺を自分なりの味に仕上げていきます。

で、食べてみると、

 

肉は豚肉、麺にしっかり味がついてる。変わりローメンだな

試しに七味や酢を加えてみました。すると、特に酢で味は激変!

こりゃ、クセになる味だなぁ

 

一軒の店で、二つのB級グルメを堪能できました。

                                  つづく

                                      


信州伊那のぼたん寺(遠照寺)

2023年05月22日 | 遠出

木曽路は、山の緑が濃さを増していました。

 

国道19号を一路北上、道の駅日義木曽駒公園の駐車場に入りました。

奥さん  「の山、高そうだね

への次郎 「中央アルプスだからね。一番高いの左の木曽駒ケ岳だよ

 

トイレ休憩を済ませて出発。奈良井宿の手前で右折、

中央アルプスに向かって、どんどん高度を上げて行きました。

 

標高1162メートルの権兵衛トンネルを抜け、下って行くと眺望が開けてきました。

ここは長野県伊那谷の中心地伊那市。向かいの高い山々は南アルプスです。

 

伊那市の市街地を通り越し、やって来たのは桜の名所・高遠です。

 

高遠の町中から、山一つ東にずれた山道を北に入って行きました。

 

やがて集落が見えてきたところに、13世紀創建の古寺がありました。信州のぼたん寺です。

 

これが遠照寺(おんしょうじ)の山門ぼたん祭りの期間は、参拝料500円です。

山門の右奥に、たくさん植わっていました。40年前に植えた3株が、今では2000株に!

 

日の当たるところは、傘を付けてもらっていても、弱っていました。

 

「日陰は?」と思ってのぞくと、しっとりと咲いていました。ほら、

 

あっちに行ってみようか

 

見上げると、崖の上に建物の屋根。上がってみると、

 

立派な本堂がありました。本堂に上がって、

仏様に手を合わせ、江戸初期の日本庭園を鑑賞していたら、

えっ!? セミの鳴き声??

 

本堂から参道に出てきました。両側にたくさんのぼたん!

建物が見えるよ、ほら、参道の上

 

のぼって行くと、反った屋根をもったお堂がありました。

15世紀に建てられた釈迦堂です。堂内には多宝塔も見えました。ともに国重要文化財

 

釈迦堂の左手には茅葺の朝師堂。眼病にご利益があるそうですよ。

 

2つのお堂近くの木の上で、何匹ものセミが鳴いていました。セミの音の下では、

ここでも、しっとりと咲いていました。

 

じつはこの日、探し物がありました。江島の墓。ただ、ぼたんを鑑賞しながらだから、なかなか見つかりませんでした。

 

で、探していたら、こんなものが。これが気になって、気になって。

への次郎 「う~ん…

奥さん  「手を合わせているね

 

この地蔵が見ている方に行ってみました。注意深く探し、墓と墓の間に江島の分骨墓発見!古い小さなお墓、なんとか絵島と読み取れました。

 

奥さん  「分骨墓?

への次郎 「墓は近くの蓮華寺にあって。江島が信仰した日蓮宗の縁でここにもあるんだ

 

大奥で権勢を誇った人の墓としては小さいものでした。罪人として流されたからでしょう。政争に巻き込まれたという説もあり、本人としては、さぞ不本意な終焉だったと思います。

江島の墓に合掌。

 

再びぼたんを見ながら、参道を下りて行きました。

                                  つづく

                                       


松潤、来たのかな? 松平郷

2023年05月18日 | 遠出

岡崎市奥殿陣屋から、山一つ北側にやって来ました。

山と山の間の川に沿って走る国道301号を、東(新城市方向)に向かいました。やがて道沿いに「松平氏発祥の地」という看板があって、

                         (ストリートビュー)

そこを左折し駐車場に入りました。

この谷間の狭い地域は、愛知県豊田市松平郷です。

 

駐車場から出てくると、道沿いに旗。

 

地図を見ながら先に進むと、

 

神社がありました。

奥さん  「えっ!? 東照宮だって!

への次郎 「日光以外に、各地にあるんだよ

 

家康につながる松平氏の始祖が、ここに住み着いたのは14世紀のこと。ここに屋敷と始祖を祀る神社があったそうです。その神社に家康も合祀されて「松平東照宮」が成立しました。

 

立派な社の右に入って行くと、

 

産湯の井戸」があって、

家康もここの井戸水を用いたそうです。

 

東照宮から出てくると、上り坂がありました。

坂の上に土塀、あそこが松平氏の菩提寺・高月院です。

右の土塀を「室町塀」といい、その右の谷川沿いに「あやめ恋路」という小径があります。

 

小径をのぼって行くと、シャクナゲの花。もうおしまいのようですね。

 

への次郎 「ん!? アヤメ?

奥さん  「カキツバタじゃない、白い筋があるから

 

水の中でメダカが泳ぎ、トノサマガエルが休んでいました。その向こうにシマヘビ! カエルを狙っていたのでしょうか…。

 

この花木は鍾馗空木(ショウキウツギ)。

 

キショウブの植わっているところと、石垣の上の。「氷池」といって、

先の大戦中までここで氷を作り、岡崎に売りに行っていたそうです。

 

「氷池」を過ぎると見えてきました、高月院。

お寺の裏の山、黄金色に見えるのはツブラジイ。ちょうど開花していました。

 

先に進むと、観光客とボランティアガイドさんがいて、

説明によるとこの門、「将軍門」といって、三代将軍家光が寄進したものだそうです。

 

「将軍門」の先には、

立派な本堂がありました。

 

近づくと『どうする家康』のポスター!

奥さん  「松潤、来たのかなぁ?

への次郎 「まさか! 観光課の人でも持ってきたんじゃないの

 

そんな会話をしていたら、突然、後ろから「ゴーン!」

びっくりして振り向いたら、急ぎ去る人。

 

鐘撞堂の鐘、「利他の鐘」といい、自分のためじゃなく、他人のために撞く鐘とか。

このあと、二人で思いっきり撞くと、大きな鐘の音が松平郷に響き渡りました。

いいことをしたなぁ

 

ご褒美に、「あやめ恋路」にあった茶店に寄り、

 

ソフトクリームと天下餅をいただきました。