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ものづくり・商業・サービス補助金(略称)の公募が始まりました。締め切り4月27日

2018-03-02 10:40:03 | 経営コンサルタント

今回のテーマ:「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」の申請について

昨年上記のテーマで発信したこともありますが、平成30年2月28日(水)から平成30年4月27日(金)で公募が開始されましたので再度お知らせします。

 

筆者はこのような補助金について10件程度関係したこともありますので、要点などを記します。

 

様式の種類から説明します。今年度も昨年と同じ様式との前提ですのでご了解ください。(今年度の申請書をよく見ていませんので)

 

補助金申請を経験して自分の専門を広げたい方は、少し長い文章ですがお読みください。

まずどこの企業が申請を考えているかですが、まず知っている企業に話す。企業が見つからないときは地元の商工会、商工会議所、信用金庫などに出かけて下さい。前向きの企業の紹介を受けて下さい。

報酬については成功報酬とか手付金などがあります。

成功報酬は総金額の3~5%、あるところは成功か否かに関係なく30万円を支払うところもあるそうです。いずれにしても事前に当該企業と口約束でなく覚書などでお互い確認しておくことが

重要です。

商工会によってはコーディネータ制度(ある程度支援の実績が必要です)があり、1件申請を書くのに1~3回分(1回 3万円弱)として成功か否かに関わらず支給される場合もあります。

 

まず様式1からの説明です。

(様式1) 全国中小企業団体中央会会長 殿 〇〇県地域事務局長 殿     

 

平成○○年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金事業計画書の提出について

 平成○○年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金に係る補助金の交付を受けたいので、公募要領に定める要件、注意事項等に全て了解した上で、下記1.から3.の書類を添えて提出します。(この後に暴力団などでないか尋ねていますがここは省略)

 記

1.事業計画書(様式2)

2.決算書(直近2年間の貸借対照表、損益計算書、個別注記表)

3.定款若しくは登記事項証明書(提出日より3カ月以内に発行されたもの)

 

即ち様式1は申請書です。

 

様式2は事業計画書です。この様式2を如何に該当会社の意欲とか利益、付加価値があげられる

内容になっているか、当該会社支援者の力量にかかってきます。

 

(1)応募者の概要等

   ここは当該企業の状況をそのままを記入する。

(2)事業内容(枠に収まらない場合は、適宜拡げてください。複数ページになっても結構です)

  1.事業計画名(30字程度)

    いわばどのような事業計画か「キャッチコピー」のようなもので短く事業を

    表現する。

  2.事業計画の概要(100字程度)

    1の事業計画を具体的に記述する。

  3.対象類型

    ○付加価値の向上 

☑新規顧客層への展開   ☑商圏の拡大   

☑独自性・独創性の発揮  ☑ブランド力の強化 ☑顧客満足度の向上

☑価値や品質の見える化  □機能分化・連携  ☑IT利活用〈Ⅰ〉

○効率の向上

☑サービス提供プロセスの改善    ☑IT利活用〈Ⅱ〉

 

  4.事業類型

     ☑一般型など □高度生産性向上型 □ 小規模型

      上記は事例ですがどこに☑を入れるか採点には影響しないと思う。

 

  5.事業の具体的な内容(主にこの内容について審査委員会で審査します)

その1:革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善の具体的な取組内容

※ 高度生産性向上型の場合は、IoT又は最新モデルを用いてどのように生産性を向上するかを具体的に説明してください。 

事業の具体的な内容について如何に審査委員になるほどと思わせるかです。 

1、当該企業(以下当社と略)のおかれた状況をわかりやすく記載する。審査員は当該業種についてまず知らないと思わなければなりません。種々のデータを収集し、自社のおかれた状況を記します。例えば企業理念、業態、従業員数、売上高の推移、顧客ニーズと市場の動向 自社や自社の提供する商品サービス、文字だけでは説明が困難なときはグラフなどで説明します。 

2 当社の強み、弱み

  自社の提供する商品・サービスの説明に加えて、顧客はどのようなニーズがあるのか、競合相手の状況、自社はどのような強みがあるのか、といういわゆる「3C」の視点で記載する。                      

   即ち顧客の視点、市場動向、自社の顧客という2点で捉えるとよいでしょう。   

市場動向では自社に影響を及ぼす外部要因、例えば、地域の人口の増減などを考えます。

人口増減、家計消費などは総務省 統計局などのデータは信頼性があり、出典も記入します。

プラスの要因だけではなく、マイナスの要因も合わせて考えることで申請書の妥当性が増すので、両面から捉える。 顧客ニーズは、ニーズのみでなく、顧客の「属性」も調べましょう。

属性としては年代・性別などありますが、飲食店であれば、洋食、和食、ランチ・夕食、平日・土日などと時間帯、に分けるという視点もあります。

顧客を一面のみではなく、属性に分けて記載することで、審査員になるほどと納得させられます。 

競合の視点

「競合のない業種」はほとんどありません。前に記したように顧客のニーズを満たす競合先はどこなのか?競合先の強み弱み、特徴は等を考えます。

考えるヒントとしては、顧客のニーズを何か。例えばマクドナルドの競合はモスバーガーではなく、コンビニや吉野家などとと言われたりします。これは顧客のニーズを「安く早くに食事を済ませたい」と定義づけたからです。

自社の視点

自社の強みを考えます。強みというと、圧倒的な商品力や営業力、技術力だと思う方もいます。もっと簡単に考えて「顧客が自社を選んでくれる理由は何か?」、「なぜ自社の商品・サービスを使ってくれるの?」と考えると自社の強みに気付きます。 

上記3Cで説明仕切れないなど4P手法を使うとより自社の課題が浮かび上がります。

4Pとは、Product(商品・サービス)、Price(価格)、Place(場所、立地)、Promotion(プロモーション)

4Pのどの観点が強みなのか?さらになぜ、その強みを自社が提供できるのか?を切り口に考えます。3C、4P手法以外に自社の位置は競業と比較してどこの部分にあるかポジシニングマップ手法もあります。これらの手法はいずれもネットで調べられますが、1例でも自分で身近な例で使ってみることが大事です。これらの手法が身に付き経営コンサルタントとしての力量が向上します。 

現状分析で自社と他社の状況が解り、それでは今後どうしていくか、おなじみのSWOT分析などを使い戦略そして計画をつくります。 

ここで重要なことは革新的という言葉についてです。

5年計画で付加価値なら平均年率3%以上、および経常利益率年率平均1%以上の計画であること。高度生産性向上型はIOTなどを用いた設備投資を行い、生産性向上させ投資利益率5%達成することと書いてあります。 

革新的サービスについて自社になく他社でも一般的でない、新たな役務を取り込んだ新サービス、新商品開発や新生産方式です。オリジナリティあふれた商品、サービス、生産方式です。 

単に効率のよい設備を導入して生産性向上したでは却下になります。

これら分析したことは資料1、資料2等添付資料にして下さい。

このホームページも参考になりますから、ご覧ください。

https://www.mirasapo.jp/features/subsidy/vol4/1/


 最後に申請書を書いたら一度、第3者に見せることをお勧めします。

どうしても自社の事業やサービスには思い入れが強くなりがちなので、初見の審査員にはわかりづらくなる傾向があります。 

具体的取り組み日程と詳細

 ガントチャートなどで取り組み項目を早い順に並べ日程をつくります。それぞれの取り組み項目に番号をつけ 次の具体的取り組みと関連付けます。 

具体的取り組み詳細

上記日程に対して具体的に取り組みを書きます。

 

その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)

○概 要 

事業計画(会社全体の計画を記載してください)     単位 万円

5年後までの売り上げ高 売上原価 営業利益 経常利益 伸び率、付加価値額 伸び率 

計画は、売上高が向上する、という結論を出しましょう。

売上高は、客数×来店頻度×客単価等と分解できます。つまり、新規顧客の来店数が増加する、既存顧客の来店頻度、リピートが増加する、客単価が増加するという結論までしっかり記載することが重要です。そのうえで、この補助事業にかかった投資金額、期待できる利益額を算定して、回収記載できると評価が高まるでしょう。 

(3)これまでに補助金又は委託費の交付を受けた実績説明(申請中の案件を含む)

(4)経費明細表  

  この補助金をどのように使うかを書きます。

(5)資金調達内訳

  自己資金はいくらで 金融機関から融資を受けるのかなど記載します。

(6)その他(該当しない場合、本項目は提出不要です)

給与総額を上げた又は上げる企業・処遇改善に取り組む企業を審査時に加点します。 

1.賃上げの実施状況について 以下のいずれかの取組みを行っている場合は、該当箇所に☑を付し、その内容を具体的に説明するとともに、研修の実施、賃金アップの比較等の証拠書類(源泉徴収票の写し、領収書、賃金台帳、賃上げの従業員への表明を証する書類。又は、給与台帳、決算書類等、企業全体の給与総額がわかる書類でも可)を添付書類として必要部数提出してください(該当しない場合、記載する必要はありません) 

筆者の考えは この項目は割と重要なのではと考えます。賃金台帳提出とあります、この台帳さえ記載してない企業もあります。あっても最低賃金を守ってない企業も多々あるのではと考え、最低賃金を守ってない企業には国は税金を投入しないのではと考えるからです。

また国は賃金向上にも最近は経済界に申し入れています。この項目は任意とありますが、

競争率が高い場合などは書かないと不利になるかと思います。 

2.TPP加盟国等への海外展開により、海外市場の新たな獲得を目指す企業は、国名と具体的な計画を記載してください。(該当しない場合、記載する必要はありません) 

3. 経営革新計画について

自社が申請時に有効な経営革新計画の承認を受けている(申請中を含む)場合は下記に☑を付し、承認を確認できる書類の写し(申請中の場合は、申請した申請書様式第9及び別表1)を添付書類として必要部数提出してください。

日本経営士会は認定支援機関になっていますが、これは日頃問題意識をもって取り組み「経営革新計画の承認を受けている」と有利です。

 

認定支援機関確認書

① 生産コスト面での競争力強化が期待できる

② 製造能力面(リードタイムを含む)での競争力強等チェック項目に記載してもらい確認書を

  提出する。

 

以上が書き方の要点、注意点などを述べました。

(上記はあくまでも私の経験を記したことですので、この文章で不利になったなど、はご遠慮下さい。)

是非 チャレンジしてください。

 

2月28日に上記補助金の申請が開始されました。不明の点など各地域の中小企業団体中央会にお尋ねください。

http://www.chuokai.or.jp/hotinfo/29mh_koubo_201802.html

ご参考に中小企業庁のホームページは下記をクリック下さい。

http://www.chusho.meti.go.jp/

 

この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。
日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。

http://www.compact-eco.com/