「社会的インパクト評価」シリーズ④
-STEP2. 成果の設定 2.
成果 事業・活動の直接の結果がもたらす変化、便益、学びその他効果 資源 活動 直接の結果 初期成果 中期成果 長期成果
例 • ヒト • モノ • カネ • 経済的困難を抱える 子どもへの学習支援 プログラム • 学力の向上 • 社会情動的能力の 向上 • 希望する進路 の選択 • 経済的自立 • 生活自立 • 精神的自立 • プログラム 実施回数 • 参加人数 例えば、「教育機会格差を原因とした貧困の連鎖解消」という事業目標から導き出される「長期成果」は 受益者(経済的困難を抱える子ども)の将来的な経済的自立などが考えられます。 同様に、長期成果から中期成果を、中期成果から初期成果を考えます。 成果は3段階(長期、中期、初期)で設定されることが一般的ですが、必ず3段階で設定しなければならないものでは ありません。事業活動によっては、初期成果の設定のみが適切となるケースもあります。 また、現実には必ずしも直線的な因果関係で説明できるものは少なく、ロジック・モデルはあくまで単純化するためのツール であることを意識することが必要です。
事業目標から逆算した事業の成果は何ですか。
- まず、最も重要な受益者にとっての長期成果を考えましょう。
「初期」「中期」「長期」をどれくらいの期間とするかは事業によって異なります。
成果は単一ではなく、複数あることが一般的です。まずは、できる限り多くの成果を考えてみましょう
-STEP3. 直接の結果、活動、資源の設定 2. ロジック・モデル 直接の結果 事業を通じて提供するサービスを指し、事業や活動の直接の結果
活動 事業を通じて提供するサービス等を生み出すための具体的な事業活動 資源 事業を実施するために必要な資金や人材等の資源 資源 活動 直接の結果
初期成果 中期成果 長期成果
例 • ヒト • モノ • カネ • 経済的困難を抱える 子どもへの学習支援 プログラム • 学力の向上 • 社会情動的能力の 向上 • 希望する進路 の選択 • 経済的自立 • 生活自立 • 精神的自立
-STEP4. 最終確認
以上のプロセスでロジック・モデルを作成する材料はすべて整いました。
それでは、ロジック・モデルを作成してみましょう。
資源、活動、直接の結果、初期成果、中期成果、長期成果を整理して並べて矢印で結んでください。
ロジック・モデルが出来上がったら最終確認をします。
以下のチェックリストを参考に、ロジック・モデルを改良しましょう。
□ ロジック・モデルの各要素に関係のない項目はありませんか。
□ 重複している箇所はありませんか。
□ 作成したロジック・モデルは現実的に実行可能なものですか。
□ 設定した成果を起点としたとき、資源、活動、直接の結果の各要素が論理的につながりますか。
ロジック・モデルは「仮説」であり、実際の事業活動を行う中で検証し、定期的に見直しを行うことが重要です。
ロジック・モデル作成時には成果に結びつくと考えていた事業活動も、実際にはそうでない場合もあり、
その場合には当該事業活動の削減・廃止を検討する必要があるかもしれません。
また、その際には単に事業活動を削減・廃止するのではなく、どうすれば成果につなげることができるのかを検討し、事業活動の改善や新しい事業活動の企画立案を行うと良いでしょう。
第2章の振り返り
ロジック・モデルを作成することで、どのようなメリットを得ることができますか。
ロジック・モデルを作成するにあたって、どのようなことが実務上課題となりますか。
ロジック・モデルを作成するにあたっての実務上の課題はどのようにすれば対処できますか
この記事は日本経営士会 「環境経営士 ®」向けメルマガで発信している記事の転載です。
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