ぶろぐ“あみん”

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★今、気になる作家……高野和明

2013年06月21日 23時48分18秒 | 私の本だな

 ちょっと前、ほんの偶然から読んだ幽霊人命救助隊。子供だましみたいなタイトルに、どれくらいばからしい作品かって、逆の興味から手にしてみたら……。嵌りました(^ ^;

 天国に行けない霊たちがこの世に降りて、自殺志願者の命を救って救って救いまくる。
「夕方までは死なないでください。僕たちが必ず助けてあげます」

 こういう作品です^^ 分厚いんです。文庫で600ページあります。でも、嵌りました。ほとんど一気になっちゃいました。

 印象に残ったのは、
 不公平だと裕一は思った。この世は、無責任な人ほど楽に生きられる。
と言う件(くだり)^^
 ばかばかしい設定だけれど、何か惹かれるところがありました。

 そうしたら、先日、これまた偶然にこんなのも見つけました。

 これも、ばかばかしいといえばばかばかしいタイトル(^ ^;
 オムニバスかと思えば、全てが一続きの物語。中でも、20年前の自分がタイムスリップしてくる「時の魔法使い」、ドールハウスの人形が自分のこれまでと未来とを示している「ドールハウスのダンサー」が良かったかな^^

「あたし、二十年前に戻るんだ」
 未来は驚いて訊き返した。「二十年前って?」
「だって今、二〇〇二年なんでしょ? 駅の売店にあった新聞で見たもん」
 未来は言葉に詰まり、まじまじとミクちゃんを見つめた。「じゃあミクちゃんは、おばさんが誰だか知ってるの?」
「うん、知ってる」とミクちゃんは、にっこりと微笑んだ。「あたしとおんなじ、朝岡未来ちゃんでしょ?」
 未来はうなずいた。ミクちゃんにつられて、かすかに笑みが浮かんだ、「知ってたのね」
「うん、ずっと。それにね、嬉しかったの」
「嬉しかった? どうして?」
「だってあたし、こんなに優しい人になれるんだもん」
(「時の魔法使い」より)


 美帆は顔を上げ、後ろ頭に寝癖を付けたプログラマーを見た。相手も目元を和ませて、美帆を見つめた。
「総務部の香坂と申します」と美帆は微笑み、自分の夫となる人に名刺を差し出した。「初めまして」

(「ドールハウスのダンサー」より)



「ジェノサイド」っていう新作もあるそうで、ちょっと指が動いています^^

【ノート】
幽霊人命救助隊
 著 者:高野和明
 発 行:(株)文藝春秋
 文春文庫・た 61 1
 第1刷:2007年4月10日
 ISBN978-4-16-771726-1

6時間後に君は死ぬ
 著 者:高野和明
 発 行:(株)講談社
 講談社文庫・た 94 4
 第1刷:2010年5月14日
 ISBN978-4-06-276652-4

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