🍀この道を歩む🍀④
🔹北尾、後藤さんは、野村証券時代に私をサポートしてくださった大切な上司の1人ですけれども、
吉田さんは2人の樋口さんから大きな薫陶を受けられたそうですね。
住友銀行の上司で、後にアサヒビールに移られた樋口廣太郎さんは、吉田さんの才を一目で見抜かれたようですし、
大和ハウス工業の会長の樋口武男さんも、吉田さんをものすごく評価されて、全面的に支援しておられます。
やはり周りからサポートされない人は、運命を切り開くこともなかなか難しい。
吉田さんのように周りからサポートされる人になるためには、
徳性が高いこと、人から信頼される誠実な人であることが大切だと私は思うんです
🔸吉田、私がそういう人間かどうかはともかく、
2人の樋口さんがいらっしゃらなかったら、今日はないというのは確かです。
樋口廣太郎さんは、私が若い時分に支店で苦労していたのを本店に引っ張ってくださいました。
評価どおりのすごい方で、厳しいお叱りも受けながら、
仕事のやり方、人の処し方等々、いろんなことを教えていただきました。
中でも1番印象に残っているのは、
「念ずれば花ひらく」という言葉でした。
本気でそう思えば現実するよと。
私もこの事業を手掛ける際、最初は抽象的でぼんやりイメージしていたことが、
思いを抱き続けているうちに、
だんだん骨組み見えてきて、
白黒がカラーになって、はっきり見えるようになりました。
色のついた花を見るように思いが明確になってきて、樋口さんが
「花ひらく」と表現された意味がよくわかった気がします。
創業当初は、開発現場から、
「無理だ」
「できない」
といった否定的な声ばかり挙がって、
心が折れそうになることもよくありました。
そういう時も、樋口さんから教わった
「おい悪魔、さあ仏」
という言葉を思い出しては、
気持ちを切り替えたものです。
「(お)怒らず、(い)威張らず、(あ)焦らず、(く)くさらず、(ま)負けるな、(さ)颯爽、(あ)明るく、(ほ)ほのぼの、(と)ときめき、(け)謙虚」
の頭文字をつないだ語呂合わせなんですが、
これには、ずいぶん助けられました。
もう一方、大きな薫陶を受けた樋口武夫さんは、
電気自動車開発の支援を求めてご相談に伺った時、
ファースト・インプレッションで出資を決断してくださいました。
以来今日まで、ずっと私を信じて支援を続けてくださっているんですが、
信じていただくから、こっちも死に物狂いである。
あの方がいらっしゃらなければ、この事業はできていません。
🔹北尾、樋口武夫さんは本当にご立派な方ですね。
今日までの大和ハウス工業の発展を考えると、樋口さんの功績はとてつもなく大きい。
にもかかわらず、ご自分の功を誇ることはありません。
樋口さんにとっては、すべて創業者の石橋信夫さんありきなんですね。
あの創業者への思い、恩義に報いる姿勢。
私もこれまでたくさんの経営者にお目にかかってきましたが、
あれほど偉い方は見たことがありません。
吉田さんの会社も、社員の方々が樋口さんのような姿勢で後を担っていかれたら、
100年、200年、300年と続く会社になると思います。
私も自分が創業に込めた思いを、後に続く社員たちに末永く継承していってもらうことが1番の願いですよ。
🔸吉田、セコムを創業なさった飯田亮さんが、
「経営で最も大事なことは、創業の理念を貫くことだ」
とおっしゃっていますが、
これを見事に実践なさっているのは樋口武男さんだと思います。
酒の席になると自慢話を始める人は多いんですが、
樋口さんの場合、たまにお酒をご一緒させていただいても、
そういうこたは絶対にありませんね。
やっぱりあの方はすごいと思いますよ。
(つづく)
(「致知」11月号 吉田博一さん北尾吉孝さん対談より)
🔹北尾、後藤さんは、野村証券時代に私をサポートしてくださった大切な上司の1人ですけれども、
吉田さんは2人の樋口さんから大きな薫陶を受けられたそうですね。
住友銀行の上司で、後にアサヒビールに移られた樋口廣太郎さんは、吉田さんの才を一目で見抜かれたようですし、
大和ハウス工業の会長の樋口武男さんも、吉田さんをものすごく評価されて、全面的に支援しておられます。
やはり周りからサポートされない人は、運命を切り開くこともなかなか難しい。
吉田さんのように周りからサポートされる人になるためには、
徳性が高いこと、人から信頼される誠実な人であることが大切だと私は思うんです
🔸吉田、私がそういう人間かどうかはともかく、
2人の樋口さんがいらっしゃらなかったら、今日はないというのは確かです。
樋口廣太郎さんは、私が若い時分に支店で苦労していたのを本店に引っ張ってくださいました。
評価どおりのすごい方で、厳しいお叱りも受けながら、
仕事のやり方、人の処し方等々、いろんなことを教えていただきました。
中でも1番印象に残っているのは、
「念ずれば花ひらく」という言葉でした。
本気でそう思えば現実するよと。
私もこの事業を手掛ける際、最初は抽象的でぼんやりイメージしていたことが、
思いを抱き続けているうちに、
だんだん骨組み見えてきて、
白黒がカラーになって、はっきり見えるようになりました。
色のついた花を見るように思いが明確になってきて、樋口さんが
「花ひらく」と表現された意味がよくわかった気がします。
創業当初は、開発現場から、
「無理だ」
「できない」
といった否定的な声ばかり挙がって、
心が折れそうになることもよくありました。
そういう時も、樋口さんから教わった
「おい悪魔、さあ仏」
という言葉を思い出しては、
気持ちを切り替えたものです。
「(お)怒らず、(い)威張らず、(あ)焦らず、(く)くさらず、(ま)負けるな、(さ)颯爽、(あ)明るく、(ほ)ほのぼの、(と)ときめき、(け)謙虚」
の頭文字をつないだ語呂合わせなんですが、
これには、ずいぶん助けられました。
もう一方、大きな薫陶を受けた樋口武夫さんは、
電気自動車開発の支援を求めてご相談に伺った時、
ファースト・インプレッションで出資を決断してくださいました。
以来今日まで、ずっと私を信じて支援を続けてくださっているんですが、
信じていただくから、こっちも死に物狂いである。
あの方がいらっしゃらなければ、この事業はできていません。
🔹北尾、樋口武夫さんは本当にご立派な方ですね。
今日までの大和ハウス工業の発展を考えると、樋口さんの功績はとてつもなく大きい。
にもかかわらず、ご自分の功を誇ることはありません。
樋口さんにとっては、すべて創業者の石橋信夫さんありきなんですね。
あの創業者への思い、恩義に報いる姿勢。
私もこれまでたくさんの経営者にお目にかかってきましたが、
あれほど偉い方は見たことがありません。
吉田さんの会社も、社員の方々が樋口さんのような姿勢で後を担っていかれたら、
100年、200年、300年と続く会社になると思います。
私も自分が創業に込めた思いを、後に続く社員たちに末永く継承していってもらうことが1番の願いですよ。
🔸吉田、セコムを創業なさった飯田亮さんが、
「経営で最も大事なことは、創業の理念を貫くことだ」
とおっしゃっていますが、
これを見事に実践なさっているのは樋口武男さんだと思います。
酒の席になると自慢話を始める人は多いんですが、
樋口さんの場合、たまにお酒をご一緒させていただいても、
そういうこたは絶対にありませんね。
やっぱりあの方はすごいと思いますよ。
(つづく)
(「致知」11月号 吉田博一さん北尾吉孝さん対談より)