横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

フランス語と英語

2012-09-04 23:20:42 | 絵画・音楽・文学

私の出身校の進学課程(はじめの2年間)では、英語、ドイツ語、フランス語、ラテン語の4カ国語が必須科目でした。そんな短期間で4カ国語をマスターできるはずもなく、学生当時は無駄なことをやるものだと思っていましたが、その言葉の持つ雰囲気を知っただけでも、意味があったのではないかと、今になって感じています。

先日観たフランス映画のタイトルのintouchablesについて、英語だとuntouchableアンタッチャブルだと書きましたが、そっくりな言葉です。英語はもともといろいろな言語を源にした言葉で、その単語の語源がフランス語、さらにその元はラテン語だということがしばしばあるというのは知っていましたが、調べてみるとtouchもableもそうなんですね。

昨日も書いたように、この映画は事実に基づいたストーリーです。原作に当たる本は、映画の主役のひとり、障害者の富豪にして貴族の末裔のフィリップが書いた、le second souffle/diable gardienという本です。ここでもsecondは、英語の語源で同じ意味ですね。souffleは息という意味ですが、英語翻訳版のタイトルがa second windですので、2番目の風、新しい風という意味でしょうか。ふたりが出会い、両者ともが新しい人生を始めるという意味だと思います。

フィリップがつけた本のサブタイトルのdiableは悪魔という意味です。gardienは英語のguardianなので、保護者という意味。英語のguardian angelは守護天使ですから、diable gardien は守護悪魔ということになります。スラム出身の青年は、フィリップにとって単なる介護人以上の存在になりましたが、とても天使という柄ではありませんでした。

今夜は、学生時代以来、数十年ぶりにフランス語の辞書を見ました。

日本でも英語版の翻訳だと思われる、セカンド・ウインドという本が出ています。実は、ちょっとたどたどしい感じの翻訳なのですが、私はフランス語版はおろか英語版も読破できないでしょうから、そんなことを言ってはいけません。ありがたく読ませていただいています。

 

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最強のふたり INTOUCHABLES  

2012-09-03 10:37:27 | 映画・テレビ

昨年フランスで、社会現象と言われるぐらい、大ヒットした映画です。昨日観てきました。

脊髄損傷で首から下が麻痺してしまった富豪が介護人を募集し、就職活動をしているふりをして失業手当をもらうのが目的で面接に来たスラム街の黒人の若者を、彼だけは自分を特別扱いしないという理由で採用します。

この若者は、本当に富豪を文字通り特別扱いしないのです。そのことが、両方にとって、どんなに気持ちが良いことなのか。映画で心から大笑いしたのは、久しぶりです。

しかも、これは実話を元にした映画です。

原題は英語ならuntouchable、手を触れてはならない汚らわしい者、社会ののけものという意味です。障害者である富豪と、スラム街で育った犯罪歴もある若者の、両方を指すタイトルですが、 彼らをのけものにする社会を批判するような意味合いを表に出しているのはタイトルだけで、とにかく気持ち良く笑える映画なのです。

 

ちなみに、この夏、私はパラグライダーを少しだけ体験させてもらいましたが、この映画にも、パラグライダーは重要な意味を持って登場します。

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USオープン第1週 魂は老いず

2012-09-02 19:14:56 | スポーツ

テニスUSオープンも第一週が終わります。日本人男子は、予選を勝ち上がった選手を含めて4人が出場しました。残念ながら3人は初戦で敗退し、錦織選手も3回戦で敗れはしましたが、今後のさらなる飛躍が期待されます。

第一週最大のサプライズは、過去3回のUSオープンを果たし、今大会を最後に引退を表明しているクライシュテルスを、出場選手中最年少の18歳ロブソン選手が敗ったこと。世代交代を象徴する試合でしたが、ロブソン選手はまだ荒削りなところを残しながらもトップ選手に伍して戦える力のあることを示し、本当に楽しみな選手です。ロブソンは続けて第9シードのリー選手にも勝っています。

そして、もうひとつの世代交代。かつて21歳でUSオープンを制したロディックが、30歳の誕生日である8月30日に、今大会で引退することを発表しました。21歳で世界ランキング1位になったロディックですが、同世代にロジャー・フェデラーという怪物がいたために、グランドスラムのタイトルは、これが最初で最後でした。その後4回グランドスラムの決勝まで進みましたが、すべてフェデラーが相手で、すべて敗れました。

同世代の選手たちがコートを去って行く中で、フェデラーが31歳にして、現在も世界ランキング1位であるというのは、本当に凄いことであると言えます。恵まれた才能はもちろん特別なものがあるのですが、それにしてもここまで続けるためには、肉体と精神をそのレベルに保つためには、日頃から欲望に打ち勝ち自分の精神コントロールする生き方をしなければできないはずです。フェデラーのようなプレイはできませんが、その克己心は見習いたいものです。

昨日、横浜日産スタジアムに6万5千人を集めて40周年記念コンサートを行った矢沢永吉さんも、”細胞は老けるけど、魂は老けない”と言っています。

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パラリンピック

2012-09-01 22:09:42 | スポーツ

ロンドンでは、オリンピックに続いてパラリンピックが行われていますが、今朝テレビで車いすバスケットボールの京谷和幸選手が紹介されていました。元サッカー選手で、22歳のときJリーグデビューを果たした直後に、交通事故で下半身不随になってしまったという方です。

事故に遭ったとき、2ヶ月後に結婚式をひかえていたとのこと。一生車いす生活を強いられることを、本人だけには知らされないまま、彼のご両親に婚約解消を提案された今の奥様がとった行動は、大安の日に病室に婚姻届けを持って行って、不思議がる彼に、今日じゃなければだめだと言って、はんこを押させたこと。彼が自分の運命を知ったときに、自分はひとりではないと思ってくれれば、それで本望だと考えたという、必死の決断だったそうです。彼は、2ヶ月後に自分の状態を告知されて、一晩中泣いた朝、ようやくその時の奥様の必死の形相の意味が分かったそうです。

仕事もなく、目標もなくなった彼の生活は、奥様のパートの収入だけが頼りだったという頃、気持ちが荒んでけんかが絶えない時期もあったとのことですが、車いすバスケットという目標ができ、仕事も見つかり、ふたりのお子さんもでき、パラリンピックの日本代表にもなって、今回41歳で出場する4回目のパラリンピックを最後に車いすバスケットは引退するとのこと。今後の人生のためにも、この大会で完全燃焼すると語る彼は、本当にいい顔をしていました。

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