あまのはらふりさけみれば・・・・

北京で単身赴任生活2年、帰国後も中国ネタを書き綴ります。

積雪

2014-02-10 01:40:18 | 燕京歳時記
 昨冬は、寒さと空気の悪さに加えて、結構降雪・積雪も多かった北京だが、春節明け
の2月7日、ようやく今シーズンの初積雪となった。
 わずか2センチ弱の積雪だが、山陰の寒村に生まれ育った拙者には、懐かしくもあり、
また雪の中で春を待ちながら、苦労して暮らす人たちのことに思いを馳せ、心配するとと
もに愛おしさがこみ上げてくるような複雑な気持ちで、気が重たくなるのである。

 予想通り、北京の降雪は、一般的な日本の降雪と違って、激しくもなくまた重く湿った
雪でもないので、傘をさしている人はほとんどいない。自身もそのように予想して、折り
たたみ傘をカバンに忍ばせつつも、大きな耳あてのついた帽子を被って通勤した。

 戌年の次女は、雪が降ると、庭を駆け回る勢いで喜ぶわけだが、どうも拙者は憂鬱にな
るのである。2年前の冬は長女、次女と一緒に滋賀県、また次女と福井県、1年前の冬は
次女と滋賀県まで雪だるまを作りに行ってカミさんに呆れ果てられたのだが、雪だるまは
ともかく、雪合戦は、至近距離ならば左右どちらの手でも投げることができるので、拙者
の圧勝なわけである。子供に勝っても仕方がないが、女の子なので顔を外して腹から下あ
たりをめがけて投げるのと、これが面白いくらいよく当たる。当然負けず嫌いの次女は面
白いはずもなく、あっという間にゲームは終了するのである。物心着いた頃から。手袋を
せずに、寒さにかじかみながらも、素手で雪合戦をしてきた経験は伊達ではないのである。

 しかし、この冬は雪合戦をすることも、雪だるまを作ることもなく過ぎていった。
 ただでさえ憂鬱な降雪が、いつになく憂鬱な春の始まりを告げてくれたのであった。