何もない休日、久しぶりにTSUTAYAに行きました。 DVD「マルコムX」~ 実在の黒人運動指導者マルコムXの伝記映画です。 デンゼル・ワシントンが演じておりましたが、もう、全てにおいてパーフェクトでした。 同じく黒人運動指導者で、彼と同時代を生きたキング牧師が、白人との同権を主張していたのに対し、マルコムXは、白人よりも黒人が優秀であるという、黒人優越主義のもと、過激な運動に徹したことが特徴です。 自分は、その思想、言動が仇となり、彼は白人により暗殺されたとばかり思っておりました。 違いました。映画を観て知りました。 彼はメッカに巡礼に行きます。 世界中から集まったムスリム(イスラム信者)たちは、肌の色は関係なく、みな白装束に身を包み、ひたすらカーバ神殿の周りをまわりながら、無心に祈っている。 その姿に、マルコムXは真の平和の希望には白人も黒人もない、と悟るのです。 帰国した彼は平和運動の道を進みます。その姿は、それまでの黒人支持者には、「裏切者」と映ってしまい、演説中、黒人過激派によって暗殺されるのです。 この構図は、イスラエルと距離を縮めようと努力するイスラムが、また、イスラムと同調していこうと唱えるイスラエルが、同国、同主義者に裏切者とみなされ、殺される現象に似ておりますね。 アメリカでは、マルコムX暗殺後、キング牧師暗殺、さらに、ケネディ大統領の弟で大統領候補、ロバート・ケネディも暗殺されるという、惨事が続きます。 この時期、ベトナム戦争は泥沼化していき、アメリカ全体に社会不安が広がっていく。 誤解を恐れずに言うなら、非常にドラマチックな時代でありました。 (無機的に俯瞰して!)