書名:「クラウディア 奇跡の愛」
著者:村尾靖子
仕事柄、教育関係機関の情報誌を目にすることが多いのだが、
以前、峡東教育事務所で作成している「エリア ウエッブ」という
情報誌で「他人の不幸の上に、自分だけの幸せを築くことはできません。」
と題した記事があった。
先日、図書館の本棚の中でふと手に取った本がこの本で、
まさに情報誌で取り上げていた事実について書いたノンフィクション本だった。
<あらすじ>
第2次大戦の終結の頃、ソ連兵にあらぬ疑いで連行され、シベリア抑留、
帰国を断念した男性を支え、結婚し、30年以上の結婚生活を続けていたのが、
クラウディアである。
ある日、日本に終戦時に生き別れた妻と子供が日本に存命していることが
明らかになる。
その時、彼女は
「他人の不幸の上に、
自分だけの幸せを
築くことはできません。」
と愛する夫を遠い日本へと送り出すのだった。
ちょっと泣けてしまった。
シベリア抑留生活のすさまじさはすごいもので、
以前「収容所から来た遺書」(辺見じゅん)という本を
読んだ事があり、驚いたことがあった・・・
あの本にも感動した。
(そういえばあの本 会社勤めをしていた折に上司に貸したままだった!)
それはともかく、実際自分だったら
(こんなシリアスなこと私の人生には起こりそうもないが)
こうした判断はできないだろうなあ。
とにかく、戦争の悲惨なことは戦後半世紀以上経っても
こうした悲劇を起こし続けることだ。
なんとも、やりきれない。