畑に行く小道の草を刈っていたら
桑の木の枝に小さな鳥の巣を見付けた。
中を覗くとこれまたちいさーい卵が三個。
巣の周りの草を刈ってしまったのであわてて背の高い草を
桑の木にそわせて巣を隠した。
それから気になって毎日見に行く。そーっとのぞき込む。
母鳥が温めているような気配が全く無いので心配になる。
雨も降って巣は濡れて外側に傾き三個あったと思った卵が二個になった。
母鳥はニンゲンに見つかってしまい危険を感じて巣を放棄したのか、、、と思っていたら
先週ヒナが孵った。小さくて薄い皮の表面にほにゃほにゃと黒い毛が一丁前に生えている。
そうして自身の身体を飲み込める位大きな口をパッカーーーーンと開けて餌を待つ態勢。
ということは、、母鳥は隙間を縫ってちゃんと卵を温め孵ったヒナに餌を運んでいるようだ。
で、、警戒している母鳥を刺激しないように(見ない、見ない、、)と心に誓う。
が、、、、見たくなる。 我慢できなくて見に行く。
最初見たときの三-四倍の大きさに丸々と成長して、手羽先が毛で黒々としている。
2日ぶりに今朝小滝君を誘って見に行く。二羽は仰向けに並んで無防備にグースカ眠っていた。
ったく、、、、他人事ながら心配してバカみたいだ。
巣の周りを母鳥らしき一羽がそれとなくこちらに存在を知らせるように木から木に飛んでいる。
その飛び方が〈いつも気に掛けて頂きうれしゅうございます〉という波に変化したように感じた。
ニヤニヤしながらその先の田んぼに稲の様子を見に行く。
「川の水が少なくて田にも水が入っていない」と小滝君が心配していたが、元気だった。
シーンとしている稲にパンパンと拍手を打って挨拶すると一斉にそよそよと揺れて応える。
それだけで何かしら通じ合っていることを確信できる。
生きて良し。干からびて良し。死ぬまで生きる。愉快に楽しく面白く。