・・・現在好評連載中の「八田二郎クロニクル」ですが主人公の八田二郎はいつ登場するのですか
「わからん、最後のほうでは必ず登場させる」
・・・これは太宰治などと同じような一種の私小説と考えて良いのですか
「いや、もう読者の存在を無視した、小説でも無い物語でも無い、たとえれば聖書のようなものだ」
・・・この不毛な創作活動はいつまでお続けになるおつもりですか
「たぶん、60億年先、宇宙の果て、世界の終わりまでだ」
・・・今回のスタジオジブリでの映画化のお話はどうされますか
「断じて断る」
2099年、年末、ガニメデのマンガン採掘現場作業員休憩所での雑誌インタビューより
「わからん、最後のほうでは必ず登場させる」
・・・これは太宰治などと同じような一種の私小説と考えて良いのですか
「いや、もう読者の存在を無視した、小説でも無い物語でも無い、たとえれば聖書のようなものだ」
・・・この不毛な創作活動はいつまでお続けになるおつもりですか
「たぶん、60億年先、宇宙の果て、世界の終わりまでだ」
・・・今回のスタジオジブリでの映画化のお話はどうされますか
「断じて断る」
2099年、年末、ガニメデのマンガン採掘現場作業員休憩所での雑誌インタビューより
「おばちゃん、この夢見うどんというのを作っておくれよ」
「あいよっ」
「何だこれは、油の浮いた出汁だけの、これは素うどんっていうんだろ
それにこの大量の白い粉は、味の素だな」
「違いますよ、この素うどんから様々な具を自分で妄想するんですよ
甘辛いおあげさんや、スジ肉や、海老天とかね
この白い粉は夢の素っていって、ひと振りでおいしくなるんですよ
東南アジアでは大量に使うのがトレンドなんです
いつしか、学生さんたちはこの素うどんを夢見うどんと名づけて
彼らの空腹と妄想を満たしていったのです
それも1960年代までだったけどね」
「やっぱり素うどんじゃないか
しかも、よく見たらこれはインスタントの沖縄そばだろ」
「あいよっ」
「何だこれは、油の浮いた出汁だけの、これは素うどんっていうんだろ
それにこの大量の白い粉は、味の素だな」
「違いますよ、この素うどんから様々な具を自分で妄想するんですよ
甘辛いおあげさんや、スジ肉や、海老天とかね
この白い粉は夢の素っていって、ひと振りでおいしくなるんですよ
東南アジアでは大量に使うのがトレンドなんです
いつしか、学生さんたちはこの素うどんを夢見うどんと名づけて
彼らの空腹と妄想を満たしていったのです
それも1960年代までだったけどね」
「やっぱり素うどんじゃないか
しかも、よく見たらこれはインスタントの沖縄そばだろ」
ササオのねじ式血管から流れだした血は
湖と空を時計じかけのオレンジ色に染めた
「見てみろ、西の空が真っ赤だべ」
「おらたちの神様が誕生したずら」
「ありがたやー」
カッパ達は西方浄土に向かって手を合わせた
この年が歴史の始まり、すなわちカッパ暦1年である
西暦よりさかのぼること56億年
キリスト暦よりもケルト暦よりも、もっと古い神の歴史があったのだ
湖と空を時計じかけのオレンジ色に染めた
「見てみろ、西の空が真っ赤だべ」
「おらたちの神様が誕生したずら」
「ありがたやー」
カッパ達は西方浄土に向かって手を合わせた
この年が歴史の始まり、すなわちカッパ暦1年である
西暦よりさかのぼること56億年
キリスト暦よりもケルト暦よりも、もっと古い神の歴史があったのだ