河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

色彩の薄いせわた兄弟の巡礼 第15話

2013年05月31日 | ソーラー農作園芸
あの頃の僕は若すぎて
君の気まぐれを許せなかった

近頃のわしはぼけすぎて
君の事などどうでもよくなった

俺ももう今年で70歳だ
早くバンドデビューしなければ

「海老三、早くデビューしようぜ
おまえは30歳でまだ若いが、俺はもう限界だ
老眼でギターの弦が3本なのか12本なのかよく見えんし」

「そうだね、内三兄さん、僕たち双子の兄弟だけど
兄さんとは40歳も歳が違うものね
でも、そもそもなんで同じ時に生まれて
年齢が違うの?不思議だよね」

「うむ、じゃその謎を教えてやるよ」

色彩の薄いせわた兄弟の巡礼 第14話

2013年05月30日 | ソーラー農作園芸
「ところでいつデビューするんだ」

「ちょっと待ってよ、DAWのSONAR X1は手に入れたんだけど
MTRが品薄で6月入荷なんだよ
ところで、兄さんはなんで巡礼の旅に出たの?」

「そうだな、今考えると、たぶん親のDNAが嫌いだったのかもな
巡礼の旅に出れば親の鎖からも故郷の鎖からも解放されると思っていた
自分を変えたかったんだ、自分の中にあるアーティスト魂を確認したかったんだな」

「でアーティスト魂は見つかったの?」

「いや、学生運動も、ヒッピーも、フォークも、ロックもサイケも
しょせんただの流行だったんだな、今のAKB48と同じだ
いやAKB48よりもっとレベルの低い社会現象だった
本当のアーティストっていうのは何にも流されないんだな
ジャズ喫茶をやっていようが、サラリーマンで子供が3人いようが
そんな事は関係ない、やつらは生まれつきアーティスト魂を持っていやがる」

「で、今は親のDNAの鎖からは解放されたの?」

「いや、まだ足にからみついたままだ
というより一生この鎖から逃れる事はできそうにないな
だからまだ巡礼の旅が続いているんだな」