長崎造船所の秘密の地下室は、この梅雨の季節独特のにおいがする
何百年も前の古いコンクリートがカマンベールチーズのような香りを発するのだ
いや、これは、僕自身を覆っている青カビの匂いかもしれん、加齢臭かもな
無くなったスタートボタンから「再起動」を押した
幽体離脱した僕の下に見える八田二郎の体はたぶんの僕のサナギだ
父、八田二郎の部品をオモダカ博士のなんちゃってSTAP万能細胞によって
すべてを複製することで僕は再起動した
還暦というのはたぶん再起動のことだ
自分自身とそれを外から見ている別の自分がいるというのは不思議な気分だ
まるで国際宇宙ステーションの窓から地球を見ている気分だ
目の前が真っ青になった
これは再起動に失敗した時のブルースクリーンだ
この青はどこかで見た事がある
そうだ、八田二郎が記憶している六月の初めのアジサイの花の色だ
初夏の富良野のラベンダーの色だ
長崎造船所の秘密の地下室は湿った空気をかき混ぜる
冷却ファンの音だけが低くうなっていた
何百年も前の古いコンクリートがカマンベールチーズのような香りを発するのだ
いや、これは、僕自身を覆っている青カビの匂いかもしれん、加齢臭かもな
無くなったスタートボタンから「再起動」を押した
幽体離脱した僕の下に見える八田二郎の体はたぶんの僕のサナギだ
父、八田二郎の部品をオモダカ博士のなんちゃってSTAP万能細胞によって
すべてを複製することで僕は再起動した
還暦というのはたぶん再起動のことだ
自分自身とそれを外から見ている別の自分がいるというのは不思議な気分だ
まるで国際宇宙ステーションの窓から地球を見ている気分だ
目の前が真っ青になった
これは再起動に失敗した時のブルースクリーンだ
この青はどこかで見た事がある
そうだ、八田二郎が記憶している六月の初めのアジサイの花の色だ
初夏の富良野のラベンダーの色だ
長崎造船所の秘密の地下室は湿った空気をかき混ぜる
冷却ファンの音だけが低くうなっていた
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