5月3日から5日までの3日間、玉露製茶の手揉み実演を行いました。手揉み職人の田中静男先生はその道50年以上の大ベテラン。私たちからすればベテランというより雲の上の存在です。
手揉み製茶の手順は
1.蒸熱…茶葉を蒸す
2.葉振い…葉の水分を取り、揉みやすいように柔らかくする
3.回転揉み…軽回転から重回転と茶葉の状態により力をかけて揉む
4.撚りきり…茶葉をまっすぐにのばす
5.でんぐり…茶葉を揃え水分を取る
6.こくり…茶葉をのばしツヤを出し仕上げる
7.乾燥…香りを出すとともに保存できるよう水分を取ると全体で約4時間。今回の実演では4~7まで、2時間程度かかります。そしてこの部分が特に熟練の技を要するところです。生葉の状態で3キログラムのお茶は製品になると約500グラム。20%程度まで少なくなります。
←イメージ写真:田中先生
今回私は小手として田中先生のそばで手揉みをしましたが、やはり間近でみると先生の手さばきはすごかったです。お茶の葉が踊るように一糸乱れず手の中で回転し、次第に細くまっすぐに撚れていく。そして時間を増すごとに葉はツヤを出し、深い香りが漂ってくる。まさに職人技!
香りは派手さはなく、どちらかというと朴訥とした中に豊かな深みを感じさせ、味はコクとうまみがどっしりとして、甘い余韻が続いて行く、まさに伝統本玉露を体現した味。
一日でできるのは20缶程度。この日購入できたお客さんはラッキーでした。
〔くり〕