細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

希望ヶ丘の人びと

2009-03-26 21:49:28 | 読書メモ さ行
希望ヶ丘の人びと     著者 重松 清

《内容》
いじめ、学級崩壊、モンスター・ペアレント、家族の死…。70年代初めに開発された街・希望ヶ丘…そこは、2年前にガンで逝った妻のふるさとだった…。亡き妻の思い出のニュータウンに暮らす父子を描く感動長編。
               (紹介文より)


―――究極の「幸せ」っていうのは、「途中で終わらない」ってことなんですよ。ほんとうの親の責任っていうのは「子どもが一人前になるまで生きる」ってことなんですよ。


―――「『もしも』を考えるってことは、いまの現実を否定することだ。俺は嫌だ、そんなのは。どんな現実だろうと、いまここにあるものは、俺は認める・・・・なにがあっても認める・・・・」


エ/ン/ジ/ン

2009-03-26 18:54:14 | 読書メモ な行
エ/ン/ジ/ン     著者 中島 京子

《内容》
身に覚えのない幼稚園の同窓会の招待状を受け取った、葛見隆一。仕事と恋人を失い、長い人生の休暇にさしかかった隆一は、会場でミライと出逢う。ミライは、人嫌いだったという父親の行方を捜していた。手がかりは「厭人」「ゴリ」、二つのあだ名だけ。痕跡を追い始めた隆一の前に、次々と不思議な人物が現れる。記憶の彼方から浮かび上がる、父の消えた70年代。キューブリック、ベトナム戦争、米軍住宅、そして、特撮ヒーロー番組“宇宙猿人ゴリ”―。
           (紹介文より)


―――埋まらない部分はたくさん残っているけれど、誰の過去だって埋まらない穴のようなものはあるはずだ。母親の記憶の中から、やがて自分も消滅するだろうけれど、自分の中に植えられた新しい記憶が、その喪失をいくらかは補うだろうと彼女は言った。


風花病棟

2009-03-26 18:53:05 | 読書メモ は行
風花病棟      著者 帚木 蓬生

《内容》
乳ガンにかかり“病と生きる不安”を知った、泣き虫女医の覚悟―顔を失った妻を愛する男の、限りない献身―三十年間守り続けた診療所を引退せんとする、町医者の寂寞―現役医師にしか書き得ない悩める人間を照らす、たおやかな希望の光。あなたの魂を揺さぶる、人生の物語。帚木蓬生、十年間の集大成。感動と衝撃の傑作小説集。
            (紹介文より)


―――定年直前の恩師が繰り返し教えてくれた言葉が思い出された。「きみたち、何が効くったって、処方薬の中で一番効くのは『希望』だよ」と言ったのだ。


―――面接で話題がなくなったら、本人が一番輝いていた時期のことを聞く。そうすれば、治療は決して悪い方にはいかない―――。


身体も心も弱くなって行く病院。手を差しのべてくれる先生が信頼できるって、なんて素晴らしいんだろう・・・・・・・・・・。