細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

いつもそばにいるよ

2009-04-25 21:49:43 | 読書メモ あ行
いつもそばにいるよ    著者 江上 剛

《内容》
黄泉の国から帰って来た「僕」は誰にも姿が見えない。遺された家族の今後を思い、建設会社の談合態勢も阻止しなくては。幽霊となって東奔西走(?)する「僕」の生きていた証とは何なのか。全てのサラリーマンに問う、家族と企業の物語。
         (紹介文より)


―――がんばろうな。僕は佐代子の頬にキスをした。佐代子が偶然にも僕の方をちらりと見て、微笑んだ。


―――動機は不純でもいい。結果がよければそれでいい。正しいことがいつでも正しい動機から起きないように、不純な動機で不純な結果が起きるとは限らない。寧ろ動機は不純でも結果は正しいことの方が世の中には多いかもしれない。


―――問題が深刻なだけにどんな些細なことでも笑いに変えた方がいい。笑いは
前進する力になる。涙は停滞か後退にしかならない。





乱反射

2009-04-25 16:55:19 | 読書メモ な行
乱反射   著者  貫井 徳郎

《内容》
ひとりの幼児を死に追いやった、裁けぬ殺人。街路樹伐採の反対運動を起こす主婦、職務怠慢なアルバイト医、救急外来の常習者、事なかれ主義の市役所職員、尊大な定年退職者……複雑に絡み合ったエゴイズムの果てに、悲劇は起こった。残された父が辿り着いた真相は、罪さえ問えない人災の連鎖だった。遺族は、ただ慟哭するしかないのか? モラルなき現代日本を暴き出す、新時代の社会派エンターテインメント!
           (紹介文より)


―――悔いてもどうにもならないことではあるが、それでも後悔の念は脳細胞のひとつひとつを食い破るほどに強い。時間を巻き戻せたらどんなにいいかと、これほど願ったことはかつてなかった。


―――ごろごろとした石を呑み込んだ心地だった。

連帯保証人

2009-04-25 14:02:32 | 読書メモ ま行
連帯保証人   著者   松井 計

《内容》
ある日、高校教師の雄策のもとに消費者金融から一本の電話がかかってきた。家庭の事情で必要だからと頼まれ、愛人・柊子の借金の連帯保証人になっていた雄策だが、柊子の返済が滞っており、連絡もつかなくなっているという。雄策は柊子のマンションに向かうが、すでにもぬけの殻だった。何故、彼女は何も言わずに消えたのか?東京から四国、大阪と住民票や戸籍謄本をもとに柊子の足跡を追う雄策は、予想もしなかった柊子の過去を知ることになる。一方、雄策と妻・麻衣子とのあいだには埋めようのない距離感が生まれていく。そしてついに、雄策は麻衣子の想像を絶する一面を知ることになる。
            (紹介文より)


―――知らぬ間に私は思考の迷路を彷徨い、時間が経てば経つほど、胸にとどまった異物は、その大きさを増していくばかりだった

さよならの扉

2009-04-25 13:01:33 | 読書メモ た行
さよならの扉   著者 平 安寿子

《内容》
彼は逝ってしまったけれどわたしとあなたは、ここにいる。社会経験まるでなしの本妻(48歳)と、デキる独身OLにして夫の愛人(45歳)が、夫の死をきっかけに対面。そんな女ふたりが織りなす奇妙な交流を、一滴の涙を添えてユーモラスに描く。
           (紹介文より)


―――本人がいかに悟って逝ったとしても、残された者には思いが残る。あの優しさにもう甘えることができないと思うと、その理不尽に涙が溢れた。


―――フワフワとよるべない。自由だが重みがない。人生の密度が下がった。不思議な気分だ。楽しいのか寂しいのか、わからない。


あれから

2009-04-25 12:32:36 | 読書メモ や・ら・わ行
あれから    著者 矢口 敦子

《内容》
高校1年の千幸と中学3年の夕美姉妹は、ある朝、父が電車内で痴漢をし、咎めた男性を線路に転落死させたと知らされる。二人は偶然出会った大学生たちの力を借り、父の汚名を晴らそうとするが…。10年後、看護師として一人働く千幸の前に、忌まわしい過去を彷彿させる女性が現れる。そして、哀しくも驚くべき真実が明らかになる。
           (紹介文より)


悲しくなってしまいました。