細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

水のかたち 上  著者 宮本輝

2015-05-30 11:47:49 | 読書メモ ま行

《内容》

東京の下町で暮らす平凡な主婦、能勢志乃子。50歳の誕生日に、近所の古い喫茶店で、年代ものの文机と茶碗と手文庫を貰い受ける。後日、その茶碗の驚くべき価値が判明して、志乃子は骨董の世界に足を踏み入れていく。予期せぬ出会いと友情が引き寄せる、新たな人生の喜び―生の希望に満ちた、傑作長編小説。    (紹介文より)

 

―――経済苦、病苦、人間関係における苦労。それが出て来たとき、人も鋼になるチャンスが訪れたんだ。それが出て来ないと永遠に鉄のままなんだ。だから、人は死を意識するような病気も経験しなければならない。商売にも失敗して塗炭の苦しみにのたうつときも必要だ。だから人間には、厳しく叱ってくれる師匠が必要なのだ。


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