浄土真宗本願寺派 法徳寺ブログ

神奈川県厚木市にある浄土真宗本願寺派(西)のお寺です。
永代供養墓10万より受付中です。

これからが これまでを決める

2023-05-28 15:00:00 | 法話

浄土真宗本願寺派の本山から各寺院宛てに送られてくる「宗報」というものがございます。住職は、その「宗報」に目を通して、宗派のさまざまな情報を知ることが出来ます。今月5月号の記事の中に、お寺から離れて暮らす門徒さんと、どのように、縁を繋いでいくかという取り組みをされている山陰教区 西楽寺さんが紹介されていました。お寺が門徒さんに出している、おハガキの中の言葉に、

これからが これまでを決める 藤代聡磨(ふじしろさとまろ)師 真宗大谷派僧侶

のお言葉が紹介されていました。名僧と言われる方のお言葉です。「これまで(過去)が、これから(未来)を決める」のではありません。変えることも、消すことも出来ない”これまで”ですが、”これから”の生き方次第で、その意味は大きく変わり(決まり)ます。と、菅原住職の解説がされておりました。

皆さんも、変えられない過去にとらわれ、苦しむ時がないでしょうか?しかし、これからの生き方で、過去の意味が変わってくる。たとえば、大切な方との別れです。「ああすればよかった、こうすればよかった」と別れた悲しみ、寂しさで、生きる力も気力も失ってしまうことでしょう。しかし、亡き方は、残された者が、前を向いて生きて欲しいと願っているはずです。失ったものは大きいですが、亡き方のお陰で、阿弥陀如来に出会うことが出来た、生きている有難みが分かった、家族の絆が生まれたなど。この悲しみは、決して、無駄ではなかったと過去の出来事の意味が変わってくるのです。10年程前、私も母を亡くした時、しばらくは、体調を崩すほどの悲しみが続きましたが、ある先輩僧侶の方が、「あなたにとって、お母さんの死は、無駄ではないですよ、いつか住職として、プラスにはたらいてくれます」と、言って下さいました。確かに、私も、母の死をきっかけに、少し、生き方が変わった気がします。人生には、何一つ無駄はないと言われます。でも、無駄にするかしなかは、自分のこれからの生き方次第だと思いました。


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