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信頼を得るには、誠に大変でありますが、信頼を失うのは一瞬であります。私も、檀家さんに、信頼してもらえるよう頑張っているつもりが、つい、油断して、失敗して迷惑
かけています。それでも、見捨てないで、ご縁を繋げてくださる、有り難いことです。
お寺は、本当にありがたいなと思います。寺に生まれた者は入院患者であり、お寺にお参りする方は、通院患者だと言われます。入院患者の方が重病であります。お寺に生まれなければ、阿弥陀如来の救いを聞く事なく、死んでいったことでしょう。浄土真宗の寺院に生まれさせてもらって、誠にありがたいな思うのでありますが、大抵、お寺に生まれた者は、幼い頃、お寺が嫌で嫌で仕方がなかった方が多いようであります。私もお寺が大嫌いでした。それが、いつの間にか、阿弥陀如来の点滴を、毎日、毎日受け続けていると、お寺が有り難く、阿弥陀如来の救いが有り難くなるのです。法徳寺も500年、廃寺にならずに、今も現存しております。私で19代目でありますが、歴代の住職がバトンをつなげてくださったからであります。私もいつの間にか、お寺が大好きになりました。お寺に生まれなかったら、今頃、どうなっていたのか、おそらく迷い続け、空しく死んでいったことでありましょう。