瀝瀝(れきれき)散歩道

瀝瀝というのは「水が音をたてる様子/風が音をたてて吹く様子」つまり、「ありのままの風景」ということでしょうか。

人の心に残る説明の仕方〜秋田・青森の旅

2020-07-08 11:01:46 | 日記

弘前 赤レンガ美術館

青森、秋田の出張を決行しました。
コロナウイルスの感染が再び広がっている中ですから、東京の人間としてちょっとだけ心苦しい気持ちがしました。
でも各地では友人たちが温かく迎えてくれました!

美味しいものもいっぱい食べましたよ!



うに



アジの塩焼き



蓴菜(じゅんさい)



ハーブのお肉

旅の楽しみですね。

さて、今回の旅は目的は3つでした。
そのうちの一つは青森の高校の先生、教育委員会の人たちと「アクティブラーニング」の効果について話し合うことでした。

長い人生の中で、イベントや授業、説明会等で人の話を聞かなければならない時がたくさんあります。
でも、聞きたくない時ってありませんか?
講師のお話が若干つまらなかったり、お昼を食べた後で、眠かったり、好きじゃないけれど、義務として参加しなければならなかったり、、、
こんなイベントの内容を少し変えることによって、人々の頭の中にイベントの内容がストン!と落ちる
そんな手法が「アクティブラーニング」です。



図を見てください。三角形の頂点の部分、
講師が一方的に話しているだけでは、その内容の聴衆への定着率は5%という結果が出ています。
ちょっとだけ、参加者に「読ませる」という活動を足すと10 %の定着率
動画や音楽を聴かせる、なんていう視聴覚プログラムを取り入れると20%
救急の人工呼吸の練習を参加者の前で実演してみせる等のデモンストレーションを採用すると30%になります。
でもここまでは「講師」や「話者」中心です。

これを参加者中心にするのが「アクティブラーニング」です。
講師がテーマを与え「みんなで話し合う」(講師はできるだけ干渉しない)で参加者に活動してもらうと50%
自ら体験するという活動、人工呼吸の練習をみんなで実習する等の活動を入れると、75%
それを活動の中で教える側になれれば、人の知識の定着率は90%になります。

例えば、防災訓練やセミナー
参加したくてきている人、義務できている人、主婦、会社員、若い学生、高齢者、年齢も性別も防災についての知識もモチベーションも異なります。
こんな人たちに話す講師は本当に「知識を定着させよう」と思うと大変です。
そこにワイワイがやがや、みんなで話し合わせる場を作る、
防災に関するゲームをやってみる
実習をやってみる
アイデアを自分たちで考える
それを発表して、コメント(褒め言葉)をいただく

という活動を入れると、どうでしょうか?


アクティブラーニングによる授業は私たちも「自衛隊のキャリア開発教育」の中で実践してきました。
また、企業での研修、人材募集、(参加するのが面倒くさい)防災セミナーや訓練にも活かせることがわかり、
テキストを開発しています。

さて、このアクティブラーニングのテキスト開発の基になっているモチベーションの部分は
私自身がこれまでお金を払った講座や講義で、もったいないことに寝てしまうことが非常に多かったという経験から来ています。
よ〜く分析すると、
その話者の話の内容の水準に自分がついていけない時に眠くなるようです。
物理、化学、数学の話、防災、純文学についての講義、宗教の話、募集説明会、どれも自分に興味がないし、能力もないのでつまらないのです。
話をする先生も「ある程度の知識がある」人向けに話しています。

しかしアクティブラーニングを取り入れると、ある程度まで自分がその授業についていけるようになります。

アクティブラーニングの授業は「先生」のトレーニングが大切です。
ただ、話し合わせればいい、というものでもありません。
やりっぱなしの授業もよくありません。
フィードバックと授業評価、ここまでいけば、かなりいい線に達しているなあ、と思うのです。

そんな話を青森の先生たちとしました。

興味のある人同士、結構話は盛り上がりました。
こんな友だちがいることも、教師として活動している私にとって、嬉しくて誇らしいのです。






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