昨日の日曜の朝6時からチエさんと地元の竜王神社にお参りした。
20年位前に、その近くに住んでいる友人に連れて行ってもらった所だ。その友人はとても霊感が強い。そのせいかどうかはわからないが、学齢前、その滝の所で数人の子供達と遊んでいる時、白い蛇が出てきてその中の男の子が蛇に石を投げて殺したと言う。その時、蛇の血が彼女の服に飛び散って付いた。何故か、子供なのに『私は大人になっても子供は出来ないだろう』と思ったと言う。
もう還暦を過ぎている彼女は家庭を持っても子供は出来なかった。
しかし、昔彼女ので連れて行ってもらった私は、分かれ道になるたびどっちへ進んで良いものかわからず、朝早くから彼女にで連絡を取った。大変な悪路で軽自動車がやっとは知れるくらいの道幅なのにガードレールも標識も無い。対向車が来ないかヒヤヒヤしながら走った。くねくねと曲がった山道を走り、山の中腹でポツポツとあった家屋もなくなり、市内を遠くに見下ろし、誰もいないみかん畑にシューシューとスプリンクラーの音だけがする。やがてみかん畑も無く、暗い雑木林の中になった。もう走る車もめったに無いらしく、道路の轍のあと以外は雑草が生えている。子供の頃遊ぶにしては遠すぎる。どうも間違えたみたいだが、を廻す所も無い。心細くなっていたところ、又道は左右に分かれた。そこでまたをした。
「窓に腰掛けている私が見える?」「何も見えない。暗い林の中よ。」「行き過ぎてる~。」と言って道の説明をした。のありがたみを実感した。
その時は気づかなかったが、帰宅して思い出した。はじめにたずねた時、右に行くように言われたのに左に行ってしまったのだ。
大分降りて、集落に近づいた時、一台の軽トラックがあり、おじいさんに教えてもらっい、しばらくすると道路の下に赤い鳥居が見えてきた。後で聞くと、友人のご主人が水汲みのついでに心配してバイクで来たらしいが、私達の後姿を確認して帰られたそうだ。
お稲荷さんのように奉納されたいくつもある赤い鳥居をくぐり、沢に下りていった。手前にお社があり、ガラス越しに覗き、しめ縄の張ってある小さな滝まで行った。
滝の上にはお不動さんの石仏まであったが、7月の梅雨明けから、一向に雨が降らず、滝の水量は少なかった。近隣の町は毎日のように夕立があるが、この町は雷も音だけが遠くから響き、降りそうな雲行きになりながら、晴れで2,3粒ポチポチと降るキツネの嫁入りである。
もうとっくに夜は明けているのに太陽を背にしている所でもあり、周囲の木々に囲まれ、まるで夜明け前のような暗さでひんやりしていた。また、沢を見守るように優しいお顔のお地蔵様?が祀られていた。
しかし、地元の人達が大切にされているみたいで、沢に落ち葉もなく、水も綺麗だった。日本人が古来から自然を敬う姿だと思った。私達はいつものように鳥居から清めて行き、祝詞、龍神様の御真言とお不動様の御真言、般若心経、光明真言などをあげ、ご挨拶した。まるで私達はマイナスイオン浴をしに来たみたいだった。
お社にもご挨拶をして出た。此処の水が生活用水であったが、今は遠くから水を引っ張ってきているので水道水ではないだろうと思うが、もう境内の下流にでると水はほとんど流れてなかった。
それから、市内に出て氏神様をお参りした。丁度その時、朝日が木漏れ日になって優しく射していた。チエさんが「いつも此処に来ると、いい風が吹いてくるのよね。」と言ったが、昼間のきついと違い、少し秋の気配を感じた。
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