卯月朔。誕生日の花は桜。満開を過ぎた地域もあるけれど、鹿児島は今日が開花予想日。沖縄を除いて日本の南端が一番しんがりというのも奇妙な気がする。昔に比べて全般に咲くのが早くなった。4月8日前後の入学式、始業式にはまだ盛りだった記憶がある。
エプリルフールといっても、世の中が嘘みたいな混乱の中なので、現実以上に迫力のあるペテンが思いつかず、他人を騙してやろうとする気力が沸かない。
3月の日銀短観が発表され、大企業・製造業の業況判断指数がマイナス8に落ち込んだというけれど、この時期にまだ先行きを良いと答えている企業が、悪いと予想する企業と拮抗するくらい在ることに、びっくりする。
現実は全日空が客室乗務員約6400人を月に3-5日程度一時帰休させることを決めたり、銀行に金を貸すくらい資金が潤沢なトヨタが予防的に1兆円の融資枠をメガバンクに設けたり、コロナ禍不況に備えて警戒を強めているのに、随分のんびりした数字に感じる。月30時間前後のアルバイトをする私にも、時間カットの通告が来た。首の一歩手前である。
外出自粛要請で物が売れにくい状況の中でも、スーパーでは買いだめのせいなのか、一部モノの値段が上がっているような気がする。製造業のサプライチェーンの途切れはもちろん不気味であるけれど、食品、生活用品の物流が維持されるのか、不安が募る。そうめん、缶詰類、パンケーキ粉、餅を備蓄用に買った。老人の買いだめ行動をバッシングする記事が出始め、自粛どころか、表を出歩くと襲われる風潮がやって来ないか心配になる。
東京なんかは感染者数が増勢にあり、欧米のようなエピデミックを防止するため、土、日のロックダウン発令なんかも予想される。影響は全国に拡散されるから、戦々恐々である。
見えぬ敵との戦時体制下の生活が余儀なくされるのだろうか。今回は急激すぎるかもしれないけれど、先の読めない戦いというのは、よく考えれば誰しもがずうっとやってきたことである。結局は成る様にしか成らない。
機敏に立ち回ることができても、目論見が外れることもある。マスクを大量に海外から仕入れたけれど、その後、転売が禁止されたため高値で売り捌くことができず、安売り業者に投げ売ったという事例をテレビで放送していた。コロナ菌並みに世間に跋扈するバカの壁は見苦しいけれど、バカの知恵というのはしぶとくて頼もしい。下手の考え休むに似たり、という。
冬の寒さがぶり返してきて、辛い。明け方にブルっと来て、気管支辺りが咳き込む。体もだるい。しかし、コロナに罹ったのかな、などと不安を漏らすことも刑法上かなわず、台風が家を壊さず吹き過ぎるのを待つような心境である。
ぼんやり光明に見えるのは、新型コロナウイルス肺炎が最初に蔓延した中国武漢市の国立ワクチン技術研究所が取り組んでいると伝えられる臨床試験である。重症から回復した同型肺炎患者の血液から採取した血漿を、抗ウイルス剤などと混ぜて新たな感染者に投与したら、症状が改善したと、昨日の記事に書いてあった。COVID-19の抗体が出来上がっているのではないかと、素人には期待を持たせる。不気味な拡大図でのみ姿を現したけれど、実際の菌の構造が特定できていないというから、抗体を化学的に合成するのは時間がかかると思え、生体反応で偶然出来た物の方が近道かと想像してしまう。いずれにしても、そんな物を待たなければならない状態にわが身はなりたくない。
ことわりの
無き戦ひに
信なき
かしら率ゐる
意気も上がらず
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