ICT工夫

全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ

ICT夏のセミナー2008 傍聴記

2008-08-02 23:02:00 | 産業・社会

Ict080802aやまなしICT利活用研究会 夏のセミナー2008が開催されましたので参加しました。会場の山梨県立大学飯田キャンパスは初めて構内に入りました。
来賓として宮島雅展甲府市長と久保眞一市川三郷町長がお出でになっていたのにはビックリ、そして冒頭で宮島市長のご挨拶がありました。基調講演の伊藤洋先生が、「私の話は宮島市長のお話を引き延ばしたようなものになる・・・」とジョークを言われたほどに市長のお話はインターネットと教育についてポイントを捉えておられたと私も感じました。情報を見る見識を養い目利きになるべしというお話の主旨は全く同感しました。
見識は本物に接してこそ養うことができると私は思っています。いくら画集やインターネットで見ることができても、美術館や博物館で本物を直接見る意義はそこにあります。その意味で一般化すれば正確な情報は常に開示されていなければならない、それがあってこそどの情報が正しく何が間違えて伝えられているかが判断できます、その事を私は常に感じています。甲府に来た縁で竹中英太郎記念館を知り本物の凄さを実感できた事は漂流の果ての大きな収穫です。

Ict080802b 伊藤洋先生のお話は大澤真幸/不可能性の時代(岩波新書 2008-04-22刊)を参照されながら「現実」という言葉とその「反意語」を戦後の歴史の中でまず措定することから始まりました。
それを踏まえてインターネットの歴史とオーバーラップさせながら教育の変遷について話されましたので、インターネットの歴史はともかく、教育課程については私は全く無知なので大変参考になりました。ケータイ問題についてもお話がありましたが、ケータイ規制については非合法化することは指導を不要にすることだという指摘にハッとしました。未成年者の喫煙は法的に禁止されていますから教室で煙草の吸い方を教わることはない、それと同じことになると。まあ私などは池袋という盛り場で育ちましたからストリップ劇場の前を通って看板を見ながら学校に通っていたくらいで、青少年時代にいろんな事に免疫ができています。

Ict080802c 伊藤先生の講演が終わりフロアーからの質問で手をあげられたのが宮島市長でした!これまで何度かシンポジウムなどに出かけていてこれは初めて、固唾を呑んで聞き耳を立てました。馬に水を飲ませるという問題についてでしたが、これについては別な機会に市長ご自身お話しになるかも知れません。含蓄あるお話でした。尚、伊藤先生の講演でPISA2000,2003のお話もありましたが後日調べてみたいと思います。百マス計算も初耳でしたからとりあえず検索設定、教育関係の聴衆が多かったので私には分からない言葉が多かった・・・

 

Ict080802d パネルディスカッションも大変興味深く拝聴しました。特に甲府市情報政策課 土屋光秋さんのお話から学校関係の色々なシステムにも長年関わってこられたことを知ることができました。他の市町村ではこのような例は多くないそうです。学校システムでは先日の研究会でも話に出たシンクライアントを導入したそうです。甲府市では縦割り行政の中でシステム系だけは様々な現場のPlan-Do-Check-Actionのプロセスに関わることになるのかと感じました、そういう点で甲府市はかなり先進的なのだと認識を新たにしました。

インターネット経験については、その歴史からみても大人と子供に大差無いものです。むしろ子供に教わる大人を私は知っています(^o^) それだけに大人の側で真の学力とは何かということをきちんとわきまえることが大切だ、それは騙されない力をつけること(目利きになる)、そして死ぬまで学び続けるための方法を身につけること。それが本日のセミナーから得た私の結論です。

いつもながら時間ぎりぎりに飛び込んで、終わるとそのまま飛び出してきたので構内を見学する時間がなくて残念。久しぶりに大学構内の雰囲気をちょっぴり感じただけでしたが、夏休み中なのにかなりの数の学生さんがおられたのには驚きました。