2010年12月29日の山梨日日新聞記事で、リニア駅開業すれば・・・人口、企業進出が増加 新幹線を例に県が調査 勤労者は流出傾向 を読みました。
2009年度には「リニア影響基礎調査」 が実施されて2010年3月に報告書が出ています。--このブログで、2009.10.16 リニア影響基礎調査の中間報告 を書いている事を思い出して最終報告書も確認しました。2010.06.12 山梨県リニア影響基礎調査の最終報告(更新)
山梨日日新聞の記事によれば、リニア駅を開設した時の影響を既存新幹線の駅が立地した都市を状況調査して推測するという調査方法のようです。山梨県庁トップ > まちづくり・環境 > 交通・リニア > リニア中央新幹線 > リニアを活用した県土づくりの推進 > リニア駅周辺まちづくり調査 にある三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)を委託先と選定した経過(評価一覧)を見てみました。
昨年度の「リニア影響基礎調査」の時も同様な評価により同じ委託先が選定されていました。評価項目の中で「調査手法等の妥当性-調査目的を的確に把握できる調査方法等が提案されているか。」、「企画内容の具体性及び実現性-提案された調査内容については、具体的でかつ実現性に優れたものか。」、「企画内容の独創性-提案された調査手法は、有用で独創的なものか。」 この3点に注意するべきでしょう。
リニアは既存新幹線とは違う、むしろ新航空路、空港開設に等しいのではないかと私は思っています。だから既存新幹線の駅について調べても意味があるのだろうかという疑問を感じました。選定に漏れた他社の調査提案がどのようなものだったのか、同じように既存新幹線を素材にして調べるという提案だったのでしょうか。
この評価・審査をしたのがどのような方々なのかはWebページからは分かりませんでしたが、契約金額 4,284,000 円(消費税込) ですから、調査手法が異なるなら、もう1社とも契約して、両方の調査結果を踏まえた山梨県としての検討の場が設けられるべきだと感じました。おそらく数十億円にもなるだろう長期投資の前に1千万円程度の経費でその事業をやるべきかどうかを判断できる資料が得られるなら安いものだと思うのです。
山梨日日新聞記事では、『調査結果によると、人口は60万人規模で新幹線駅のある都市が・・・』云々ですが、調査手法と結果を県民の皆様が確認なさることは必要だと思います。
ちなみに三菱UFJリサーチ&コンサルティングのサイトでは、2010.12.27 リニア中央新幹線に期待する日本の競争力 が出ていました。
「リニアを活用した県土づくりの推進」 で進んでいるのですから、それに見合う結果が得られそうな調査手法を選択することも当然です。否定的な結果が出そうな調査にOKは出したく無いでしょう。しかし、それをやるのが真の県民主権・地方自治だと私は思っています。
ネット検索していたら、リニア新幹線計画の見直しを求めている市民団体「リニア・市民ネット」は(2010年)9月26日、山梨県甲府市市内で「リニアは必要か?」と題したシンポを開きました。 という記事にぶつかりました。こんなシンポジウムがあったことも知らなかった私はヤッパリ山梨異邦人です(^o^)
秒速約130mで走るであろうリニア新幹線に乗っていて地上の景色がどんな風に見えるのかは想像もできませんが、そういう動画がどこかにあれば見てみたいと思います。
2011年1月2日のNHK甲府の記事で、リニア停車駅協議本格化へ が出ていました。
『JRはおよそ350億円と見込まれる駅の建設費について、地元にも負担を求める考えで、県は停車駅の方針が示されるのに伴い費用負担の割合などについてJRとの協議を本格化させることにしています。
県は「駅の場所にかかわらず、リニア中央新幹線が地域活性化の起爆剤となるよう、しっかり準備を進めていきたい」としています。』 駅の設置には数十億どころではない莫大な費用がかかることが分かりました。途中駅は 「地元 が 負担」 というのがJRの方針だとどこかで読んだ記憶があります。(2011.01.02 追記)