遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

2人のノーベル賞学者の退場

2007-10-28 20:58:05 | BIONEWS
今日もお仕事ー。昨日調整したタンパク質をアクリルのゲルで展開しました。月曜日に抗体でタンパク質を検出して結果は出ます。また新しいDNAを作れたので、同じ実験をそれで今週トライして結果が出るのは・・・次の週末か?



A・コーンバーグ氏死去 米国の生化学者(共同通信) - goo ニュース
人類で初めて試験管内でDNAを複製させたアーサー・コーンバーグ博士が亡くなられました。晩年には細胞内のリン酸代謝に興味を持たれてたようで、僕の大学院生時代の同期O川君が彼の研究所に留学していました。今彼はいったい米国のどこで生きているのか・・・。
昨年、息子のロジャー・コーンバーグ博士と一緒に来日されてシンポジウムで講演されました。歴史に残る大学者のお話を聴ける最後のチャンスでした。残念、東京は遠い。慎んで哀悼の意を表します。


黒人差別発言のワトソン博士、米研究所会長を辞任(朝日新聞) - goo ニュース
コールドスプリングハーバー研究所のジェームズ・ワトソン博士が引退しました。もういいお年でしたが、最後の最後に不用意な発言が彼のキャリアを汚してしまいました。
科学者の世界では確かに有色人種がマイノリティーです。欧米での国際学会に出れば一目瞭然。目に見えない壁があるのでしょう。もちろん日本人も有色人種ですが、明治の昔から懸命に働き結果を積み重ねて今の地位があります。多くの科学的業績は金に直結せず、名誉だけなもんですが、日本人はそういうことに比較的喜々として取り組めるのです。面白い民族ですなー。多くのアジア人は勤勉で手先も器用で科学技術の世界で活躍するには向いているのに、目先の利益・実益にとらわれてしまって成功しているものの物まねに終わってしまう。それでなかなか科学技術で成功することができないのです。今年は日本人からノーベル賞学者が出ませんでしたが、イグ・ノーベル賞受賞者は出ました。僕はそれでいいと思います。「科学は面白い!」それが生命線だと信じています。


上の黄葉の写真、思いっきり光を取り込んで撮影しました。その後、さらにPhotoshopで明るく修正!
コメント (6)
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