遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

酔った勢い?

2018-04-26 23:12:38 | 
昨日とは一転してよい天気でした。雨の後って、空気が澄みきってていいですね。基本的に北風だったので風は冷たかったです。上着は必要だったなぁ。
26日は西・東日本で青空 5月並の陽気になるところも
GW前半は全国的に好天 2日以降は崩れる見通し
1か月予報 全国的に5月は暑い (tenki.jp)
やっぱりGWは前半に勝負。そして、5月は気温高めとのこと。

ちょうどアルコール依存症が話題になってるんで、タイムリーな研究になっちまったね。
理研、ゲノム解析で日本人特有の遺伝的変異を解明 飲酒量や血糖値等に関係(財経新聞)
酒に弱い日本人が増えるよう「進化」 遺伝情報から判明(朝日新聞)
日本人は4割から5割くらいが遺伝的にお酒に弱いんですが、これは人類史的にわりと短い時間でそうなったらしいです。日本人2200人の全遺伝情報を解析したところ、過去100世代ほどかけて増えてきたとのこと。日本人と同じくらいの割合で酒に弱いのは、世界では中国人くらい。モンゴル人は2割くらいで、欧州人だと・・・お酒に弱い人はほとんどいない。

そもそも類人猿はこのお酒に強い遺伝子を持っておらず、我々ホモサピエンスは遠いご先祖が遺伝子変異で強い酵素をゲットしてくれたそうです。

樹上生活をしていれば、木の実はごちそうだ。ある程度知能があったら、ごちそうをどっかに貯めておく事は普通にしただろう。飢餓こそが野生で生きる生物の敵だ。デンプンでなく単糖を多く含む木の実を貯めていると、当然発酵する。猿酒という奴だ。アルコール臭がすると酒に弱ければ口にしないだろうが、酒に強い個体は飲んだと思う。

酔った勢いで地上に降りたご先祖は二本足で立ち、歩き、走った。


注:私ゃ、遺伝屋であって、進化屋じゃないっす。(笑)
全ての個体が酒に強かったわけではなくて、弱いのも居たはずなんですが、アフリカ大陸から欧州大陸に渡り、アジアに移っていった過程でアルコールの代謝能がどうだったか、ゲノム解析がいつか答えを出してくれるかも知れません。逆にそれで人類の進化と分布変化がわかるかもしれませんね。
日本でお酒が弱いほうが子孫を残すのに有利だったというのは、単なるこじ付けだと思います。そうでない人種民族がいっぱい居ます。むしろ、民族レベルでの生存にたいして重要でないから人種や民族ごとにアルコール代謝能がバラバラなままなんじゃないかと思います。アルコール代謝能に意味があるなら、ほかの民族も同じような比率になるでしょう。
遺伝的変異の蓄積プロセスがこういったゲノム解析でわかってくるのは面白いと思います。

本日のお酒:SAPPORO 極ZERO 爽快ゼロ + 立山 純米大吟醸 雨晴 + 宮崎芋焼酎 黒霧島
コメント
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